【特別企画】2022年の人文/社会科学おすすめ本──「いま私たちはどんな時代を生きているのか?」を考えるヒント
2022年も残す所、あと少し。今年もたくさんの良書が世に送り出されてきました。
そんな中から、「いま私たちはどんな時代を生きているのか」をアカデミアの知を頼りに探っていくプロジェクト「デサイロ(De-Silo)」がセレクトした書籍リストをお届けします。
デサイロで研究プロジェクトを推進している研究者4名、運営メンバー3名が、2022年に日本で刊行(訳書含む)された人文・社会科学領域の書籍の中から、「いま私たちはどんな時代を生きているのか?」を考えるヒントをくれるものをピックアップしました。また、デサイロのDiscordコミュニティメンバーが推薦してくれた本のリストも巻末に記載しています。
気になったタイトルがあれば、年末年始の読書リストにぜひ加えてみてください。
まずは、デサイロの研究プロジェクトを推進してくれている、4人の研究者による選書から。
リーヴ・ストロームクヴィスト『欲望の鏡──つくられた「魅力」と「理想」』(選者:磯野 真穂)
###選者コメント
多様性とか、自分らしさとか、自分軸とか。そういうことを盛んに訴えるインフルエンサーが(自分の見栄えをめちゃくちゃ気にしているようにしか見えない)自撮りをアップしている。見慣れた風景。
スウェーデンの漫画家、リーヴ・ストロームクヴィストは現代思想家の言葉を手がかりにこの変な時代を読み解く手立てを示す。例えばこんな風に。「人間は自分が何を欲望するかを知らない生き物だ」、「人間は他人の欲しがるものが欲しい」。(磯野 真穂)
###書名
『欲望の鏡──つくられた「魅力」と「理想」』
###著者
リーヴ・ストロームクヴィスト
1978年生まれ。スウェーデンを代表する漫画家、文化人。ほかの著作に『禁断の果実──女性の身体と性のタブー』(相川千尋訳、花伝社、2018年)、『21世紀の恋愛──いちばん赤い薔薇が咲く』(よこのなな訳、花伝社、2021年)など。多くの作品が舞台化されている。
###訳者
よこのなな
1977年生まれ。90年代半ばと2000年代初めにスウェーデンの地方都市でスウェーデン語や社会科学を学ぶ。
###発行
2022年6月20日
###版元
花伝社
###選者
磯野 真穂(いその・まほ)
人類学者。長野県安曇野市出身。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科を卒業後、アスレチックトレーナーの資格を取るべく、オレゴン州立大学スポーツ科学部に学士編入するも、自然科学の人間へのアプローチに違和感を感じ、同大学にて文化人類学に専攻を変更。同大学大学院にて応用人類学修士号、早稲田大学にて博士(文学)を取得。その後、早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て2020年より独立。研究、執筆活動を続けつつ、身体と社会の繋がりを考えるメディア「からだのシューレ」にてワークショップや読書会、新しい学びの可能性を探るメディア「FILTR」にて人類学のオンライン講座を開く。 人類学の暮らしへの応用可能性を模索しており、企業の新製品立ち上げにおけるブレインストーミングなどにも関わる。共同通信「論考2022」、朝日新聞書評委員/同紙コメントプラス、コメンテーター。チョコレートと甘酒と面白いことが好き。
関連記事:“ありのまま“ではいられない私たち。「理想の身体」への欲望から見えてくるもの──人類学者・磯野真穂
モリス・バーマン『神経症的な美しさ──アウトサイダーがみた日本』(選者:柳澤 田実)
###選者コメント
本書の著者、モーリス・バーマンは日本を「ポスト資本主義社会のモデル」と謳うが、提示される日本像は極めてシビアだ。日本人は元来、米国主導の経済成長主義にはそぐわない、現在至上主義、不在を尊ぶ美意識と状況に対する可塑性を持つ集団である。しかし、それらの美点は同時に、内省や歴史感覚の欠如、善悪の絶対的基準を持たない非倫理性と表裏一体になっている。
本書は、成長/成熟しない国=日本を、禅、民藝、京都学派、戦後文学、戦中戦後や東日本大震災に露呈した無責任体質、オタク、「引きこもり」からサブカルチャーまで参照しつつ、共感をもって描き出す。昨今、経済成長主義の是非が問題になっているが、この元来「非」成長的な日本の文化風土に対する自問自答もまた、改めて私たちに求められているはずだ。本書はその自問自答のために不可欠な情報と視点を与えてくれる。(柳澤 田実)
