「時代と社会に応答する知」が求められるなか、デサイロとして何に挑戦していくのか/新メンバー募集【デサイロ月報 2026年7月】
声遊楽クロスダイアローグや「2020s」の定期配信から、「システミックデザイン」の共創プログラムまで、一般社団法人デサイロにおける2026年7月の活動報告と、8月の活動についてお知らせします。
■コラム
最近、イベント登壇後などで様々な方とご挨拶する際、よく言及いただくことがふたつあります。
ひとつは、「毎月の新刊記事を楽しみにしてます」というコメントです。特にここ数ヶ月は紹介したい書籍が多く、冊数が増えておりますが、今月の新刊記事も公開したのでぜひご覧ください。
もうひとつは、「表参道でやっていたイベントすごく記憶に残っています」というコメントです。2024年4月に開催した、研究×アートの2daysイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」の感想を伝えてもらうことが多くあります。2年越しにはなりましたが、イベントのダイジェスト動画もデサイロのYouTubeに公開しました。もしご関心もっていただいた方はぜひ映像もチェックしてみてください。
さて本題ですが、デサイロで一緒に働いてくれる方を募集しています。
2026年2月の「Unknown Unknown」の開設以降、多様なイベントや研究会、展示などが行われ、フィジカルな場を起点とした知のコミュニティが形成されつつあります。また、5月に開始したポッドキャスト番組「2020s」についても開始から約1ヶ月半でSpotifyのフォロワー数が1,000人を超えるなど、多くの方に注目いただいております。
世の中においても、世界的なAI企業が哲学や倫理の専門家を雇っていることが注目されているように、先端テクノロジーに対する倫理やガバナンス、あるいは企業として人々の豊かさにどう貢献できるのか?などの視点から人文・社会科学の知への注目が急速に高まっており、さまざまな企業とのコラボレーションプロジェクトも進行中です。
「時代と社会に応答する知」が求められるなか、ともに知と社会が混じり合うフロンティアを切り拓いてくれる方を募集しています。詳細は以下に掲載しておりますので、ご関心をもっていただいた方からのご応募をお待ちしております。(一般社団法人デサイロ代表理事・岡田弘太郎)
■7月の活動
慶應システミックイノベーション・センター主催のコンソーシアム第2回目の開催
デザイン思考×システム思考の方法論「システミックデザイン」を活用し、企業のイノベーション創出を支援する「慶應システミックイノベーション・センター」が発足し、「気候変動 × 都市」をテーマとしたコンソーシアムを実施中です。
プログラム全4回のうち第2回目では、今回対象とするフィールドでの課題の因果関係を整理する「システムマップ」を作成し、その内容をアップデートしつつ、自分たちが変化を起こしたい未来像について、「システミックデザイン」のワークシートを活用しながら検討していきました。次回以降、課題群への介入点(レバレッジポイント)を特定しながらも、最終的な提案までまとめていきます。
声遊楽クロスダイアローグ第12回の開催
声をめぐる問いについて、人文社会系・理工系の研究者、声で人々に働きかける表現者、声による価値提供を目指す企業人が交じり合って対話を行い、「声」を題材に「未来の人間らしさ」「心の豊かさ」について多様な観点から問い続けていく「声遊楽クロスダイアローグ」。
第12回のテーマは「「機械の声」はいかにして「文化」となってきたか?――音声工学技術を問い直す」です。
技術・キャラクター・プラットフォームやファンダムを含む「生態系(エコシステム)」など、さまざまな観点から、人と機械のあいだに育まれてきた声の文化を深掘りしました。
YouTubeでのアーカイブのご視聴はこちら
「ひじりばし博覧会2026」への登壇
東京文化資源会議主催による「ひじりばし博覧会2026」が7月20日(月)に開催されました。デサイロ代表・岡田弘太郎が本イベントの座談会「神保町新発見 ― もっともっと面白い街へ」に登壇。神保町をより面白い街にするために、今後どのように貢献できそうかについて、登壇者の皆さんと議論させていただきました。
読売新聞オンラインに掲載された当日のレポートは、こちらをご覧ください。
ポッドキャスト番組「2020s -twenty-twenties-」
2020年代を形づくる思想やアイデアとは何か?
