「2020年代を形づくる思想やアイデアを考える」Podcast番組始動から、Webサイトリニューアルまで【一般社団法人デサイロ活動報告:2026年5月】
新Podcast番組始動、Webサイトリニューアル、Unknown Unknownでの展示、声遊楽クロスダイアローグ、神保町のまちづくりセッション登壇……一般社団法人デサイロにおける2026年5月の活動報告と、6月の活動についてお知らせします。
■コラム
皆さん、こんにちは。今月はいくつかお知らせやニュースがあります。
まず、デサイロの立ち上げ時からご一緒している哲学者の柳澤田実さんと、2020年代を形づくる思想やアイデアを探る「2020s -twenty-twenties-」というPodcast番組をスタートしました。予想以上に多くの方々に視聴いただいており、Spotifyの急上昇チャートで最高41位にランクインすることができました。今後も月2回ほど更新していきますので、ぜひSpotifyやYouTubeなどでフォローいただければ幸いです。
続いて、デサイロの理事でもある人類学者・磯野真穂さんと、哲学者・宮野真生子さんによる書籍『急に具合が悪くなる』が、濱口竜介監督により映画化され、6月19日公開になります。第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最優秀女優賞を受賞したことで話題になっていますが、「知の社会実装」という観点でも、映画化は非常にユニークな事例だと思います。ぜひ映画館で観てみてください。
また今月は、2026年度からスタートしたいくつかのプロジェクトがキックオフした月でもありました。昨年度から継続してご一緒してきた「声遊楽」クロスダイアローグや、施設開発のプロジェクト、慶應システミックイノベーション・センターの本格始動に加えて、いくつか新しいプロジェクトに参画しております。詳細はまたご共有します。
最後にひとつお知らせですが、デサイロの活動の多角化に合わせてWebサイトをリニューアルしました。活動の全体像を皆さんにご理解いただけるように、私たちの団体のもつ機能や強み、「リサーチテーマ」や「プロジェクト」などを記載しています。ぜひチェックしてみていただければ幸いです。(一般社団法人デサイロ・岡田弘太郎)
■5月の活動
「2020s -twenty-twenties-」配信開始!
2020年代を形づくる思想やアイデアとは何か?
テックから哲学、カルチャーまでを横断し、「思想がリアルポリティクスを動かす時代」に迫っていくPodcast番組。AIや防衛産業が立ち上がる米国テクノロジー業界の世界観や価値観を検証し、その戦略に「巻き込まれざるを得ない私たち」にはどのような選択肢や可能性があるのか? 哲学者の柳澤田実と、デサイロ代表の岡田弘太郎が、時にはゲストを招きつつ率直に話し合います。
現在、以下の2エピソードが配信されております。
ep.01|時代の転換点は、2003年にあった──ピーター・ティールの思想とその現在地
ep.02|Palantirはなぜ「国家のための軍事技術」に向かうのか?──『テクノロジカル・リパブリック』を読み解く
声遊楽クロスダイアローグ #10の開催
声をめぐる問いについて、人文社会系・理工系の研究者、声で人々に働きかける表現者、声による価値提供を目指す企業人が交じり合って対話を行い、「声」を題材に「未来の人間らしさ」「心の豊かさ」について多様な観点から問い続けていく「声遊楽クロスダイアローグ」。
今回のテーマは「『文化』はどのようにできるのか?――人々が生み出し、育み、伝えるもの」です。
2026年度の声遊楽クロスダイアローグでは、「文化」を通底する軸に据え、さまざまな観点から対話を重ねていきます。第10回では、それぞれ異なるフィールドで「人々が関わり、育てていく場」に取り組んでこられた3名をお迎えし、以下の観点から議論を深めました。
「文化」が創られ、醸成されていく上で、人々が何かをただ受け取るだけでなく、生み出し、育み、周りや後の世に伝えていくことは、どのように関わり、どのような意味を持つのか
そのような活動が生じる「場」とはどのようなものか。いかにしてそうした「場」をつくり、育んでいくことができるのか
異なるバックグラウンドや関心、観点を持つ人々が、1つの傘の下で集まり、交流しながら活動が育まれていく「場」は、いかに構築され維持されうるのか。その多様性と同質性の適切なバランスとは
人々の「俗」と関わる文化は、どのように広まり、愛されていくのか