###書名
『神経症的な美しさ──アウトサイダーがみた日本』
###著者
モリス・バーマン
詩人、小説家、エッセイスト、社会批評家、文化史家。これまでに17冊の単行本、150本近くの論文を発表しており、ヨーロッパ、北アメリカ、メキシコの様々な大学で教鞭を取る。1990年にワシントン州の州知事作家賞を受賞、1992年にはロロ・メイ・センターの人文学を対象とした年間助成の第一号となる。著書に『デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化』(柴田元幸訳、文藝春秋、2019年)がある。2000年、The Twilight of American Culture が『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』紙で「注目すべき本」として紹介される。2013年、メディア・エコロジー協会より、公共的知的活動における業績に対するニール・ポストマン賞を受賞。メキシコ在住。
###訳者
込山 宏太(こみやま・こうた)
青山学院大学大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。専門はイギリス文学・文化史。
###発行
2022年12月10日
###版元
慶應義塾大学出版会
###選者
柳澤 田実(やなぎさわ・たみ)
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。博士(学術)。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降Moral Foundation Theoryに基づく質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について、何かを神聖視する心理に注目しながら研究している。
関連記事:“ねじ伏せない”社会変革のため、「私たち」の感覚にリアリティを付与する──哲学者・柳澤田実
ウルリッヒ・ベック、エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム『個人化の社会学』(選者:山田 陽子)
###選者コメント
ドイツの社会学者U.ベックとE.ベック=ゲルンスハイムによる著作。本書によれば、「産業社会の生活連関(階級・家族・ジェンダー・国民)からの、再埋め込みなき脱埋め込み」である「個人化」が進行すると、人びとは雇用・労働市場と教育・医療・福祉・心理等の専門システムに依存するようになる。これは人生の標準化と市場化を推し進めるが、一方で文化的には自分独自の人生のオーナーやエディターたれという圧が強まる。
原書は、INDIVIDUALIZATION:Institutionalized Individualism and its Social and Political Consequences(Sage,2001)。刊行から20年が経過しているが、まったく色褪せない。S.ラッシュとZ.バウマンによる序文も有意義。少し難しく感じる方は「第14章 ゾンビ・カテゴリー」だけでも。インタビューでベックが個人化概念と現代社会の見方について易しく語っています。(山田 陽子)
###書名
『個人化の社会学』
###著者
ウルリッヒ・ベック
1944〜2015年。元ミュンヘン大学教授。リスク社会論や個人化論,コスモポリタン化論で知られる。邦訳された主な著書に『再帰的近代化』(共著,而立書房,1997年),『危険社会』(法政大学出版局,1998年),『世界リスク社会論』(筑摩書房,2010年),『リスク化する日本社会』(共著,岩波書店,2011年),『変態する世界』(岩波書店,2017年)などがある。
エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム
1946年生まれ。元エアランゲン=ニュルンベルク大学教授。専門は家族社会学。邦訳された著書に『出生率はなぜ下ったか』(勁草書房,1992年),『子どもをもつという選択』(勁草書房,1995年), 『愛は遠く離れて』(U.ベックとの共著, 岩波書店,2014年) がある。
###訳者
中村好孝:滋賀県立大学人間文化学部講師 ほか
###発行
2022年2月28日
###版元