哲学者の柳澤田実さんとデサイロ代表の岡田弘太郎が、テックから哲学、カルチャーまでを横断し、「思想がリアルポリティクスを動かす時代」に迫っていくポッドキャスト番組。7月は「『政治』の時代におけるベンチャーキャピタルの役割」と「リベラリズムの逆説」をテーマとした2つのエピソードを公開しました。
イベント「スタートアップをとりまく思想」への登壇
馬田隆明 (東京大学 / 公益財団法人国際文化会館)さんが主催するイベント「スタートアップをとりまく思想」に、デサイロ代表理事・岡田弘太郎がモデレーターとして登壇しました。
本イベントは、馬田さんが執筆された記事「スタートアップをとりまく思想」で取り上げられた内容を出発点として、シリコンバレーと日本のスタートアップを取り巻く政治、社会、経済、文化、倫理などの背景についてさまざまな議論が行われました。
Unknown Unknownにおける外部貸出イベント
Butterfly Labが主催する「『トランジションデザイン』社会の変化を企業・ビジネスパーソンがデザインする時代へ ― 世界と日本の知を共有するトークイベント」が7月24日にUnknown Unknownにて開催されました。
7月26日には水谷 圭吾さんの主催する、「純文学を読み切らないと 出られない部屋」Vol.8がUnknown Unknownにて開催されました。中西智佐乃『橘の家』を扱い、読了後の感想戦は大いに盛り上がりました。
■8月の活動
声遊楽クロスダイアローグ第13回の開催
声をめぐる問いについて、人文社会系・理工系の研究者、声で人々に働きかける表現者、声による価値提供を目指す企業人が交じり合って対話を行い、「声」を題材に「未来の人間らしさ」「心の豊かさ」について多様な観点から問い続けていく「声遊楽クロスダイアローグ」。
第13回のテーマは「文化になりつつあるもの――VTuber学から2年」です。
VTuber文化は、キズナアイが「バーチャルYouTuber」を名乗った2016年を起点とすれば、今年で10年を迎えます。なお変化を続けながらも、着実に醸成されつつある「文化」だといえるでしょう。YouTubeやX、コミケといった場では「一般の人」による主体的なN次創作が活発に行われ、事務所も二次創作ガイドラインを整えるなど、人々が生み出し、育み、伝えていく営みが息づいています。また、日本のポップカルチャーの、あるいはメディア・コンテンツ・コミュニケーションの結節点として捉えることもでき、「人間の声の文化」や「機械の声の文化」との関わりも深いものです。
では、VTuberは「文化」になったのでしょうか。何をもって「醸成された」「定着した」と言えるのでしょうか。この2年で何が変わり、何が変わらなかったのでしょうか。そして、これからどこへ向かうのでしょうか——。異なる立場から研究・実践を重ねてきた3名とともに、対話を通じてVTuber文化の現在地と未来を考えていきます。
■イベント日時
2026/8/18(火) 19:00〜20:30
■参加方法・場所
本回は、会場での観覧とYouTubeでの視聴が可能なハイブリッド開催です。
<会場で観覧>
Unknown Unknown(〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-19-1 2F/地下鉄神保町駅A7出口より徒歩約4分) 参加費無料・事前申込制(定員30名/先着)。下記Peatixよりお申し込みください。
▶▶▶お申し込みはこちら
<オンラインで視聴>
YouTube配信(全編無料)
▶▶▶YouTubeでのご視聴はこちら
Unknown Unknownにおける外部貸出イベント
D-LAB、Butterfly Lab、inquireが共同で運営をしている「立ち止まれる社会」プロジェクトのイベントが8月5日(水)にUnknown Unknownで実施されます。
【8月5日イベント開催】立ち止まれる組織を再設計するには?自律の先を3つの問いから考えます
また、デサイロ代表の岡田が登壇させていただいた初回イベントのレポートは、こちらで公開されています。
■今月の1冊
『ヒトとAI』(著・岡野原大輔)
<内容(版元紹介より)>
AIと共に生きるなかで、私たちは自己の再定義と社会の再設計を迫られている。AIが知の領域に組み込まれるなかで、仕事や教育のあり方はどのように変化し、経済や文化の枠組みはいかに再編されるのか。そしてヒトという存在の何が変わり、何が変わらないのか。AIが前提となる時代の見取り図を第一人者が提示する。
<一言コメント>
ChatGPTのリリース後、LLM(大規模言語モデル)の理解を深める上で、日本を代表するAI企業であるPreferred Networksを率いる岡野原大輔さんの著書『大規模言語モデルは新たな知能か――ChatGPTが変えた世界』を熱心に読んだことを覚えています。
そんな岡野原さんの新著『ヒトとAI』では、死、感情、意識、責任などのトピックから、社会制度の再設計まで、まさしく人文・社会科学的な論点とAIの関わりについて、新書でありながらも丁寧にまとまっています。「文化という巨大なハーネス」や「第二の言語層」などのユニークな観点がいくつもあるのですが、中核のメッセージは「AIの判断の結果を引き受けるのは人間であり、責任が生じる」という部分でした。
Preferred Networksは国産汎用AI基盤「Noetra」への参画や、自衛隊の作戦立案支援におけるAI活用を受託するなど、ソブリンAIにおける日本の最重要プレイヤーにもなっています。2026年において、日本のAI企業が担わざるを得ない責任を引き受けている立場にあるからこそ、本書のなかで、一貫して「人間が引き受ける責任」を重視しているようにも感じられ、そうした社会背景も踏まえて読んでしまった一冊でした。
Information
一般社団法人デサイロは、人文・社会科学分野の研究者と協働し、イノベーション創出や新たなる社会制度の提案を行うアカデミックインキュベーター/シンクタンクです。
企業・大学の研究/実装プロジェクトの立ち上げや運営支援、「人と社会への深い理解」に根ざした未来洞察やコンサルティングサービスの提供、知の拠点や共創の場づくり、自社レーベル/メディアの運営、アートフェスティバルのプロデュースなど、研究と多分野のかけ合わせによるプロジェクト創出を通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。
■ポッドキャスト番組「2020s」
哲学者・柳澤田実とデサイロ代表の岡田弘太郎が、「2020年代を形づくる思想やアイデア」を考えるPodcast番組。月2回更新されますので、ぜひチャンネルをフォローください。
🎙️ Spotify / Apple Podcast / YouTube
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