【2026年2月刊】現代社会を生きるためのAI×哲学、自滅する米中、レコード店の文化史……デサイロが注目したい人文・社会科学の新刊22冊
一般社団法人デサイロは、人文・社会科学分野の研究者を中心に、次なる社会を形づくる思想やアイデアを生み出すアカデミックインキュベーター/シンクタンクとして活動しています。
本記事では、2026年2月に刊行の人文・社会科学分野の新刊書の中から、デサイロとして注目したい22冊をピックアップしました。
気になる新刊があれば、読書リストにぜひ加えてみてください。
1.美的経験と個性
ジョン・デューイと教育・デモクラシー・芸術をめぐる思想
概要(版元ウェブサイトより引用)
調和的な全体性から逸脱する「個性」概念の意義を立体的に浮かび上がらせデューイ思想をその限界を踏まえてなお読み広げる道を探る。
本書では、デューイの思想における教育・デモクラシー・芸術の連関を考える上で、美的なものの政治的危うさとデューイ思想の調和的性格とが問題となることを指摘。両者の結合によってデモクラシーの同質性が強化され対立や葛藤を排除しかねないことを論じ、「個性」概念がそれに応答する手がかりとなることを多様な角度から論じる。
著者
西本 健吾(著)
1991年神奈川県に生まれる。2022年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(教育学)。現在:東海大学資格教育センター助教。共著書:『記憶と想起の教育学』(勁草書房,2022年)ほか。主論文:「1930年代デューイ思想における政治と美の緊張関係」(『教育哲学研究』115、2017年、教育哲学会奨励賞受賞)、「ブラック・マウンテン・カレッジ初代学長J. A.ライスの芸術教育思想」(『教育学研究』87(3)、2020年、日本教育学会奨励賞受賞)。
発売日
2026/2/3
版元
勁草書房
2.フェミニスト経済学ハンドブック
概要(版元ウェブサイトより引用)
フェミニスト経済学の目標は、すべての子ども、女性、男性の生活条件を改善することにある。従来の経済学において不可視化されてきたアンペイド・ケアワークの問題を分析し、ジェンダー、セクシュアリティのみならず階級、カースト、人種やエスニシティが交差して生じる差別や抑圧、経済的不平等の構造を解体するための50章。これからの政治経済・社会問題を論じるための基礎知識がここにある。
著者
グンセリ・ベリック(編)
アメリカ・ユタ大学名誉教授。専門領域は開発経済学、ジェンダーと開発、フェミニスト経済学、エスニシティ・ジェンダー・階級に関する政治経済学。2010年から2017年までFeminist Economics誌編集長。国際労働機関(ILO)、国連開発計画(UNDP)、国連社会開発研究所(UNRISD)、国際女性機関(UN Women)、世界銀行のコンサルタントを務め、近年はUNDPおよびUN Womenとの協力のもと、新しいジェンダー平等・女性のエンパワーメント指数の開発にかかわっている。
エブル・コンガー(編)
アメリカ・ディキンソン大学教授。専門領域は、脱工業化、オフショアリング、アメリカ経済における大不況などのマクロ経済的動向がジェンダー化された生活時間や労働市場のアウトカムに与える影響。Feminist Economics誌編集委員、バード大学レヴィ経済研究所のジェンダー平等・経済プログラム研究員も務める。
発売日
2026/2/3
版元
法政大学出版局
3.自由と平等
「正義」のための設計図
概要(版元ウェブサイトより引用)
二〇世紀を代表する政治哲学者ジョン・ロールズは、「無知のヴェール」や「格差原理」といった独創的な考え方によって「公正とは何か」という難問に理論的な答えを与えてきたが、その理想はいまだ実現されていない。本書ではイギリスの新世代を代表する気鋭の経済学者が、ロールズの核心を驚くほど平易な言葉で解きほぐし、正義の「社会実装」を構想する。国際的な炭素税、ユニヴァーサル・ベーシック・インカム、私立学校の廃止、職場の民主化……冷静かつ熱い視点で描き出される、来たるべき社会のヴィジョンとは? トマ・ピケティやアマルティア・センが激賞し、フィナンシャル・タイムズのベストブックに選出された、実践的な公共哲学の試み。
著者
ダニエル・チャンドラー(著)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)を拠点とする経済学者にして哲学者であり、同校で「結束資本主義プログラム」の研究部長を務めている。ケンブリッジ大学とLSEで経済学、哲学、歴史学の学位を取得。ヘンリー・フェローシップを受けてハーバード大学で学び、アマルティア・センに師事した。イギリス政府では首相戦略ユニットおよび副首相府の政策アドバイザーとして、また、レゾリューション財団や財政研究所などのシンクタンクでは研究者として働いている。
発売日
2026/2/3
版元
早川書房
4.自滅する米中
概要(版元ウェブサイトより引用)
有事は台湾だけではない。
米中対立、台湾有事、新世界秩序、そして日本に迫る危機。
大国が自滅の道をたどるなかで、東アジア太平洋のカギを握るのは日本だ!
