【5/9開催】「人生ゲーム」が映し出す、“理想の人生像”──古代の宗教教育からAIを射程に考える|木原共(アーティスト) × 柳澤田実(哲学者)トークセッション
デサイロが運営する知と文化のインキュベーション拠点「Unknown Unknown」で初となる展示が、2026年5月2日(土)〜5月13日(水)の会期で開催されています(主催:MOVO GALLERY/共催:一般社団法人デサイロ、Unknown Unknown)。
展示の一環として、5月9日には、出展作家の木原共(アーティスト)と柳澤田実(哲学者/関西学院大学准教授)をゲストに迎え、岡田弘太郎(デサイロ代表理事)がモデレーターを務めるトークセッションを実施いたします。
展示コンセプト「もしも -What if-」
アートは、ときとして私たちの社会や人間を映し出す鏡にもなります。いま、大規模言語モデル(AI)の発達により、予測がますます高度になる社会を私たちは生きています。こうした時代において、予測からはみ出す〈ありうる複数の可能性〉や、偶然性を考えることの意味はどのように変わっていくのでしょうか。
MOVO GALLERYのこけら落としとなる本展では、日本政府の統計データに基づいて生成される別人の人生をプレイヤーが選択しながら体験する、木原共による《ありうる人生たちのゲーム / Game of Possible Lives》と、キャンバスに塗られた絵の具の膜を剥がすことで、鑑賞者のなかに多様な風景や記憶を立ち上げる、現代美術家・品川はるなの絵画作品を展示します。
展示の詳細は以下のURLよりご覧ください。
▶▶▶ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000182189.html
《ありうる人生たちのゲーム / Game of Possible Lives》
《ありうる人生たちのゲーム》は、統計データとAIによって生成される「誰かの人生」をたどるゲームです。プレイヤーは、現代日本に統計的に存在しうる人物として、結婚や就職などの選択を重ね、その結果を最期まで体験します。
ゲーム内の出来事は、日本の統計データを参照しながら、筐体内でローカルに動作する大規模言語モデル「Gemma 3」がリアルタイムに生成します。AIが描く「もっともらしい人生」は、私たちの社会に埋め込まれた価値観や偏りを、どのように映し出すのでしょうか。
【5/9開催】木原共 × 柳澤田実 トークセッション
本展示の関連イベントとして、木原共(アーティスト/ゲーム作家)と柳澤田実(哲学者/関西学院大学神学部准教授)によるトークイベント「『人生ゲーム』が映し出す、“理想の人生”──古代の宗教教育からAIを射程に考える」を開催します。
木原さんは、デサイロが2024年4月に開催した「研究」と「アート」が交差する2daysイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」において、社会学者・山田陽子の研究テーマ「ポスト・ヒューマン時代の感情資本」に応答する会話型ゲーム《弁画(感情資本遊戯 β)》を新たに制作し、展示及びパフォーマンスを実施するなど、新たな問いを引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームや都市空間に介入するインスタレーションを制作してきた先鋭的なアーティストのひとりです。
柳澤田実さんは、デサイロの最初の研究プロジェクトにおいて「『私たち性 we-ness』の不在とその希求」をテーマに探究。その成果発表となった「DE-SILO EXPERIMENT 2024」では、バンド・んoonとともに新曲「NANA」を、映像作家Pennacky、ラッパー/トラックメイカー荘子itとともに映像作品「実景集」および一日限りのパフォーマンスを生み出しました。
また、デサイロとGoldwin Field Research Lab.によるリサーチプロジェクト「故郷とアイデンティティ」では、メディアアーティスト・谷口暁彦とともに共同リサーチャーとして参画しました。
トークセッション概要
人生を「ゲーム」として表現しようとする試みは、その時代における「理想的な生き方」や「社会のルール」を常に映し出してきました。例えば、2024年10月に発売されたタカラトミーによる「人生ゲームFIRE」では、FIRE(経済的自立・早期リタイア)がそのゲームの目標として設定され、投資や資産管理といった現代的テーマが扱われています。
こうした人生を題材にしたゲームのルーツをたどると、古代インドで宗教的なモラルを説くために生まれた『Moksha Patam』や、中世ヨーロッパにおける宗教教育とのつながりが見えてきます。そこでは、「人生」は単なる娯楽の題材ではなく、人がいかに生きるべきかを学び、共有するための形式でもありました。今回、木原共が手がけた新作《ありうる人生たちのゲーム》では、統計データと大規模言語モデルを用いて、現代日本に「存在しうる誰か」の人生が生成されます。AIが描き出す「もっともらしい人生」は、私たちの社会に共有された価値観や偏りをどのように映し出しているのでしょうか。
哲学・キリスト教思想を専門とし、人が何かを神聖視する心理に注目し、「推し活」からキリスト教右派までを横断的に研究する柳澤田実さんをゲストにお迎えし、現代社会における「よき生」のあり方、社会規範と宗教の関係性について考えていきます。
出演者
木原 共|TOMO KIHARA
1994年京都府生まれ。アーティスト/ゲーム作家。新たな問いを引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームや都市空間に介入するインスタレーションを制作。AIをはじめとする新技術が、私たちの社会や思考にどのような変容をもたらすのかを、多くの人々とともに探求する場を作っている。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、オランダ・デルフト工科大学大学院インタラクションデザイン専攻修了。これまでに、アムステルダムの研究機関Waag Futurelabや米国のMozilla Foundationと協働し、AIの社会的影響に焦点を当てたプロジェクトを展開してきた。
代表作に、画像認識AIには判別できない一方で、人間には理解可能な絵を描くゲーム《デヴィエーション・ゲーム》(Playfoolとの共作)がある。近年に参加した主な展示に、「Art Plays Games」(FACT Liverpool、2025)、「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」(森美術館、2025–2026)など。
本展では、森美術館「六本木クロッシング2025」にて発表した作品《ありうる人生たちのゲーム / Game of Possible Lives》を展示する。
柳澤田実|TAMI YANAGISAWA
東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、南山大学准教授などを経て、関西学院大学神学部准教授。専門は哲学・宗教学。宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係を中心に研究している。訳書にターニャ・M・ラーマン著「リアル・メイキング いかにして『神』は現実となるのか」(2024年、慶応義塾大学出版会)、編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(2008年、現代企画室)など。
モデレーター:岡田弘太郎(一般社団法人デサイロ代表理事/Unknown Unknownディレクター)
日程
2026年5月9日(土)14:00~16:00
会場
MOVO GALLERY(東京都千代田区神田神保町1-19-1 2F)
参加費
1,800円
申込
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