【2025年刊】人文・社会科学の博論書籍化リスト──デサイロが注目する40冊
今年刊行された人文・社会科学領域の新刊書の中から、とりわけ博士論文をベースに書籍化したものに絞り、「いま私たちはどんな時代を生きているのか?」を考えるヒントをくれる40冊をピックアップ。
間もなく終わりを迎える2025年。今年もたくさんの人文・社会科学の書籍が刊行されました。
中でも博士論文をベースとした書籍は、並々ならぬ情熱のもとで、研究“知“の継承と更新を行う大作ばかり。広く売り出される一般書と同じくらい、あるいはそれ以上に、「いま私たちはどんな時代を生きているのか」にヒントを与えてくれる重要な書物たちです。
このニュースレターでは、毎月、その月に刊行された人文・社会科学領域の新刊書の中から、デサイロとして注目したいものをピックアップして紹介してきました。
■【2025年1月刊】思想として読む自己啓発書60、投票の倫理学、怪獣化するプラットフォーム権力と法……デサイロが注目したい人文・社会科学の新刊10冊
■【2025年6月刊】新しいリベラル、ポスト構造主義フェミニズム、アメリカの新右翼……デサイロが注目したい人文・社会科学の新刊16冊
■【2025年11月刊】ビジネス人類学、集団の創造性、ナショナリズムとは何か……デサイロが注目したい人文・社会科学の新刊17冊
本記事では2025年の締めくくりとして、今年刊行された人文・社会科学領域の新刊書の中から、とりわけ博士論文をベースに書籍化したものに絞り、「いま私たちはどんな時代を生きているのか?」を考えるヒントをくれる40冊をピックアップしました。
新卒採用の社会学から、廃棄物処理の民俗誌、そして検索エンジンのメディア論やネオリベラリズム概念の系譜まで、さまざまな視点から現代社会を読み解く強力な補助線を与えてくれる書籍ばかりです。
気になるタイトルがあれば、読書リストにぜひ加えてみてください。
1.「わだつみ」の歴史社会学 : 人びとは「戦争体験」をどう紡ごうとしたのか
概要(版元ウェブサイトより引用)
戦没学生という悲劇を繰り返さないこと、平和のために寄与することを活動の根幹に据えている「わだつみ会」。
「わだつみ会」のそれぞれの時期の活動内容や特徴などに焦点を当てることで、「戦争体験」がどう捉えられ、いかにして向き合われていったのかを描くとともに、戦後日本の歴史が、「戦争体験」を語り継ぐという行為にどのような影響を及ぼしていったのかを明らかにする。
著者
那波泰輔
1989年生まれ.
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了, 博士(社会学).
現在, 成蹊大学 社会調査士課程室 調査・実習指導助手.社会理論・動態研究所所員.
専攻分野:歴史社会学
主要業績
「ハチ公像が時代によってどのように表象されたのか――戦前と戦後以降のハチ公像を比較して」(『年報カルチュラル・スタディーズ』、vol. 2、2014年)
「わだつみ会における加害者性の主題化の過程――一九八八年の規約改正に着目して」(『大原社会問題研究所雑誌』764号、2022年)
「「わだつみ」という〈環礁〉への航路:ミュージアム来館者調査から」(清水亮・白岩伸也・角田燎編『戦争のかけらを集めて――遠ざかる兵士たちと私たちの歴史実践』図書出版みぎわ, 2024年)
発売日
2025/1/15
版元
雄山閣
2.石油が国家を作るとき 天然資源と脱植民地化
概要(版元ウェブサイトより引用)
「本来存在しないはずの国家」はなぜ誕生したのか。
植民地時代の石油は、なぜ、あるはずのない国家を生み出したのか。
天然資源が国家形成に与える影響について、
理論的かつ体系的な説明を与える新鋭による快著。
本書は、石油資源が植民地期の政治に与えた影響と、それにより誕生した「本来存在しないはずの国家」の形成メカニズムを解明する。特に東南アジアのブルネイ、中東のカタールとバーレーンを中心に、他の植民地行政単位と比較し、これらの地域がなぜ単独で独立し、他はより大きな国家に併合されたのかを明らかにする。歴史的には、宗主国が小規模植民地を合併し連邦として独立させようとした脱植民地化の局面を取り上げる。宗主国は冷戦や独立運動のなかで、国際秩序の安定を図りつつ友好国を増やすため合併を推進したが、少数の植民地はその圧力を退けて単独独立を果たした。本書は、この独立がなぜ可能だったかを石油の存在と保護領制度という現地支配者の維持と保護を与える統治形態に焦点を当てて検証し、これらが小規模植民地を周辺から切り離し、新たな国家形成を導いたことを論証する。
著者
向山直佑
東京大学未来ビジョン研究センター准教授
1992年生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学院法学政治学研究科総合法政専攻修士課程修了。2021年3月、オックスフォード大学政治国際関係学部博士課程修了(DPhil in International Relations)。ケンブリッジ大学政治国際関係学部ポストドクトラルフェローを経て、現職。主な論文に、“Colonial Oil and State-Making” Comparative Politics, 55(4), 2023; “The Eastern cousins of European Sovereign States?”European Journal of International Relations, 29(2), 2023; 「第三国による歴史認識問題への介入の要因と帰結」『国際政治』187号, 2017など。石橋湛山新人賞、日本国際政治学会奨励賞、佐藤栄作賞優秀賞等、受賞多数。
発売日
2025/1/30
版元
慶應義塾大学出版会
3.ゴミが作りだす社会 : 現代インドネシアの廃棄物処理の民族誌
概要(版元ウェブサイトより引用)
廃棄物処理の先進都市として知られるインドネシア・スラバヤ市。ポストスハルト体制という社会的背景のもと、同市では市場化と住民参加による試行錯誤の末、ゴミ問題は解消していった。本書は、著者による参与観察をとおして、まがりなりにもうまくいっているゴミ処理インフラの成り立ちを明らかにし、そこに誰もが想定しないテクノロジーの可能性を見出していく、ユニークな人類学的研究。
著者
吉田 航太
1990年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、静岡県立大学大学院国際関係学研究科助教。専門は文化人類学、科学技術社会論、東南アジア地域研究。
主な論文に「ダークインフラの合理性――インドネシアの廃棄物最終処分場における不可視への動員とその効果」『文化人類学研究』22巻、「インフラストラクチャー/バウンダリーオブジェクトにおける象徴的価値の問題――インドネシアにおける廃棄物堆肥化技術をめぐって」『文化人類学』83巻3号、著作に『ワードマップ科学技術社会学(STS)』(共著、新曜社)、翻訳に『ラボラトリー・ライフ――科学的事実の構築』(B.ラトゥール&S.ウールガー著、共訳、ナカニシヤ出版)などがある。
発売日
2025/2/4
版元
東京大学出版会
4.スラム産業が生み出すイノベーション: 現代インド・ムンバイーの革製品工房
概要(版元ウェブサイトより引用)
インド経済の中心ムンバイーにあるダーラーヴィー。スラムでありながら革製品のメッカでもある。そこで生まれるイノベーションとは。
著者
久保田和之
国際ファッション専門職大学名古屋校助教。専門は、南アジア地域研究、文化人類学、インド経済。おもな著書に『図解インド経済大全』(分担執筆、白桃書房、2021年),「現代インドにおけるダリト・インド商工会議所の活動 ―ダリト企業家による社会経済変容をめざして―」『アジア・アフリカ地域研究』23 (2): 213-259, 「ムンバイー・ダーラーヴィーの皮革産業の変容ーチャンバール職人のネットワークと組織化に着目してー」『マハーラーシュトラ』14: 1-48.などがある。
発売日
2025/2/18
版元
昭和堂
5.ロシア大統領権力の制度分析
概要(版元ウェブサイトより引用)
プーチンはいかにして強大な権力を獲得したのか?
