研究人材のマッチングから、研究への貢献に応じたトークン付与まで──DeSciが実現するエコシステムの最新マップ|濱田太陽
短期的な実益に結びつきづらい人文/社会科学の研究にとって、重要な課題の一つが「資金調達」です。その現状を打開するヒントを探るべく探究する連載シリーズ「研究資金調達のオルタナティブをめぐって」。
連載第1回では、新たな研究資金の調達手段として昨今注目が集まっている「DeSci(Decentralized Science:分散型サイエンス)」の全体像を、神経科学研究者・濱田太陽さんに概説いただきました。第2回ではDeSciが構築しているエコシステム、特にデータや特許などのマーケットプレイス、資金調達の仕組み、ガバナンスモデルなどがどういった可能性を切り拓くのか、最新事例を紹介しながら論じていただきます。
マーケットプレイス、ファンディング、コミュニティ……DeSciが実現するエコシステム
ブロックチェーンを使うことによって、さまざまな企業が担ってきた製品やサービスの商取引の引き合わせを、仲介企業を介さない企業や個人同士の取引(P2P取引)に変換することが可能になります。とりわけDeSciにおいては、データ・特許・研究機能の取引にブロックチェーンを紐づける市場が構築されています。
特に、創薬に代表されるバイオテック領域ではDeSciの注目度も高く、ファンディングを中心としたさまざまなDAOが出てきています。その背景として、年々、創薬開発に必要な費用が高まっており、その費用を利益に転化するため深刻な医療や薬価の高額化が起こっている現状があります。この創薬開発の高額化を改善していく方法として、企業内でのみ創薬開発するのではなく、大学等で生まれた特許やそのシーズをブロックチェーンで構築されたマーケットを通じて取引し利用することで、使われていない特許等の活用を促し独自開発を減らそうとしているわけです。
またDeSciにおけるプロジェクトのファンディングにも、多くの方法があります。例えば、オープンソースソフトウェアを支援する「Gitcoin」など、コミュニティにとって重要なプロジェクトに助成金(グラント)を提供する「グラント系DAO」の仕組みが活発に議論されており、これについても後ほど取り上げていきます。
資金調達だけでなく、トークンに基づいたサイエンスコミュニティの運営を実践しているDAOや、研究の記録やコードをブロックチェーンに紐づけることで研究プロセスの公開やコードの実行を自動化する流れを作る動きもあります。さらに、一つのDAOのみならず、さまざまなDAOに参加する際には、参加者が不正を働いていないかなどを確認する認証システムが必要になります。現在、DeSciに限らず不正行動を判別するシステム頑健性については界隈全般で開発が進んでいて、そちらについても言及したいと思います。
ここでは、これらのマーケットプレイス、ファンディングの取り組み、新たなリサーチコミュニティやそのツール、DAOによる新たなガバナンスモデルについて、それぞれ順に紹介し、DeSciが持つ可能性について詳述したいと思います。
続々と現れる、データ・特許・研究機能のマーケットプレイス
DeSciに関連したトレンドの中に、「ブロックチェーンを活用したスマートコントラクトによる、P2P取引のマーケットプレイスを用意する」というものがあります。
なぜ規格化されたP2Pによる取引が求められているのでしょうか? ある企業が、それぞれ独自に持っているデータや特許を他の企業と取引する場合、個別に契約する必要があります。特に複数の企業と取引する場合には、その作業量やコストは膨大になるでしょう。
このような問題を、規格やマーケットの整備を通じてスムーズな取引によって解決しようというのが一つの試みになっているのです。これにより、一つの企業では開発しきれないデータや特許などの利用を市場に解放し、莫大な開発コストを下げ開発スピードを上げる狙いがあります。
このような基盤を提供している組織として、ここではP2Pの分散型データ取引を可能にするマーケットやその規格であるデータNFTなどを提供している「Ocean Protocol」、VitaDAOやPsyDAOといったDeSci向けのプロジェクトに対して、P2Pの知的財産権(IP)を取引する規格であるIP-NFTの提供と開発を行っている「Molecule」を紹介します。
①DeSciの基盤となるデータ取引の活性化を促す「Ocean Protocol」
2018年より始まったOcean Protocolは、「AI開発のためのデータの取引を可能にするデータエコノミーの設立」を謳っています。これはDeSciのプロジェクトではないですが、その基盤となりうるマーケットを提供しています。