趣味的な活動(効率や経済性を度外視した、個々人の内的なものに根差した活動)は「俗」な文化につながりうるのか
「面白い」「楽しい」から「ふしぎ」「どうしてだろう」、そして「知りたい」「やりたい」へと、それぞれの人の関心にしたがった探求へつなげていくことは、いかにして可能か
▶▶▶YouTubeでのアーカイブのご視聴はこちら
Webサイトのリニューアル
一般社団法人デサイロのWebサイトをリニューアルしました。私たちが注目する「リサーチテーマ」や、企業・大学向けに提供しているソリューション、これまでご一緒してきたプロジェクトなどを更新しております。活動にご関心のある方は、ぜひチェックいただければ幸いです。
「神保町をリデザインする―新しいまちづくりモデルの創造」への登壇
2026年5月30日(土)、東京・神保町の岩波神保町ビルにて開催された、東京文化資源会議(会長:吉見俊哉)が主催するシンポジウム「神保町をリデザインする―新しいまちづくりモデルの創造」にて、デサイロ代表理事の岡田弘太郎が登壇いたしました。
▶▶▶イベントの詳細はこちら
academist Prize 第6期 特別企画 ~人文知で社会は変わるのか?~ YouTube Live 出演
若手研究者向け研究加速プログラム「academist Prize」第6期の開催に際したYouTube Liveにデサイロ代表の岡田弘太郎が出演しました。
▶▶▶アーカイブのご視聴はこちら
Unknown Unknownで開催した展示・イベント
神保町に新たなコンテンポラリーアートギャラリー「MOVO GALLERY」開廊。こけら落としとして、品川はるな/木原共による二人展を開催
デサイロが運営する知と文化のインキュベーション拠点「Unknown Unknown」で初となる展示が、2026年5月2日(土)〜5月13日(水)の会期で開催されました(主催:MOVO GALLERY/共催:一般社団法人デサイロ、Unknown Unknown)。
▼ 展示コンセプト「もしも -What if-」
アートは、ときとして私たちの社会や人間を映し出す鏡にもなります。いま、大規模言語モデル(AI)の発達により、予測がますます高度になる社会を私たちは生きています。こうした時代において、予測からはみ出す〈ありうる複数の可能性〉や、偶然性を考えることの意味はどのように変わっていくのでしょうか。
MOVO GALLERYのこけら落としとなる本展では、日本政府の統計データに基づいて生成される別人の人生をプレイヤーが選択しながら体験する、木原共による《ありうる人生たちのゲーム》と、キャンバスに塗られた絵の具の膜を剥がすことで、鑑賞者のなかに多様な風景や記憶を立ち上げる、現代美術家・品川はるなの絵画作品を展示します。
▼ 関連イベント
5月9日には、出展作家の木原共さんと哲学者の柳澤田実さんによるトークセッションを実施いたしました。
Academic Insights #25「アフォーダブル住宅」 を考える──都市に「住み続ける」ための、 住宅政策・ファンド・建築の実践
東京都心部において住宅価格の高騰が進むなか、東京都は2026年2月、日本ではじめて「アフォーダブル住宅を供給する官民連携ファンド」を創設しました。
「アフォーダブル住宅」とは、所得が平均的な層や子育て世帯でも「無理なく支払える(手頃な)家賃・価格」で提供される良質な賃貸・分譲住宅を意味します。本ファンドは、子育て支援や空き家活用、ひとり親支援などのテーマごとに4つのファンドが組成され、総額200億円以上のうち、100億円を東京都が出資します。この取り組みを通じて約350戸を供給し、子育て世帯の都外への流出を防ぐことを目指しており、住宅政策の新しい動きとして注目を集めています。
今回のAcademic Insightsでは、「アフォーダブル住宅」を入口に、都市圏全体での居住のアフォーダビリティの確保に向けた包括的なアプローチまで議論を発展させることで、これからの住まいと都市について議論を深めました。
■6月の活動
「2020s -twenty-twenties-」新エピソードの配信
新たにスタートしたPodcast番組「2020s」は月2回配信予定。ご関心を持っていただいた方は、ぜひSpotifyやApple Podcastをフォローしてみてください。
Spotify / Apple Podcast / YouTube
声遊楽クロスダイアローグ 第11回の開催