ウクライナ大規模侵略の決定など、国際政治に大きな影響を及ぼし続けるプーチン大統領。
その権力の背景にある巧みな人事や法制度設計から、ロシア国家の実態に迫る注目作。
著者
長谷川雄之
防衛省防衛研究所地域研究部主任研究官。1988年生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東北大学大学院文学研究科歴史科学専攻博士後期課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PD、広島市立大学広島平和研究所協力研究員などを経て、現職。
専門:現代ロシア政治研究、ロシア地域研究。
主要業績:『現代ロシア政治』(共著)法律文化社、2023年。「プーチン政権下の現代ロシアにおける政治改革と安全保障会議――規範的文書による実証分析」『ロシア・東欧研究』第43号、2014年(ロシア・東欧学会研究奨励賞受賞)ほか。
発売日
2025/2/19
版元
慶應義塾大学出版会
6.死が消滅する社会:遺品整理業をめぐる死とモノの社会学
概要(版元ウェブサイトより引用)
近代化で死別や看取りはいかに変容したのか。遺品整理業へのフィールドワークからエスノグラフィーを描き出し、そこに死の個別化を見出す。補論で死のゲゼルシャフト化に抵抗する試みの紹介も。
著者
藤井亮佑
発売日
2025/2/20
版元
関西学院大学出版会
7.性/生をめぐる闘争――台湾と韓国における性的マイノリティの運動と政治
概要(版元ウェブサイトより引用)
熾烈なバックラッシュの背景に何があるのか。台韓における性的マイノリティの運動史を辿り、その達成をフェミニズムとの交差とともに歴史化。冷戦という観点から両国の比較を超えた視野を提示する、クィア・スタディーズの到達点。
著者
福永玄弥
1983年大阪府生まれ。2005年慶應義塾大学総合政策学部卒業、会社員を経て、2022年に東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。現在、東京大学教養学部附属教養教育高度化機構D&I部門で准教授を務めるほか、都留文科大学で非常勤講師として勤務。専門はフェミニズム・クィア研究、社会学、地域研究(東アジア)。
論考に「男たちの帝国と東アジア」(『エトセトラ vol.10』)、「失敗の留学ノート、あるいは『流氓』をめぐる覚え書き」(『現代思想 2024年11月臨時増刊号』)など。
発売日
2025/2/20
版元
明石書店
8.ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論―パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する
概要(版元ウェブサイトより引用)
アーレントはパレスチナ/イスラエル問題を
どう語ったのか?
先住民問題,紛争,難民・移民,領土,民主主義――
分断の時代に問いかける,共生の可能性.アーレントが照らした未来への道筋を今,読み解く.
1940年代,アーレントは何を思いパレスチナ人とユダヤ人の共存国家論を論じたのか.初期論考が収められた『ユダヤ論集』から『革命について』『エルサレムのアイヒマン』までを分析.シオニズムへの批判から連邦制の理論が紡がれるまでの洞察を読み直す.〈場所〉を失い難民となった一人の思想家による,他者と共生する〈場所〉の未来像を示す.
著者
二井彬緒
東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム助教
発売日
2025/2/20
版元
晃洋書房
9.ネオリベラリズム概念の系譜1834-2022
概要(版元ウェブサイトより引用)
現代社会を論じるための鍵概念である「ネオリベラリズム」。その多義性ゆえか、曖昧で濫用されがちな概念だとも批判される。では、本来はどのような用語として使われ出し、現在の錯綜した状況に至ったのか。ネオリベラリズム概念の誕生と展開を辿る。
*19世紀末から現在までを射程に収め、同用語の「生産・流通・受容」を多方面から検討した知識社会学的研究。
著者
下村 晃平
立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員
発売日
2025/2/28
版元
新曜社
10.海を「視る」技術: インドネシア・バンガイ諸島サマ人の漁撈と環境認識
概要(版元ウェブサイトより引用)
インドネシア東部、海上生活を営むサマ人らの移動に密着。漁場の名、岩の名、岬の名……それらの言葉をひとつひとつ収集し、ナヴィゲーションに関わる言葉の体系を編み上げた。「漂海民」の環境認識に言葉から迫る画期的な試み。彼らが視ている風景とは?
著者
中野 真備
人間文化研究機構・東洋大学アジア文化研究所特別研究助手。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士(地域研究)。主な著書に、『モビリティと物質性の人類学』(分担執筆、春風社、2024年)「『君たちはどう生きるか』の天体考―星・月・隕石」(『現代思想』10月臨時増刊号、2023年)、「天文民俗の可能性――心意現象としての星から」(『現代思想』1月号、2022年)、A Study of Classifications of the Seasons by Sama-Bajau Fishermen: From Four Cases in the Banggai Islands, Indonesia, Research Papers of the Anthropological Institute 11, 2022. 「佐渡のイカ釣り漁撈における天文民俗」(『國學院雑誌』122(7)、2021年)、「インドネシア・バンガイ諸島サマ人の環境認識――外洋漁撈をめぐる魚類・漁場・目標物の民俗分類」(『東南アジア研究』58(2)、2021年)、などがある。
発売日
2025/2/28
版元
京都大学学術出版会
11.サステナビリティの隘路―「持続可能な消費」の実現はなぜ難しいのか
概要(版元ウェブサイトより引用)
〈「消費行動」=〈実践〉の変化に着目し、サステナビリティの隘路を切りひらく。〉
私たちの多くが「持続可能な消費」を志向していながら、その実現はなぜ難しいのか。
食の消費を対象に、社会的実践理論の視角を用いて、消費者個人の意思決定のみに頼ることなく「持続可能な消費」を実現するためのアプローチを提案し、サステナビリティをめぐる閉塞感を打開する。
著者
藤原 なつみ
九州産業大学グローバル・フードビジネス・プログラム准教授。
名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了。博士(環境学)。
専門は環境社会学、主な研究テーマは持続可能な食の消費。
主要業績:「社会的実践としての持続可能な食消費――正統的周辺参加と意味変化の視点から」(『環境社会学研究』第27号、2021年)、「持続可能な食消費に対する社会的実践理論からのアプローチ――購買行動に関するアンケート調査の分析より」(『環境社会学研究』第26号、2020年)、「食の安全とサステナビリティを架橋する消費者市民教育の可能性――産地をめぐる消費者の認識とその変化に着目して」(『中部消費者教育論集』第16号、2020年)
発売日
2025/3/5
版元
新泉社
12.EUのAIガバナンス : 新技術に対する国際的な科学技術ガバナンスに向けて
概要(版元ウェブサイトより引用)
原則から実践へ
EUのAI法の特徴を明らかにし,
新技術に対する国際的なガバナンスのための諸原則を導き出す.