ミネルヴァ書房
###選者
山田 陽子(やまだ・ようこ)
社会学者。大阪大学大学院人間科学研究科准教授。博士(学術)。単著に『働く人のための感情資本論―パワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学』(青土社,2019年)、『「心」をめぐる知のグローバル化と自律的個人像―「心」の聖化とマネジメント』(学文社,2007年)、編著に『社会学の基本-デュルケームの論点』(学文社,2021年)など。日本社会学史学会奨励賞受賞(2007年)。社会学理論や学説を丹念に読み込みながら、フィールドワークやインタビュー調査を通して人々の生の声を聴き、近代資本主義社会と感情、自殺について研究している。
関連記事:「感情」すらも資本化されていく時代に、「働くこと」と「癒し」を問い直す──社会学者・山田陽子
レスリー・カーン『フェミニスト・シティ』(選者:和田 夏実)
###選者コメント
フェミニスト地理学者であるレスリー・カーンの都市に関する考察書。彼女は「いちばん身近な地理」としてからだの存在を挙げ、彼女自身の日々変容し、妊娠を経てある時には環境となった、自らの身体と娘のからだとに問いかけるように、都市に対する論を連ねていく。
社会に対する反復のうちに、体に刻み込まれてしまった仕草や接触の記録、所作の隅々にわたる帰属と排除の文化的コード。この世界における多様な身体に対して、建築も言語もまだあまりに拙い。マイノリティの主体的なByからは、自らを形作るための実践が立ち現れ、それは、ただの陣取りゲームではなく、自由で豊かさを含む多層的な人々の関わりあいの可能性に満ちている。一年を癒す年の瀬に、今年あなたの身体に刻まれた記憶に思いを馳せてみてはいかがだろうか。(和田 夏実)
###書名
『フェミニスト・シティ』
###著者
レスリー・カーン
マウント・アリソン大学地理・環境学准教授。女性・ジェンダー研究ディレクター。専門は、ジェンダー、ジェントリフィケーション、フェミニズム。著書に『Sex and the Revitalized City: Gender, Condominium Development, and Urban Citizenship』(2010)がある。
###訳者
東辻賢治郎
1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。訳書にレベッカ・ソルニット『迷うことについて』『私のいない部屋』などがある。
###発行
2022年9月13日
###版元
晶文社
###選者
和田 夏実(わだ・なつみ)
インタープリター ろう者の両親のもとで手話を第一言語として育ち、視覚身体言語の研究、様々な身体性の人たちとの協働から感覚がもつメディアの可能性について模索している。LOUD AIRと共同で感覚を探るカードゲーム《Qualia》や、たばたはやと+magnetとして触手話をもとにした繋がるゲーム《LINKAGE》など、言葉と感覚の翻訳方法を探るゲームやプロジェクトを展開。東京大学大学院 先端表現情報学 博士課程在籍。同大学 総合文化研究科 研究員。2016年手話通訳士取得。《an image of…》《visual creole》 "traNslatioNs - Understanding Misunderstanding", 21_21 DESIGN SIGHT, 2020
関連記事:一人ひとりの「生きているという実感」を見つけ出すために──メディア研究者・和田夏実
続いて、デサイロ運営メンバーによる選書。
鈴木健『なめらかな社会とその敵』(選者:岡田 弘太郎)
###選者コメント
2013年に刊行された『なめらかな社会とその敵』が約10年のときを経て、ついに文庫化された。著者の鈴木健さんが「この本は300年後の、24世紀の読者に向けて書きました」と13年末のツイッターに書いているように、本書で提唱されているアイデア(伝播投資貨幣システムPICSY、分人民主主義)は色褪せないばかりか、テクノロジーの進化に伴ってそのリアリティを増しているように思える。
注目したいのは次の2点だ。「なめらかな社会への断章 2013-2022」として新たに書き下ろされた補論では、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリンや、政治経済学者のグレン・ワイルらを筆頭にいまのクリプトの世界を率いるオピニオンリーダーたちが、社会構想だけではなく、ブロックチェーンを用いて「社会制度の設計」にまつわるアイデアを実装している旨が記述されている。