自動車製造関連の世界最大の非営利の連合である「Mobility Open Blockchain Initiative(MOBI)」と、2018年からパートナーシップを締結。MOBIは、BMW、GM、Ford、そして日本からはDENSOやHONDAなどといった世界的自動車関連メーカーが加入しており、コネクテッドカーなどためにブロックチェーンなどの分散型テクノロジーの基盤を提供することを目的としています。MOBIとの連携はOcean Protocolにとって、複数のプレイヤーに市場取引の基盤を提供することで、データの塩漬けを防ぎオープンイノベーションを促す取り組みの例と言えるでしょう。他にも医療用の画像データ、ゲノムデータ取引やアート取引など企業同士のみならず、個人同士、もしくは個人と企業間の取引も可能にすることで、データエコノミーの確立を狙っています。
またOcean Protocolは、2022年に「データNFT」という規格の提供を開始しました。このデータNFTは、ERC721規格を用いたNFTにより、データの所有者やNFT取引による収益を別のアカウントにどのように分配するかも設定できます。さらにウォレットへの移動が可能になり、「OpenSea」などといった異なるマーケットにおいて売買することで、データのスムーズな売買と複数のステイクホルダーに対する収益の分配が可能になるのです。
②バイオテックの特許やデータ取引のプロトコルを提供する「Molecule」
主にDeSciプロジェクトに規格を提供するMoleculeは、Ocean Protocolと似たような仕組みを利用していますが、主に製薬やバイオテック関連の特許やデータ等の利用に焦点を当てています。
彼らは、研究開発のシード期に生まれた特許をNFT化することで、IP自体を取引し売却やライセンス貸出を行い、研究者が起業せずに研究を収益化できるようにしています。また、製薬・バイオテック企業にとっては、独自に行ったシード期の特許を保有し続けることなく取引可能なため、薬価等に上乗せされてしまう開発コストを下げるメリットもあります。
Moleculeは主に、長寿研究やサイケデリック研究に対して投資するVitaDAOとPsyDAOにこのIP-NFTを提供し、それぞれのDAOが投資を行ったプロジェクトが取引可能になる基盤を構築します。興味深いことに、研究機能自体を取引する「LabDAO」にもIP-NFTの提供が行われることになっており、データやIPのみならず、研究者や企業がやってもらいたい研究プロジェクトやデータ自体をマーケットを通じて取引することが期待されているのです。
研究人材のマッチングを支援するプロジェクトも登場
Ocean ProtocolやMoleculeのみならず、今後は研究人材や機械学習のモデルの取引も可能になってくると筆者は考えています。
例えば、フリーランスと企業のプロジェクトのマッチングを、企業ではなくフリーランスのコミュニティ運営で行うことを目指している「Braintrust」という組織があります。企業プロジェクトと人材のマッチングを促した行為などにトークンを配ることで、フリーランサーが組織運営に関与できる幅が広がります。
またDeSciのプロジェクトではないですが、「Kolabtree」と呼ばれるフリーランスの科学者のための研究プロジェクトのマッチングサイトはすでに存在しており、今後Braintrustにも似たような仕組みがフリーランスの科学者向けにも検討される可能性もあります。
このようにブロックチェーンによるP2P取引は、企業や大学機関以外の所属の個人にもサイエンスのマーケットを広げ、今後新たな研究のあり方も提供する可能性があるのです。
DeSciが実現する、新たなファンディングの仕組み
ブロックチェーンによるP2P取引が開拓するマーケットから収益を得るのではなく、直接寄付や投資を受ける基盤も提供され始めています。
第1回でも言及した、研究の成果物をNFTアートにする取り組みに加え、研究プロジェクトにグラント系のDAOが投資することでIPの売買権を所有したり、公共性の高いプロジェクトに対して寄付したりする仕組みが構築され、すでに運用され始めています。
このような新たなファンディングがDeSciにおいて始まっているのは、医薬品研究開発を対象としたバイオテック系のDAOです。医薬品研究開発は、複数の治療ターゲット候補の選定や厳格な効果検証などによって数百億円を超える研究開発費や長い年月が必要になるため、新たな医薬品の価格も高額になっています [DiMasi et al., 2016]。そのため今後多くの医薬品が一般の市民に手に届く価格にならない可能性があります。