AIが急速な進歩を遂げ,あらゆる場面で活用されるようになるなか.その危険性についての議論が巻き起こっている.EUはいち早く議論を進め,2024年8月にAI規制に関する世界初の包括的な人工知能法(AI法)を発効した.本法律の対象には,EU加盟国だけでなく日本も含むAIシステムの開発・提供に関わるすべての事業者が含まれている.
EUはなぜ規制に向け動く事になったのか.どのようにガバナンスが形成されたのか.本書は「国際的な科学技術ガバナンスの意義」「AIの特殊性とEUの取り組み」「AI法案の特徴」といったEUのAIガバナンスが形成される経緯とその特徴に迫る.
著者
北 和樹
立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員.
主要業績
「わたしたちと国際社会:法学的視点から」『ヒューマン・スタディーズ 世界で語る/世界に語る』集広舎,2022年,pp. 278-287.
「EU が目指すAI社会のための規制法」『立命館大学人文科学研究所紀要』No. 131, 2022年, pp. 271-305.
「科学技術の発展と国際社会における制度化:AI・ロボットの国際管理に向けて」『立命館大学人文科学研究所紀要』No. 123, 2020年, pp. 235-268.
発売日
2025/3/10
版元
晃洋書房
13.ヘルベルト・マルクーゼ: オートメーション・ユートピアの構想と展開
概要(版元ウェブサイトより引用)
「忘れられた思想家」の可能性――
マルクス、フロイト、そしてハイデガーの影響を受け、フランクフルト学派第一世代の社会哲学者として活躍したマルクーゼ。
なぜ今、彼を読み直すのか。
管理社会に「偉大な拒絶」を突きつけた学生運動の理論的源泉のひとりでもあった、その知られざる多彩な思考の遍歴を労働論とテクノロジー論から辿り直し、現代における社会批判の可能性を提示する。
先行文献に基づいた詳細な評伝も収録。
「ヘルベルト・マルクーゼとは誰か。「一九六八年」に対する様々な反応からいったん距離を置きつつ、マルクーゼ思想の可能性の中心をいかに見定めることができるのか。そもそもマルクーゼが何に関心を持ち、一九六〇年代に脚光を浴びるまでに何を考えてきたのか。[…]この作業を通して私たちは、「生産性」の向上と追求を前提とする現代社会に行き渡る既存の価値観を内破していくための「触媒」として、マルクーゼ思想を改めて発見することができるだろう。」(「はしがき」より)
著者
馬渡玲欧
1989年広島県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、現在、名古屋市立大学大学院人間文化研究科専任講師。
主要業績
『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』 (分担執筆、永田大輔・松永伸太朗・中村香住編、ナカニシヤ出版、2023年)、『惑星都市理論』 (分担執筆、平田周・仙波希望編、以文社、2021年)、「オートメーション・ユートピアの可能性と限界――H・マルクーゼのオートメーション言説をめぐって」(『社会学史研究』42号、2020年)。
発売日
2025/3/15
版元
ナカニシヤ出版
14.新卒採用と不平等の社会学:組織の計量分析が映すそのメカニズム
概要(版元ウェブサイトより引用)
社会学における不平等研究は、当人が選択できない範囲で財や資源の獲得機会が不均衡に分布する「機会の不平等」を中心的に扱ってきた。本書は、企業の採用行動を「機会の不平等を生成・維持する重要な契機」と位置づけたうえで、大企業による新規大卒者採用を対象に、ジェンダーや学校歴・障害の有無に関する観点も踏まえつつ独自に構築したパネルデータを用いて分析。日本企業に特徴的な雇用慣行が不平等の生成・維持に寄与する、そのメカニズムに迫る。
著者
吉田 航
2025年3月現在
国立社会保障・人口問題研究所研究員
発売日
2025/3/17
版元
ミネルヴァ書房
15.政党の誕生: 近代日本における複数政党存立の基礎
概要(版元ウェブサイトより引用)
政党とは何か。政党はいかにあるべきか。明治日本で政党が誕生した1880年代初頭から、1890年の帝国議会開設を経て、政党が政治において重要な役割を果たす主体となっていく過程を、当時の新聞や全国の政治家たちの書簡や日記などの史料を博捜して描き出す。
著者
松本 洵
東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター原資料部助教(日本政治外交史)
1993年生まれ。2018年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、2021年同大学院博士課程単位取得退学。博士(法学)。2021年より現職。著作は「初期議会自由党の〈党議〉――議会制度下における一体性の模索」(『国家学会雑誌』第132巻第9・10号、2019年、吉野作造研究賞優秀賞受賞)、書評「学界展望 日本政治外交史――三村昌司『日本近代社会形成史 ――議場・政党・名望家』」(『国家学会雑誌』第135巻第7・8号、2022年)ほか。
発売日
2025/3/18
版元
東京大学出版会
16.Google SEOのメディア論:検索エンジン・アルゴリズムの変容を追う
概要(版元ウェブサイトより引用)
検索エンジン・グーグルというメディアはどのように日常化し、その介在が意識されないインフラへと変容したのか。現代のデジタル・プラットフォームの権力構造を再考する書。
検索結果のランキング、すなわちキーワードに対するウェブページの並び順は、「アルゴリズム」によって決められている。このアルゴリズムは「ブラックボックス」だと表象され批判の対象にされてきた。しかしこの「ブラックボックス」とは一体何を指し示しているのか、そしてその批判に通底する「プラットフォーム悪者説」ははたして妥当なのか。
本書では、グーグルのランキング・アルゴリズムがどのように変容してきたのか、ウェブの「送り手」の語りと、それに対するグーグルの反応に着目してその過程を明らかにする。具体的には、1990年代から2020年までのSEO(検索エンジン最適化)を中心とした送り手の活動における言説の歴史を分析することで、アルゴリズムを構築する様々なアクターとその権力構造を検証する。
デジタル・プラットフォームの設計・運営に実務家として携わった著者が、インフラ化した検索エンジンの歴史的・社会的な構築のプロセスを、メディア論の視座から学際的に捉えなおす刺激的な試み。
著者
宇田川 敦史
1977年、東京都生まれ。武蔵大学社会学部メディア社会学科准教授。東京大学大学院学際情報学府博士後期課程修了。博士(学際情報学)。京都大学総合人間学部卒。複数のIT企業でウェブ開発、デジタル・マーケティング、SEO、UXデザインなどに従事したのち現職。専攻はメディア論、メディア・リテラシー。著書に『AI時代を生き抜くデジタル・メディア論』(北樹出版)、分担執筆に『世界は切り取られてできている――メディア・リテラシーを身につける本』(NHK出版)、『プラットフォーム資本主義を解読する――スマートフォンからみえてくる現代社会』(ナカニシヤ出版)など。
発売日
2025/3/19
版元
青弓社
17.日々賭けをする人々:フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界
概要(版元ウェブサイトより引用)
第47回サントリー学芸賞〔思想・歴史部門〕、第15回(2025年度)地域研究コンソーシアム賞登竜賞受賞。
運と戯れ、現実に驚く
賭博が「生」をアクティベートする
フィリピン社会に深く根ざす賭博実践に注目し、人々が不確実性に身を委ねる姿を通して「賭ける」ことの意味を文化人類学的に考察する
フィリピンにおいて賭博は、政治家から市井の人々に至るまで、社会のあらゆる階層に深く埋め込まれている。本書は、フィリピン社会の日常的な賭博実践、とりわけ闘鶏と数字くじに注目し、日々賭け続ける賭博者たちの姿を鮮やかに描き出していく。なぜ彼らは賭けるのか、賭けを通じた世界にはどのような意味が付与されているのか。「運」によって自らを世界と相関しようとする賭博者たちの思考と実践を通して、「賭ける」ことの意味を探究する。
著者
師田史子
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科助教。
2016年横浜市立大学国際総合科学部国際文化コース卒業。2022年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア地域研究専攻修了。博士(地域研究)。
主要業績に、「偶然性に没頭し賭けることの有意味性――フィリピンにおける数字くじの事例から」『文化人類学』 86巻 3 号、2021 年、Betting flexibly: the utilization of knowledge in cockfighting in the Philippines, International Gambling Studies. 24(3): 357-372など。
発売日
2025/3/17
版元
慶應義塾大学出版会
18.「歪情報」の政治学 : アメリカの台湾政策を読み解く
概要(版元ウェブサイトより引用)
「トランプ再登場」と台湾海峡危機
台湾有事が叫ばれる中で、カギを握るトランプ。
第一次トランプ政権は台湾政策で、何をやり何をやらなかったのか。
外交機密が封印されたままの中、オリジナルの情報モデルを駆使。
トランプ2.0の台湾政策を考える上で、絶好の道しるべである。
久保 文明(東京大学名誉教授、アメリカ学会元会長)
トランプ再登場のいま必読!