デサイロとしてもうひとつ注目したいのは、本書が国際大学GLOCOMにて行なわれた共同討議のised(情報社会の倫理と設計についての学際的研究)や、東京財団仮想制度研究所などでの発表や議論を経て産み落とされている点だ。学際的な視点をもつ研究者が集う場を催していきたいデサイロとしても(勝手ながら)仮想制度研究所での取り組みをベンチマークにしている。そのため、鈴木健さんの著書にならいながら、時代精神を捉えて長期的な視野で次なる社会を準備しようとする野心的なアイデアを、ここから生み出していければと思う。本書で提唱された社会制度の実装への道のりが少しずつ見えてきたいまこそ読み返したい一冊だ。
###書名
『なめらかな社会とその敵』
###著者
鈴木 健(すずき・けん)
1975年長野県生まれ。1998年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は複雑系科学、自然哲学。東京財団仮想制度研究所フェローを経て、現在、東京大学特任研究員、スマートニュース株式会社代表取締役会長兼社長。著訳書に『NAM生成』(共著、太田出版)、『進化経済学のフロンティア』(共著、日本評論社)、『現れる存在』(共訳、ハヤカワ文庫NF)など。
###発行
2022年10月10日
###版元
筑摩書房
###選者プロフィール
岡田弘太郎(おかだ・こうたろう)
デサイロ(De-Silo)代表。編集者。1994年東京生まれ。2018年より『WIRED』日本版の編集者として、雑誌やWeb連載における編集、カンファレンスやイベントの企画・モデレーター、Sci-Fiプロトタイピング事業におけるプログラム開発・ファシリテーターなどを担当。『WIRED』日本版にて、多分野の研究や科学者とイベントやシンポジウムの企画、情報発信のサポートをするなかで、人文/社会学領域の研究の意義に触れる。19年よりクリエイティブ集団「PARTY」パートナー。「GRAZE GATHERING」編集統括。スタートアップを中心とした複数の企業の編集パートナーを務める。慶應義塾大学にてサービスデザインを専攻。Twitter: @ktrokd
谷川 嘉浩『鶴見俊輔の言葉と倫理──想像力、大衆文化、プラグマティズム』(選者:小池 真幸)
###選者コメント
ちょうど100年前の1922年に生まれ2015年に没した、日本を代表する思想家・鶴見俊輔の哲学を読み解いた一冊だ。しかし不思議なことに、哲学と市民運動、そして大衆文化を軽やかに行き来した鶴見の哲学は、現代を生きる私たちに対してダイレクトに響いてくる。
何より刺激的なのは、著者が「エピソードの断片を継ぎ合わせ、〈編集する〉という仕方で、自分のメッセージを『示し』ている」と表現する鶴見の哲学的態度を、著者自身が本書で実践している(ように伝わってくる)点だ。図式的なフレームワークを打ち立てて鶴見哲学を整理する手法を、本書は取らない。個々の論立てや表現は明晰かつ明瞭だが、各章で立てられる問いは、一見するとばらばらでボトムアップだ。しかし、鶴見が残した言葉のきわめて丹念かつ批判的な読み解き、そして著者自身の思考も織り交ぜながら応答していくうちに、鶴見の哲学の輪郭がじわじわと浮かび上がってくる。(小池真幸)
###書名
『鶴見俊輔の言葉と倫理──想像力、大衆文化、プラグマティズム』
###著者
谷川 嘉浩(たにがわ・よしひろ)
哲学者など。博士(人間・環境学)。京都市立芸術大学美術学部デザイン科特任講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。学際的な学部・大学院で学問を修めたこともあり、マルチリンガルのように多専門性を心掛けた研究を展開している。著書に、『鶴見俊輔の言葉と倫理』(人文書院)、『信仰と想像力の哲学』(勁草書房)、『スマホ時代の哲学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)他多数。訳書に、マーティン・ハマーズリー『質的社会調査のジレンマ』上下巻(勁草書房)。
関連記事:「プラグマティズム」から考える仮説的思考、あるいは哲学の魔法|哲学者・谷川嘉浩
###発行
2022年9月20日
###版元
人文書院
###選者
小池 真幸(こいけ・まさき)