一方で、製薬・バイオテックにおける新たなライセンスは、大学発のプロジェクトから生まれたものも半数近くあるなどのデータもあり、アカデミアの研究シーズに投資し、得られた成果を製薬会社などに売却などをすれば医薬品も効率よく生まれる可能性もあります [Huang et al., 2021]。しかし現在、このような研究シーズの多くは、特許取得までの追加資金が注入されないため、開発が進められず活用されない状態にあります。多くのバイオテック系のDAOでは、このような研究シーズに投資を行い、得られたIPを製薬会社に売却もしくはライセンスの貸し出しを行うことで、オープンな開発を促進し、独自開発によるコスト増を防ぐ狙いがあります。
以下では、新たなファンディングのエコシステムを実現しつつあるプロジェクトを3つ紹介します。
①長寿研究をサポートする「VitaDAO」
このようなバイオテック系のDAOの代表格は、長寿研究をサポートする「VitaDAO」です。2021年に創設され、5,000人以上の参加者がおり、すでに14件以上研究プロジェクトにファンディングを行っています。
このDAOでは、DAOコミュニティの意思決定を行うためのガバナンストークン「VITAトークン」が発行されており、このトークンの保持者は「資金提供を検討しているプロジェクトに投資するかどうか」などの意思決定に際して投票することができます。
2022年夏にはCOVID19のワクチン開発で有名なファイザーのVC部門であるファイザーベンチャーズとの提携の提案がDAOで受理されました。その中で、DAOが保有しているIPを使った医薬ターゲットをインキュベーションしたり、商品化に向けたサポートを行ったりすることが計画されています。
これにより、今後得られたIPの売却先の見通しが具体化され、持続的な成功モデルになるか注目されています。一方で、保有するトークン数は比較的少額とはいえDAOの運営に企業が入り込むことになったため、特定の企業による独占・寡占状況を引き起こさない施策が必要になってくると筆者は考えています。この問題については、次回以降で詳しく言及したいと思います。
②希少疾患の研究プロジェクトに投資する「Vibe BIO」
VitaDAOの他にも、筆者が注目しているバイオテック系のDAOはあります。
例えば「Vibe BIO」は、希少疾患と呼ばれる患者数が少ないため研究開発が進まないような疾患を対象とした研究プロジェクトに投資するDAOです。
主に、希少疾患の患者やその家族による参加を念頭に置いて作られています。さらに、既存の希少疾患を研究進めている組織やその家族の慈善団体とも連携しており、希少疾患の患者家族に新たなプロジェクト支援の方法を提供しています。
③独自の資金提供の仕組みを目指す「Gitcoin」
今まで言及してきたような研究プロジェクトへの投資とは別のプロジェクト支援も出てきています。
研究プロジェクトのみならずオープンソースのプロジェクトに対して積極的にサポートしているのは、誰でも参加可能で取引が閲覧できるパブリックブロックチェーンであるイーサリアムの資金プールをベースとした「Gitcoin」です。このGitcoinを通じて多くのDeSciのプロジェクトが資金調達を行っており、独自の資金提供の仕組みがあるため取り上げたいと思います。
Gitcoinは、イーサリアムの中枢メンバーが支援するプロジェクトを決めるのではなく、プロジェクトに対して寄付を行う人の数によってGitcoinがプールしている資金から提供する額を決めています。この方法は「二次ファンディング(QF、quadratifc funding)」と呼ばれ(参考)、新進気鋭の経済学者であるグレン・ワイルやイーサリアムの共同創業者であるビタリク・ブテリンらによって提案されました [Buterin et al., 2019]。
QFの興味深いところは、支援する人数をより重要視する点です。例えば、1人が100万円を支援したプロジェクトよりも、100人がそれぞれ1万円ずつ支援して合計100万円支援したプロジェクトの方へGitcoinからの資金がより注入されることになります。さらに、QFはどれだけ多くの人に貢献しているかや関心になっているのかという観点を取り入れることができ、より公共のためになるプロジェクトを支援することができると考えられています。
他にもパブリックブロックチェーンである「Polygon」や「Harmony」がDeSciのプロジェクトへ支援を始めています。このようなパブリックブロックチェーンがDeSciに投資する動機については、次回以降に改めて説明する予定です。