第一次トランプ政権期には、米中対立が激化する中で、アメリカの台湾関与が急速に進んだ。本書では、新たな情報モデルである「歪情報仮説モデル」を提唱し、アメリカの台湾政策の変更可能性について理論的に解析する。
著者
村上 政俊
1983年生まれ。2007年東京大学法学部卒業。2008年外務省入省(国家公務員法律職Ⅰ種)、大使館外交官補として北京大学,ロンドン大学LSE留学。
2023年博士(嘉悦大学)。
2021年より、皇學館大学現代日本社会学部准教授。
主要業績として、『アメリカ大統領の権限とその限界──トランプ大統領はどこまでできるか』(共著、東京財団政策研究所監修、日本評論社、2018年)、『トランプ政権の分析──分極化と政策的収斂との間で』(共著、東京財団政策研究所監修、日本評論社、2021年)、「米国のエネルギー政策──エネルギー輸出国への変貌とその地政学的意義」(『国際安全保障』第50巻第4号、2023年)、“Japan Matters for Indo-Pacific Strategy”(Asia Pacific Bulletin, 640, 2023)、『フィンランドの覚悟』(扶桑社〔扶桑社新書〕、2023年)
発売日
2025/3/20
版元
晃洋書房
19.障害者の倫理 : フーコーからパラリンピックまで
概要(版元ウェブサイトより引用)
闘いの別の生 服従するだけではない主体(化)の追求のために
小泉義之(立命館大学名誉教授)推薦
静かな怒り、確かな意志。生の障害、障害の生、そして、ほんとうの生。障害の社会モデル、そして、パレーシア(フーコー)を、論じて生きる。生きて論じる。
服従するだけではない主体(化)の追求のために
本当に問うべきことは「溝」(どぶ)から這い上がった「感動的な」方法ではなく、「神話」の存在そのものであり、健常者規範である
著者
北島 加奈子
立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了 障害学、博士(学術) 主要業績 「インペアメントがディスアビリティに先行するのか――インペアメントとディスアビリティの個人化をめぐって」立命館大学大学院先端総合学術研究科 『Core Ethics コア・エシックス』Vol.15 :25-34(2019) 「『障害者』の主体形成に見るアイデンティティ・ポリティクス」立命館大学大学院先端総合学術研究科 『Core Ethics コア・エシックス』Vol.16 :47-57(2020) 「パラリンピック選手の抵抗の可能性と「別の生」『狂気な倫理』第11章 (晃洋書房、2022)
発売日
2025/3/30
版元
晃洋書房
20.開かれる自閉―医者・心理学者・当事者のポリフォニー
概要(版元ウェブサイトより引用)
「経験の情熱」に拠る書
●自閉症(ASD):医学/心理学/社会学、当事者、スペクトラム、神経多様性。その必読の書。 小泉義之(立命館大学名誉教授)
●「自閉症スペクトラム」から「神経多様性」へ。一筋縄ではいかない複雑な言説の政治を紐解く 松本卓也(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
「開かれる自閉」は、言葉遊びのようだけれど、本当にそうだと思っている。自閉症でなくなることによってではなく、自閉症のままで、人とつながり、社会のなかで生きていくことだ(「ふつう」の人にとって馴染みある、期待している形ではないかもしれないけれど)。
著者
髙木 美歩
立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫性博士課程修了
社会学、博士(学術)
主要業績
「消え去る媒介者としての「軽度発達障害」」立命館大学大学院先端総合学術研究科 『Core Ethics コア・エシックス』Vol.15 :85-96(2019)
「心理学分野の自閉症スペクトラム障害研究における障害観の変化と揺らぎ」立命館大学大学院先端総合学術研究科 『Core Ethics コア・エシックス』Vol.16 :121-131(2020)
「「カサンドラ現象」論――それぞれに「異質」な私たちの間に橋を架けること」『狂気な倫理』第2章 (晃洋書房、2022)
発売日
2025/3/30
版元
晃洋書房
21.ルワンダのガチャチャ裁判 : ジェノサイドの被害者と加害者の賠償をめぐる対話
概要(版元ウェブサイトより引用)
膨大なジェノサイドの犯罪を裁くため、政府はガチャチャという伝統的な村の評定から臨時の裁判制度を創設し、100万人にものぼる加害者を裁いた。本書は、当事者双方への聞き取り、裁判記録との照合という作業から、法的な賠償と和解や赦しの間にわだかまる現実を描く。人間の「罪と罰」に迫ろうとする著者苦闘のドキュメントである。【巻末付録】ガチャチャ裁判の法律文(全文対訳)
著者
片山 夏紀
ルワンダでもらった名前はカイテシ(Kayitesi、世話の焼ける小さい人という意味)。
長崎県生まれ、大阪府育ち。
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻「人間の安全保障」プログラム博士課程修了。2023年博士号取得(国際貢献)。博士論文は一高記念賞受賞。2024年度 第5回而立賞(東京大学学術成果刊行助成)を受賞し本書の出版に至る。
都留文科大学教養学部比較文化学科専任講師(4月~)。
著書に、『ルワンダの今:ジェノサイドを語る被害者と加害者』(風響社、2020年)。論文に、「ガチャチャ裁判が命じた賠償をめぐる当事者の交渉:ルワンダ・ジェノサイドに関連する罪の赦しと和解」(『アフリカレポート』2019年、第57巻、22-33頁)、「『ジャガイモをおいしくするもの』:笑いを誘うルワンダ詩」(『スワヒリ&アフリカ研究』2020年、第31号、1-16頁)、「スワヒリ語を話すルワンダ人」(『スワヒリ&アフリカ研究』2023年、第34号、70-87頁)など。
発売日
2025/3/31
版元
風響社
22.非二元的な性を生きる:性的マイノリティのカテゴリー運用史
概要(版元ウェブサイトより引用)
「Xジェンダー」「ノンバイナリー」「オーバージェンダー」「インタージェンダー」……
「男」「女」に当てはまらない性のカテゴリーは、どのようにして用いられてきたのか?