声をめぐる問いについて、人文社会系・理工系の研究者、声で人々に働きかける表現者、声による価値提供を目指す企業人が交じり合って対話を行い、「声」を題材に「未来の人間らしさ」「心の豊かさ」について多様な観点から問い続けていく「声遊楽クロスダイアローグ」。第11回目は、6月22日13:00-14:30に配信します。詳細はまた本ニュースレターでご共有します。
慶應システミックイノベーション・センター:「気候変動 × 都市」課題をテーマとしたコンソーシアム始動
いま注目を集める「システミックデザイン」の方法論を活用し、社会性と経済性を両立する21世紀型企業へのシフトを支援する「慶應システミックイノベーション・センター(Center for Systemic Design & Innovation, Keio)」の立ち上げ及び運営支援をデサイロにて行なっております。
2026年6月からは、約4か月間にわたって「気候変動 × 都市」課題をテーマとしたコンソーシアムを実施します。さまざまな産業分野を横断する企業の参画による共創を促すハブとなる活動であり、活動の内容についても本ニュースレターで継続的に配信予定です。
Loftwork Conference 2026 『Re:Creation』への登壇
ロフトワーク渋谷オフィスが、3日間限定で「出会いと構想の場」へと変化。「Re:Creation」をテーマに、異なる視点を持つ実践者たちとのトークセッションをはじめ、展示、議論の場が展開されます。デサイロ代表の岡田弘太郎は、6/25(火)に開催されるTalk Sesion Day3-A「10年後の地域らしさを問い直す」に登壇いたします。
▶▶イベントの詳細とお申し込みはこちら
■今月の1冊
『社会主義都市ニューヨークの誕生』(著者・矢作弘)
<内容(版元紹介より)>
グローバル資本主義の首都ニューヨークの市長に、急進左派の!?民主社会主義者、ゾーラン・マムダニ氏が就任へ!生活苦の労働者・若者の支持を集める背景や氏の人物像、家賃凍結/公共バスや子供保育の無償化/市所有スーパーマーケットの展開/富裕層・大企業増税等の政策を解剖し、他都市やワシントン政治への影響を展望。
<一言コメント>
5月のAcademic Insightsでは「アフォーダブル住宅」をテーマに置き、本分野の関連書を紹介するニュースレターも配信しました。イベントでは、「住宅の供給」にとどまらず、「アフォーダブル・ネイバーフッド」や、生活圏そのものの再生といった議論が中心となりましたが、その先進事例としての「マムダニ市長就任後のニューヨーク」がどのように変化しているのか?を紹介したのが本書です。
本書や、都市計画学会の都市計画365号「都市空間のアフォーダビリティを問う」に目を通すと、「アフォーダブル」の議論が近年のX-min Cityなどとどのように接続し、都市での人々の暮らしを豊かにするための包括的なアプローチが重要になっているのかを理解できます。デサイロでも引き続き、議論の場をつくっていければと思います。
Information
一般社団法人デサイロは、人文・社会科学分野の研究者と協働し、イノベーション創出や新たなる社会制度の提案を行うアカデミックインキュベーター/シンクタンクです。
企業・大学の研究/実装プロジェクトの立ち上げや運営支援、「人と社会への深い理解」に根ざした未来洞察やコンサルティングサービスの提供、知の拠点や共創の場づくり、自社レーベル/メディアの運営、アートフェスティバルのプロデュースなど、研究と多分野のかけ合わせによるプロジェクト創出を通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。
■3つのソリューション
デサイロでは企業・大学向けに以下3つのソリューションを提供しています。
Academic Incubation|企業・大学の研究/実装プロジェクトのインキュベーション
Research & Consulting|「人と社会への深い理解」を起点とした企業変革支援
Design for Co-Creation|知を起点とした共創の場づくり
デサイロの団体概要やソリューションの詳細は公式サイトよりぜひご覧ください。
■Podcast番組「2020s」
哲学者・柳澤田実とデサイロ代表の岡田弘太郎が、「2020年代を形づくる思想やアイデア」を考えるPodcast番組。月2回更新されますので、ぜひチャンネルをフォローください。
🎙️ Spotify / Apple Podcast / YouTube
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