新たなサイエンスコミュニティとガバナンスモデルの構築も推進
収益化やファンディングとは別に、「サイエンスコミュニティ自体の刷新にブロックチェーンが使えないか」という動きもすでにいくつか出てきています。
インターネットの登場以降オープンサイエンスが進められてきましたが、2010年代以降研究データやプロセスをオープンにすることで透明な研究実践を目指す動きも出てきました。
この動きが2010年代に進んだ背景として、著名な雑誌に掲載された多くの研究が再現されないことががん研究や社会心理学の分野などで明らかになり、既存の研究のあり方の再考が求められたことがあります。既存のあり方では、研究者として注目され、大学等の研究機関で生き残り続けるために著名な科学雑誌に掲載されることが推奨されています。このことが、注目される結果ばかりを求められ、科学的な検証が不十分なまま問題のある研究実践を生む土壌になっていると考えられています。
このようなサイエンスのあり方への反省が、透明な研究実践を推進する原動力になっているのです。もちろんオープンサイエンスとして活発な議論が続いていますが、実践が進まない現状もあります。この現状に対して、インセンティブの再設計や新たなツールによって解決しようとする動きがDeSciにあるのです。
①オープンな研究者コミュニティを構築する「ResearchHub」
DeSciにおいてオープンなコミュニティ参加を促す研究者向けのソーシャルメディアの代表的なものに「ResearchHub」があります。
ResearchHubは、研究者が公開している論文をソーシャルメディアに登録したり、公開されているプレプリントや論文に対してコメントや査読したり、フォーラムで議論したりすることに対して、トークンを付与する設計になっています。これまでの研究者向けのソーシャルメディアは存在していきましたが、そこにトークンによるインセンティブを加え、DAOによって研究者自身によるコミュニティ活動の促進を狙っているわけです。
また、Researchhubは、研究機関に所属する研究者以外でも参加できるコミュニティになっており、新たな市民の研究への参加も可能にします。論文の査読にはトレーニングが必要ですが、コメントや議論は比較的障壁が低く参加することができます。継続的に活動している参加者には、研究者以外であっても証明を与えることが出てきるかもしれません。
②研究の貢献度に応じて付与する「Trust Level」
似たような研究者以外の貢献については、これまで言及してきたVitaDAOやBioDAOなどのバイオテック系のDAOにも取り入れられようとしています。
例えば、VitaDAOの意思決定のプロセスには、トークンホルダーに対しても、「Trust Level」と呼ばれる研究の貢献度や理解度に応じて与えられるlevelのようなものを取り入れることが期待されています。
現在この仕組みをどのように実装するのかは明らかになっていませんが、ブロックチェーンに記録されたコミュニティでの貢献に応じて与えられると考えられます。
③ブロックチェーンや分散型IDによってログを残す「DeSci Labs」「Holonym」「Soulbound token」
また、研究活動自体を記録に残すことで問題のある研究実践を防ぐ対策として、ブロックチェーンを利用する動きもあります。「DeSci Labs」は、データやコードなどの研究記録や、その研究記録同士の引用関係もブロックチェーンに記録するツール開発(e.g. on chain citation)を行っています。
さらに、これまで見てきたような分散型の研究コミュニティへの貢献や研究活動のログを残すには、中央集権的なIDの管理ではなく、個人による研究活動に対する分散型IDの管理が必要になってきます。例えば、on chainでの活動を記録する研究者コミュニティ「Opscientia」は、「Holonym」と呼ばれるアカデミック向けの分散型IDの提供を行っています。これにより、分散型IDに紐付けられた研究活動などの解析に対して認証やライセンスが付与される仕組みが構築されていくでしょう。
現在、このような認証のシステムについてDeSciのみならず界隈で重要な議論の焦点となっています。例えば、「Soulbound token(SBT)」[Weyl et al., 2022]と呼ばれる交換不可能なトークンを生体データと紐づけることで不正アカウントの作成を防いだり、オンチェーン解析などによりアカウントの不正行動のリスクを計算することが期待されています。これらがDeSciにおける研究活動にも応用されていくことでしょう。
DeSciは既存のシステムを置き換えるのか?