30人ほどへのインタビューやミニコミ誌・インターネット上のテクストをもとに、1990年代から2010年代の日本におけるXジェンダーやノンバイナリーなど「男」「女」に当てはまらない非二元的な性概念が用いられてきた歴史をたどる。
第五回東京大学而立賞受賞。
著者
武内 今日子
1993年栃木県生まれ。東京大学文学部行動文化学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(社会学)。東京大学大学院情報学環B’AI Global Forum特任助教を経て、2024年4月より関西学院大学社会学部助教。専門は社会学、ジェンダー・セクシュアリティ研究。
主な論文に「未規定な性のカテゴリーによる自己定位―Xジェンダーをめぐる語りから」(『社会学評論』72巻4号,2022年)、「『性的指向』をめぐるカテゴリー化と個別的な性―1990年代における性的少数者のミニコミ誌の分析を中心に」(『ソシオロジ』66巻3号,2022年)、共訳書にジェフリー・ウィークス『セクシュアリティの歴史』(筑摩書房,2024年)などがある。
発売日
2025/3/31
版元
明石書店
23.撤退戦の民主主義 : ダム事業の終了プロセスにみる地方政府の政策選択
概要(版元ウェブサイトより引用)
「政策実行」に比べはるかに困難とされる「政策終了」(政策をやめる)は、いかに展開されてきたのか。ダム事業を事例に、「終了を主導したのは誰か」「終了のプロセスはどのようなものか」「終了のプロセスに影響を与えたものは何か」という3つの問いを立て、“撤退戦”の実態を明らかにする。
著者
戸田 香
京都女子大学ジェンダー教育研究所助教
発売日
2025/3/31
版元
法律文化社
24.フロレンスキイ論
概要(版元ウェブサイトより引用)
知られざる「ロシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ」の思想に迫る
西欧絵画の遠近法と異なる中世イコンの「逆遠近法」を解き明かしたことで知られ、美学のみならず神学、化学、工学、集合論・数論における多彩な業績を残すも、スターリン体制下で銃殺されたロシア正教の司祭フロレンスキイ。
その美学・神学・数学的著作を貫く〈形〉、〈不連続性〉、〈個と全の対立〉を巡る思想を明らかにし、20世紀ロシアの最も謎めいた思想家の全体像に光を当てる、初のモノグラフの試み。
著者
細川瑠璃
1990年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員DC2(東京大学大学院総合文化研究科)、同会特別研究員PD(早稲田大学文学学術院)、東京大学非常勤講師(ロシア語)を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻講師。専門はロシア思想。
発売日
2025/4/7
版元
水声社
25.観光という虚像 : アイデンティティをめぐる地方自治体の自問自答
概要(版元ウェブサイトより引用)
第七回 髙島國男自遊賞 受賞
遠くて近きは観光地。そこには地域社会に生きた人々の葛藤の歴史がある。地域の貌をめぐる「自問自答」の末に、地方自治体が見出した指針とは何だったのか。神戸市、水俣市、むつ市それぞれの観光政策はどのような意味を持つのか。観光業が知らない観光のあり方が、ここにある。
著者
宮﨑友里
兵庫県出身
神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程修了,博士(政治学)
龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター博士研究員(2020年度)
現在、立教大学観光学部 助教
主要業績
「水俣市における教育旅行:水俣病への説明変化に着目して」『日本観光研究学会全国大会学術論文集』第33号、2018年。
「地方自治体の観光政策と社会心理学の視点」『実験社会心理学研究』第58巻第2号、2019年。
「むつ市と恐山イタコ観光:地域像に着目して」『国際協力論集』第27巻第1号、2019年。
「神戸市によるファッション都市事業開始後の地域社会における神戸像:社会科副読本に着目して」『立教大学観光学部紀要』第24号、2022年。
発売日
2025/4/10
版元
晃洋書房
26.前近代イスラーム社会と〈同性愛〉──男性同士の性愛関係からみた社会通念の形成過程
概要(版元ウェブサイトより引用)
本書は、およそ9-14世紀のイスラーム社会における〈同性愛〉という概念が芽生えていく過程を明らかにするものである。一般に、現代に至るまでイスラーム法では同性愛が禁じられているが、歴史的には男性同士の性愛が文学作品などに広く描かれている。本書は、このような状況を歴史学的に理解するため、様々な事例を文献に則って具体的に示すと同時に、「近代の産物」とされる「同性愛概念」に類似したものが、イスラーム社会において前近代において芽生えつつあったことを明らかにする。
序章から第1章まで、かなりの紙幅を割いて、本書の前提が入念に記される。まず、そもそも現在我々が一般に想像する「同性愛」とはどのようなものか、それがどのように「構築」されて「誕生」するに至ったとされてきたかが、「同性愛」研究の文脈を辿るかたちで明示される。そしてそれがイスラーム史ではどのように捉えられてきたかが、イスラーム史研究の道程に沿って示される。そこで本書の方針が定められ、抽出された必要な要素が、以下の各章で有機的に説明される。また第2章で示される、性愛にまつわるアラビア語史料の類型は、本書を読む上での明瞭な道筋となると同時に、今後この分野を学ぶことを志す者にとって有益なガイドとなるかもしれない。
第3章から第6章で展開される内容では、様々なアラビア語史料から、〈同性愛〉概念が芽生えてゆく過程が、当時の社会背景とともに明かされてゆく。逸話集を中心とした文学作品をはじめ、医学史料や性愛学文献、人名録や年代記まで多種多様なアラビア語史料が歴史学的手法によって扱われる。そこからは、当時の社会通念や権力構造、ジェンダー規範などが浮かび上がり、「同性愛」の問題に限らず当時の多様なセクシュアリティのあり方が広く、社会との関連から明かされる。また付録として付される、9世紀のアラビア語逸話集『ジャーリヤ(女奴隷)とグラーム(少年奴隷)の美点の書』の訳注は、それを扱う本書内の論考の説得力を増させると同時に、日本語で当時の世界観を味わうことのできる貴重な機会を提供する。
イスラーム史に限らず、各地域・時代の社会史や、現代のジェンダー理論など、様々な関心からご一読いただきたい。
著者
辻󠄀 大地