編集、執筆。近年は主に批評誌「PLANETS」、デザインの可能性を探究するメディア「designing」、個性を探究するメディア「うにくえ」、組織の創造性を賦活する最新理論を基盤とした専門家集団・株式会社MIMIGURIなどにて、研究者やクリエイター、事業家らと協働しながら企画・編集を手がける。1993年神奈川生まれ、東京大学にて教育哲学を専攻。Twitter:@masakik512
エマヌエーレ・コッチャ『メタモルフォーゼの哲学』(選者:中楯 知宏)
###選者コメント
多種多様な存在との共生について思いを馳せる中で、出会ったのが本書である。筆者は人間、動物、昆虫、植物、土地、先祖などあらゆる存在は別個のものではなく、1つの生であり、メタモルフォーゼにより連綿と続く存在であるという。
今を生きる私たちは、過去の生の連続の上に存在し、他者の生によって生かされている。人間である以上、人間中心に考えてしまう場面はあるが、様々な存在とどう向き合っていくのか、本書は新たな示唆を与えてくれる。(中楯 知宏)
###書名
『メタモルフォーゼの哲学』
###著者
エマヌエーレ・コッチャ
1976年イタリア生まれ。フィレンツェ大学博士(中世哲学)。フランスの社会科学高等研究院(EHESS)准教授。著書に La trasparenza delle immagini. Averroe e l'averroismo(Mondadori, Milan, 2005), La Vie sensible(tr. de M. Rueff, Payot et Rivages, Paris, 2010), Le Bien dans les choses(tr. de M.Rueff, Payot et Rivages, Paris, 2013), Philosophie de la maison. L'espace domestique et le bonheur(tr. de Leo Texier, Bibliotheque Rivages, Paris, 2022)など。邦訳書に2017年のモナコ哲学祭賞を受賞した『植物の生の哲学――混合の形而上学』(勁草書房、2019年)がある。
###訳者
松葉 類(まつば・るい)
1988年生まれ。京都大学文学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。現在、同志社大学ほか非常勤講師。専門はフランス現代思想、ユダヤ思想。論文に「レヴィナスにおけるデモクラシー論―― 国家における国家の彼方」(『宗教哲学研究』第38号、2021年)など。共訳書にフロランス・ビュルガ『猫たち』(法政大学出版局、2019年)、ミゲル・アバンスール『国家に抗するデモクラシー』(法政大学出版局、2019年)。
宇佐美 達朗 (うさみ・たつろう)
1988年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。著書に『シモンドン哲学研究――関係の実在論の射程』(法政大学出版局、2021年)、論文に「シモンドン哲学における技術性の概念と人間主義の顛倒」(『フランス哲学・思想研究』第27号、2022年)など。共訳書にティム・インゴルド『ライフ・オブ・ラインズ――線の生態人類学』(フィルムアート社、2018年)。
###発行
2022年11月1日
###版元
勁草書房
###選者
中楯 知宏(なかたて・ともひろ)
東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程修了。新卒で食品ECベンチャーに入社。プロジェクトマネージャー、統合マーケティングマネージャー、ブランド事務局長などを担当。北海道移住を機に、フリーランスに。現在は長野県北安曇郡に生息。日々、北アルプスを眺めながら、いろんな生き物や存在と共に暮らしている。
そして、デサイロのDiscordコミュニティのメンバーがピックアップしてくれた本のリストも掲載します。
・谷川 嘉浩『スマホ時代の哲学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
・三木 那由他『会話を哲学する──コミュニケーションとマニピュレーション』(光文社)
・藤井 敦史『地域で社会のつながりをつくり直す──社会的連帯経済』(彩流社)
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