今回は、DeSciが切り開く可能性について具体的なモデルについて取り上げてきました。
必ずしも基礎研究のような研究者のみが対象ではなく、企業が関与するデータや特許などの取引を促すマーケットを作っていく動きについて説明しました。また、DAOを利用した新たな資金調達のモデルによってサイエンスを支援する仕組みについても取り上げました。さらに、研究機関等に所属していない企業研究者や市民がサイエンスに参加できる仕組みとしてのDAOや、それを支えるツールや分散型IDなどが出てきました。
これらの仕組みは、既存の仕組みとの共通点もありますが、これまでに十分活用されなかった新たな仕組みも提案しています。
では、これらの仕組みは、既存のサイエンスの仕組みを置き換えるものなのでしょうか?
既存の査読システムに対してはそのような可能性があるかもしれませんが、どちらかと言えばそうではなく、これまでに見たように、DeSciにより新たな方法が取りうる選択肢が増える可能性が高いと筆者は考えています。
これまで語ってきた新たなサイエンスコミュニティやそれを支えるツールによって筆者が期待しているのは、新たな研究評価の方法が生まれることです。インターネットの発展により、論文の引用関係が数値化され、雑誌が掲載されている論文がどれだけ平均的に他の論文に引用されているのかというインパクトファクターという指標が非常に重要視されるようになりました。これからは公開ログとしてのブロックチェーンにより、コミュニティへの貢献や透明な研究活動自身が評価する方法が推奨され、より新たなサイエンスエコシステムが生まれてくる土壌になると筆者は予想しています。
一方で、これらの新たな仕組みには多くの課題が残されています。最大の課題は、DeSciの新たなモデルがどれだけ持続的かということです。
多くの場合、取引はトークンを通じて行われますが、このトークンを手に入れて取引するまでの障壁が高く、既存のシステムの中にいる科学者たちが新たなシステムに参入するメリットをどれだけ得られる設計にできるのかは重要な課題です。参入者が増えなければ、持続的にならず終わってしまうプロジェクトも今後出てくるでしょう。また、業界においても典型的な不正などのリスクがあることも知られており、不正を防ぐシステムが必要になってきます。この不正を防ぐ仕組みついてはDeSciだけでなくブロックチェーン業界一般の重要な課題として活発に議論と解決策の提案が行われています。
次回は、このDeSciが現在直面している課題について、さらに具体的に取り上げていきます。
参考文献
Buterin, V., Hitzig, Z., Weyl, E.G. 2019. A Flexible Design for Funding Public Goods. Management Science. 65 (11). https://doi.org/10.1287/mnsc.2019.3337
DiMasi, J. A., Grabowski, H. G., & Hansen, R. W. 2016. Innovation in the pharmaceutical industry: New estimates of R&D costs. Journal of health economics, 47, 20–33. https://doi.org/10.1016/j.jhealeco.2016.01.012
Huang, S., Siah, K.W., Vasileva, D. et al. (2021). Life sciences intellectual property licensing at the Massachusetts Institute of Technology. Nature Biotechnology. 39, 293–301. https://doi.org/10.1038/s41587-021-00843-5
Weyl, E.G, Ohlhaver, P., and Buterin, V. 2022. Decentralized Society: Finding Web3's Soul SSRN, http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.4105763
濱田太陽(はまだ・ひろあき)
神経科学者(博士)。シニアリサーチャー(株式会社アラヤ)。沖縄科学技術大学院大学(OIST)科学技術研究科博士課程修了。2022年より、Moonshot R&Dプログラム (目標9)「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現」(山田PMグループ)のPrincipal Investigatorとして前向き状態に関するモデル化に従事している。研究テーマは好奇心の神経計算メカニズムの解明や大規模神経活動の原理解明。教育やサイエンスの新たな可能性を模索している中で、分散型サイエンスに注目している。
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