九州大学大学院人文科学府博士後期課程修了、博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員PD(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)を
経て、現在は東京都立大学人文社会学部助教。専門は前近代イスラーム社会史。
https://researchmap.jp/tsujidaichi/
発売日
2025/4/30
版元
九州大学出版会
27.ごみと暮らしの社会学 : モノとごみの境界を歩く
概要(版元ウェブサイトより引用)
ごみとは何か――。SDGsというワードが浸透し、プラスチックごみ問題がクローズアップされ、フードロス問題が叫ばれる今日、ごみは「解決すべき問題」として取り上げられることが多い。だが、私たちとごみの関係を、そのポジティブな面も含めて正面から考えることが見過ごされてきた。
私たちの日常生活に密接した「生活文化としてのごみ」に着目して、ごみとモノの境界がどこにあるのか、時代によってその境界がどう揺れ動いてきたのか、ごみとモノの価値の違いとは何なのかを、多くの雑誌や資料、フィールドワークから多角的に検証する。
「祖父の形見の壊れた時計はごみなのか」から説き起こし、高度経済成長期の家電やプラスチックの普及によって新たなごみが「発見」され、日常から「排除」されるようになったプロセスを浮き彫りにする。そして、ごみ屋敷の当事者への1年半以上の調査から、ごみとモノの境界と価値の関係性を明らかにする。
ごみとモノの境界を丹念にたどり歩き、「ごみか、モノか」という二極化した捉え方に異議を唱え、所有者の痕跡などから私たちとごみとモノの緩やかな関係性の再構築を宣言する。フリマアプリの浸透など、今日のリユースの流れにもつながる視点や論点を提示する、ごみをめぐる知的冒険の書。
著者
梅川 由紀
1984年、埼玉県生まれ。神戸学院大学現代社会学部講師。専攻は環境社会学。共著に『ボーダーとつきあう社会学――人々の営みから社会を読み解く』(風響社)、『現代社会の探求――理論と実践』(学文社)、論文に「「ごみ屋敷」を通してみるごみとモノの意味――当事者Aさんの事例から」(「ソシオロジ」第62巻第1号)など。
発売日
2025/5/1
版元
青弓社
28.現代中国女性のライフコース : 一人っ子世代の親子関係と家族意識を読み解く
概要(版元ウェブサイトより引用)
1979年に導入された一人っ子政策のもとで生まれ育った女性たちは、中国社会にとってどのような存在なのか。彼女たちは、家族とどのような関係を築き、自分の人生をどう切り開いているのか。
40人の一人娘へのインタビューから、就職から恋愛、結婚、育児、家族との関係の現実までを丁寧に描き出す。そして、男性を優位に置く中国の家父長制規範や市場経済での差別に直面しているため、一人娘とその親たちが「家族」という単位でその厳しい社会を生き抜こうとしていることを明らかにする。
いまでも「皆婚社会」で結婚規範が強く、一方で高齢者や子どもへの公的な支援が少ない中国で、女性たちがジェンダーの不平等やケアの個人負担などの様々なプレッシャーに向き合い、家族と連携して自身のライフコースを築く姿を浮き彫りにする。
著者
陳予茜
1990年生まれ。流通経済大学共創社会学部助教。専攻は家族社会学、ジェンダー研究。論文に「中国の一人娘から見た母親の結婚――計画経済期と市場経済期に生きる女性たち」(「家族研究年報」第49号)、「一人娘の就職から捉える現代中国女性のライフスタイルと親子関係――浙江省紹興市の事例から」(「国際ジェンダー学会誌」第20巻)、「中国の一人っ子女性の結婚をめぐる母娘の役割分担――浙江省紹興市の事例研究から」(「日中社会学研究」第29号)など。
発売日
2025/5/28
版元
青弓社
29.ライフスタイル移住の社会学 : 日本から韓国への生活転換の実証研究
概要(版元ウェブサイトより引用)
日本から韓国へと移住した人々のライフストーリーをふまえ、動機や生活実態、日本出身者コミュニティの特徴、移住を促した歴史的背景を多角的に分析。日韓を地続きのように捉え、機会や都合に応じていつでも「行き来(ワッタカッタ)」する新しい生き方にも着目。
著者
今里基
1989年福岡市生まれ
福岡大学法学部卒業後、東西大学校(韓国)大学院日本地域研究科修士課程修了
立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了
博士(学術)
大阪公立大学ほか非常勤講師、2025年より立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員
〔主な論文〕
「『帰属するエスニシティを徹底化しない戦術』の考察――日本在住韓国系ニューカマー第二世代の事例から」『立命館人間科学研究』38号、15-29頁、2019年
「ライフスタイル移住の限界――日本へ戻る日本出身者たち」『인문사회과학연구(人文社会科学研究)』24巻1号、497-522頁、2023年
「在韓日本出身者の韓流前の韓国生活――ノンフィクション作品を中心に」『多民族社会における宗教と文化:共同研究』26号、19-27頁、2023年
発売日
2025/6/19
版元
明石書店
30.レヴィナス 唯一的な生のための時間論
概要(版元ウェブサイトより引用)
「時間」を鍵にその特異な思想の展開をたどる
その特異な思考を一貫して駆動していたのは「時間」というモチーフだった――。客観的な時間でも、目的論的な時間でもない、他者と応答する私の唯一性を成り立たせるような時間のあり方に目を凝らしつづけた哲学者の姿を、鮮やかに浮かび上がらせる。
著者
石井雅巳
1990年、神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(哲学)。現在、山口大学教育学部講師。専門は西洋現代哲学と近代日本哲学史。2021年に論文「レヴィナスにおける反−歴史論の展開と変遷」(『倫理学年報』第70集)で日本倫理学会和辻賞(論文部門)を受賞。著書に『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版、2019年)、『レヴィナス読本』(共編著、法政大学出版局、2022年)、訳書にグレアム・ハーマン『四方対象――オブジェクト指向存在論入門』(共訳、人文書院、2017年)など。
発売日
2025/6/25
版元
青土社
31.アメリカのリベラリズムとカトリックの中絶問題: 宗教の教説と多元主義社会における政治の思想研究
概要(版元ウェブサイトより引用)
アメリカにおけるカトリックの思想的・政治的な多様性を明らかに
アメリカにおけるカトリックは、プロライフ(中絶反対)なのか?
教皇を頂点とする教義と多元主義社会の狭間で信徒はどのように振る舞ってきたのか。
ケネディやバイデンといった影響力の強いリベラル・カトリックの系譜と、ロールズの政治思想等にも与えた思想的影響を探究。
この米国のカトリック及び中絶に関係する論点は、本書(特に第2部)でも提示するように、大統領選挙中に大きな騒動を巻き起こしたり、生命倫理学を誕生させたりした。そうした出来事には、「生命倫理」の枠では論じきれない、米国政治及び米国社会におけるカトリックの特殊性も影響していた。建国以来長らくWASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)が影響力を保持してきた多元主義社会の民主主義国家「アメリカ」の政治と公共領域において、(非カトリックの人民にとって、敬意を払うことはあっても信仰の対象ではなく、米国の人民でもない)教皇を頂点とする教導職たる聖職位階制の教えに従うことを求められるカトリック信徒は、非カトリック信徒の人民に警戒心を抱かせるものであった。(「序章」より)
著者
池端祐一朗
1985年 静岡県に生まれる。
2012年 立命館大学大学院先端総合学術研究科先端総合専攻一貫性博士課程退学(修士号取得)。
2024年 大阪大学大学院人間科学研究科人間科学専攻博士後期課程修了。
現在 公益財団法人ひょうご震災記念21 世紀研究機構人と防災未来センター研究員。博士(人間科学)。専攻/倫理学。
著作 「 アメリカのリベラリズムとカトリックの中絶問題――宗教の教説と多元主義における政治の思想研究」(博士論文,2024年受理)「リベラル・カトリックとウォルター・モンデールの軌跡――カトリック大統領・生命倫理学・女性副大統領の誕生」(『共生学ジャーナル』第7号,2023年),「カトリックの教説から見る中絶問題――中絶に関わる諸事項の関連」(『生存学研究センター報告』第10号,2009年),他。
発売日
2025/7/7
版元
ナカニシヤ出版
32.京都出町のエスノグラフィ: ミセノマの商世界
概要(版元ウェブサイトより引用)
滅びゆくとされたものたちの思想に向けて
まちの隙間で展開する物のやりとりとそこで紡がれる技芸〈アート〉。ばらばらの「点」に過ぎない小さな営みが響きあい、しぶとく再生していく独自の商世界。大胆かつ繊細に描き出された多声的なまちの姿は、見慣れた都市の風景を一変させる。――小川さやか
商店街に広がるスポンジ化。しかしその間隙には、まちに新たな力動をもたらす、ミクロな力のせめぎ合いが鼓動していた。圧倒的なフィールドワークに基づきながら、商店街への悲観論を打ち破る、社会学の新たな地平。まちが、静かに語り始める。――戸谷洋志
グローバル資本主義経済の末端で、小規模店舗はいずれ消滅すると考えられてきた。しかし本当にそうだろうか? 京都市北部の出町とよばれる「まち」で、店が営まれる空間(店の間:ミセノマ)をのぞき込んでみると、そこでは新しい試みが生まれ、人々が入り込み、まちは常に変化し続けている。 老舗の呉服店、流しの焼きいも屋、駅前のシェアサイクル……半径2kmから描きだされる濃密なフィールドワークから、まちのざわめきと響きあう声が聞こえてくる。
著者
有馬恵子
文化人類学、民俗学、社会学で培われたエスノグラフィク・リサーチの方法を用いて、建築、音楽、アートの実践者としての経験を踏まえた分析・記述をおこなっている。キュレーターとしての仕事に、アーツ前橋10 周年記念展「ニューホライズン 歴史から未来へ」(2023-2024 年)、《建築的思考のパラダイム―アーキテクチャーの現在形》(TRANS ARTSTOKYO、2012 年)など。音楽のプログラム・ディレクターとしての仕事に、《さっぽろコレクティブ・オーケストラ》(札幌国際芸術祭2017)、《アンサンブルズ・アジア・オーケストラ》(国際交流基金アジアセンター主催、2014-2017 年)、《東北ユース・オーケストラ》(ルツェルンフェスティバル・アークノヴァ松島2013)など。共著に、Architecture and the Test of Time(Detail Publishers、2012 年)。立命館大学大学院先端学術総合研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)。キュレーター/社会学・文化人類学。
発売日
2025/7/11
版元
青土社
33.都市はどう変わるのか : 共創によるまちづくりをめざして
概要(版元ウェブサイトより引用)
住民不在のまちづくりは、ノー!
超リスク社会における行政・民間企業主導の政策に対して、住民が参加し、アイデンティティをもつことができるまちづくりは可能なのか? 住民へのアンケート調査・インタビュー(コロナ前/コロナ後)をもとに、住民の意向が反映され、住民主体のまちづくりへ転換していくプロセスを詳細に描き出す。
・横浜黄金町(行政による創造都市政策)のアートプロジェクトは、地域や住民に開かれた公共性を見出すことができるのか
・横浜綱島(民間企業主導の最先端情報技術を駆使したスマートシティ政策)において、スマートタウンと既存地域は有益なものを共有できるのか
著者
菅沼 若菜
東京都立大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
現在、東京都立大学人文科学研究科博士研究員。
〈著書等〉
「住民ニーズからみるスマートシティにおける課題」北川由紀彦・山本薫子・山口恵子・玉野和志編『社会をひもとく――都市・地域にみる社会問題の問い方』有斐閣,2025年
「コロナは都市の暮らしにどのような影響を与えたか――デジタル化とまちづくりに着目して」『日本都市社会学会年報』41:54-69,2023年
「ICTを活用したまちづくりと近隣地域とのつながりに関する考察――横浜綱島スマートタウンを事例に」『地域社会学会年報』32:136-150,2020年
「交錯するアートの公共性――横浜黄金町「アートのまち」のその後に着目して」『社会学論考』40:69-92,2019年
発売日
2025/9/8
版元
春風社
34.「空気」といじめの心理学 : 発生メカニズムと攻撃行動モデル
概要(版元ウェブサイトより引用)
「空気」が教室を支配する
無視、仲間外れ、陰口――。
「空気」が読めないと、なぜいじめにつながるのか。
子どもたちの心をむしばむ「いじめ」発生のメカニズムを、
最新の心理学的データから解明する。
「空気」が支配する教室では、声を上げることができない――。
本書は、見えない“空気の支配”を心理学の視点から捉え直し、日本のいじめ問題の本質に迫る。
いじめを取り巻く「空気」の構造を最新の心理学的データから実証的に解き明かし、
集団の関係性の理解へと導く。
著者
小岩広平
北海道教育大学大学院学校臨床心理専攻准教授
東北大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。
主要論文に、「現代青年の友人集団における『空気』を読めない言動への対処行動」『心理学研究』91(5) 312-322、「『空気を読めなかった人物』への攻撃行動の発生に関する文献的検討――『空気』の概念的検討と攻撃モデルの提案」『東北大学大学院教育学研究科研究年報』70(2) 43-66、共著に『基礎から学ぶやさしい心理統計』(第6章)(実教出版、2024年)、『心理療法・カウンセリングにおけるスリー・ステップス・モデル』(第3章)(遠見書房、2024年)、『テキスト家族心理学』(第9章)(金剛出版、2021年)などがある。ベストプレゼンター賞(日本ブリーフセラピー協会)、小貫英教育賞等受賞。
発売日
2025/9/25
版元
慶應義塾大学出版会
35.独裁と喝采:カール・シュミット 〈民主主義〉論の成立
概要(版元ウェブサイトより引用)
「主権独裁」理論はどのように生まれたのか?
20世紀最大の論争的政治思想家カール・シュミットの民主主義論の形成過程を、1910年代から『憲法論』に至る期間を対象に、一次資料や最新研究から探る画期的研究。
シュミットの主権論、同質性、「人民の意志」概念などを分析し、現代の民主主義理解に与える示唆と限界を探る注目の書。
ルソー、ボダン、ホッブズ、シィエス、ドノソ・コルテス、ヴェーバーらとの思想的対話を通して、同一性・主権独裁・指導者への喝采などの核心概念がなぜ生まれたかを解き明かす。
著者
松本彩花
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院講師。
北海道大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。
日本学術振興会特別研究員PD/CPDを経て現職。
専門分野:政治学、西洋政治思想史、20世紀ドイツ語圏の民主主義論。
発売日
2025/9/30
版元
慶應義塾大学出版会
36.「美食の国」フランスの誕生 : ガストロノミーが作ったおいしい歴史
概要(版元ウェブサイトより引用)
空腹と心も満たす食の歴史を召し上がれ!
「フランス=美食の国」というイメージはどう定着したのか。
「食べること」への思いが作り上げたフランスの豊かな食文化の歴史をひもとく。
2010年にフランスの「美食術」が、2022年に「バゲット」がユネスコの無形文化遺産に登録された。
「フランス=美食の国」というイメージはいつ、どのようにしてできたのか。その背景を探るべく、本書では19世紀から20世紀にかけてのフランス食文化の展開を辿る。
革命を経てレストラン黄金時代が到来したパリは、スターシェフと美食家たちの情熱によって「美食の都」として揺るぎない地位を築く。その後、技術革新や社会情勢の変化を経験しながら、食に対するまなざしも変容する。「地方振興」と旅行の普及は、ガイドブック誕生と地方料理の再発見を促し、フランスを「美食の国」へと押し上げた。
そして「ガストロノミー」と呼ばれる食を題材とした言説は、「美食の都」から「美食の国」への変貌をリアルタイムに描き出してきた。高級フレンチと素朴な地方料理、どちらの魅力も併せ持つフランスの、豊かな食の旅へと出かけよう。
著者
梶谷彩子
2011年お茶の水女子大学文教育学部仏語圏言語文化コース卒業、2019年同大学大学院博士後期課程修了、人文科学博士。
現在、お茶の水女子大学基幹研究院研究員。東京都立大学・法政大学・お茶の水女子大学などで非常勤講師を勤める。専門は近代フランスの食文化論。
論文「近代フランスにおける美食ガイドブック――「旅における食」へのまなざしの変遷をめぐって」(『余暇ツーリズム学会誌』第9号、2022年3月)で余暇ツーリズム学会2022年度論文表彰を受賞。
発売日
2025/9/30
版元
慶應義塾大学出版会
37.戦後日本の地方移住政策史―地域開発と〈人材〉創出のポリティクス
概要(版元ウェブサイトより引用)
個人のライフスタイルの選択肢であり、また人口減少に悩む地域にとっての希望となった「地方移住」。Uターン、Iターン、地域おこし協力隊、そして地方創生といった言葉とセットになったこの潮流は、個人の自発的な思いから生まれた自然発生的なブームなのだろうか。なぜ国や自治体は半世紀にわたり、特定の「理想の移住者」を求め、その獲得に勤しんできたのか?
数多くの政策文書やメディアの言説を丹念に読み解き、個人の移動を「地域開発」の資源として動員してきた戦後日本を貫く欲望の正体を描く。
本書の成果を一言で表すならば、戦後、とくに高度経済成長期以降に生じた地方移住政策が一貫して有してきた、移住者をめぐる期待と価値規範を明らかにしたことである。それは、国土や地方の開発と発展――地域活性化や地域振興とも呼べる――に貢献する「人材としての移住者」という期待と理想化の一貫性であった。 [本文より]
著者
伊藤将人
一九九六年生まれ。長野県出身。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員・講師。長野大学環境ツーリズム学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て現職。
大東文化大学社会学研究所兼任研究員、立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員、武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員、NTT東日本地域循環型ミライ研究所客員研究員。専門は地域社会学、地域政策学、モビリティーズ研究。
地方移住や関係人口、観光など地域を超える人の移動に関する研究や、持続可能なまちづくりの研究・実践に携わる。
主著に『数字とファクトから読み解く 地方移住プロモーション』(2024、学芸出版社)、『移動と階級』(2025、講談社)、『モビリティーズ研究のはじめかた―移動する人びとから社会を考える』(共編著、2025、明石書店)がある。
発売日
2025/11/21
版元
春風社
38.行政が提供する「家庭」: 施設と里親をめぐる日本の政策の展開
概要(版元ウェブサイトより引用)
日本において親の死亡や虐待等によって保護された児童の大部分が施設でケアされてきたのはなぜなのか。里親によるケアが主流を占めてきたアメリカとの比較を交えながら、施設と里親をめぐる明治以来の日本の政策の展開を振り返り、そのあり方を問い直す。
著者
中澤柊子
東京大学大学院公共政策学連携研究部特任准教授
1993年生まれ。2016年東京大学法学部卒、2023年同大大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。2024年より現職。、2023年日本行政学会研究奨励賞(ポスター部門)受賞、2024年日本行政学会研究奨励賞(論文部門)受賞。著作は「学界展望〈行政学〉 Arissa H. Oh, To Save the Children of Korea: The Cold War Origins of International Adoption (Stanford University Press, 2015)」(『国家学会雑誌』第132巻第5・6号、2019年)ほか。
発売日
2025/11/25
版元
東京大学出版会
39.多文化保育のエスノグラフィー――文化的多様性の包摂と公正さをめざして
概要(版元ウェブサイトより引用)
多文化コミュニティに焦点を当てた綿密なフィールド調査をもとに、具体的なエピソードや事例を通じて、文化的・言語的に多様な背景のある子どもたちのニーズに応える多文化保育の理論を実践的に検証し、さらに進化させるための新たな道筋を探る。
著者
長江 侑紀
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。現在、国際基督教大学およびストックホルム大学に所属し、移民の子どもの教育についての研究に従事。専門は教育社会学、異文化間教育、幼児教育。特に、日本とスウェーデンに暮らす移民家庭や国際結婚家庭を対象とした調査を通じて、子どものアイデンティティ形成や子育て戦略、文化的多様性をめぐる教育実践を研究している。博士論文では、日本の保育現場を対象に、文化的多様性の包摂と公正さをめぐる実践をエスノグラフィーの手法で分析。本書はその成果をもとに、教育現場と研究の架け橋となることを目指している。
主な著作:
長江侑紀.2023.「文化的多様性の包摂を目指す保育実践の再構築:マイノリティの子どもの名前をめぐる実践と対話に着目して」『教育学研究』90(1), 63-75.
長江侑紀.2018.「エスニック・マイノリティの子どもと就学前教育・保育:多文化共生を考える」『東京大学大学院教育学研究科紀要』57, 389-397.
長江侑紀.2025.「スウェーデン・フィン人のプリスクール」佐藤裕紀ほか編著『北欧の教育新潮流:未来につなぐ子育てと学び』明石書店, 217-221.
発売日
2025/12/4
版元
明石書店
40.エレクトクラシー・エピストクラシー・ロトクラシー―代表制デモクラシーを再考する
概要(版元ウェブサイトより引用)
「代表制の危機」を乗り越えるために ——。私たちが自明視してきた選挙による議員の選出は、いまや様々な批判にさらされている。では、より望ましい政体として何がありうるのか。有力視される抽選代表政や知者代表政と比較し、理想化されたモデルを超えて包括的に検討。混合システムとしての新たな構想を提示する。
著者
山口 晃人
1995年生
2023年 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了
現 在 埼玉大学大学院人文社会科学研究科准教授、博士(学術)
発売日
2025/12/12
版元
名古屋大学出版会
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人文・社会科学分野の研究者とともに、多様なプロジェクトを生み出すアカデミックインキュベーターであるデサイロは、2025年3月より会員制コミュニティ「De-Silo Membership」の運営しています。
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