日本の防衛産業界から国際政治学の名門、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)へ。
日米中台を知る気鋭の国際政治学者が描き出す、これからの日本の航海図。
中国の軍人から各国の政策担当者まで。
あらゆる声から見えてくることとは?
著者
佐々木れな(著)
国際政治学者。専門は東アジア安全保障、台湾海峡危機管理、防衛産業政策。米国、中国、日本、台湾を中心に各国の研究者や外交関係者との交流を通じ、現場と理論の融合を図る。早稲田大学卒業後、2016年から2021年にかけて外資系戦略コンサルティングファームStrategy&に在籍し、防衛省および防衛装備庁、防衛関連企業等との複数のプロジェクトに携わる。2023年、ジョージタウン大学外交政策大学院で修士号を取得。本書刊行時現在、国際関係論・国際政治学の名門として知られるジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)博士課程在籍。
発売日
2026/2/7
版元
SB Creative
5.変な心理学
バズっているアレの正体
概要(版元ウェブサイトより引用)
誤謬の温床か、現代の神話か。
「いけねえ癖」をもつ心理学者が、「変」を解剖する。
いまの日本の「心理学」は、奇妙な状況にあります。そこにあるのは、アカデミックな心理学と大衆的な心理学の混乱です。この本では、この状況を整理し、今後の共存のための考え方を示します。読み終わると、きっと心理学が好きになる。そんな本です。
著者
山田祐樹((著)
1981年生まれ。心理学者。2008年、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(心理学)。現在、九州大学基幹教育院准教授。単著に『心理学を遊撃する──再現性問題は恥だが役に立つ』(ちとせプレス、2024年)がある。2018年に日本心理学会国際賞奨励賞、2021年に科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。犬好き。
発売日
2026/2/9
版元
筑摩書房
6.レコード店の文化史 グローバル・ヒストリー
コミュニティ、都市、文化が交差する場所
概要(版元ウェブサイトより引用)
ロンドンのレゲエ店からナイジェリアのジャズホール、東京の輸入盤店、革命前後のイラン、ポルトガルやスペインの観光地化するレコード店、
ナイジェリアやルーマニアの音楽インフラまで。
22章のケーススタディは、レコード店がどのように人びとの文化生活を支え、
文化の公共圏として機能してきたのかを明らかにする。
レコード店には、人びとの趣味が交差し、見知らぬ者どうしが語り合い、
都市の片隅から文化が立ち上がる瞬間が息づいている。
音楽研究・社会学・文化史・都市研究に携わる多国籍の研究者・批評家が、
ポピュラー音楽研究、レコード産業史、都市文化論、若者文化史、社会主義圏の文化政策、
ディアスポラ研究などを背景に、レコード店という“小さな場”を多角的に読み解いた一冊。
著者
ジーナ・アーノルド(著)
教授、著作家、音楽ジャーナリスト。「ローリングストーン」「Spin」「The Village Voice」などで執筆。著書に『Route 666: On the Road to Nirvana』『Kiss This: Punk in the Present Tense』『Liz Phair’s Exile in Guyville』など。
他
発売日
2026/2/10
版元
DU BOOKS
7.ホロコースト後の機能不全
ドイツ、イスラエル、犠牲と加害の関係
概要(版元ウェブサイトより引用)
なぜドイツはイスラエルを批判できないのか?
ーー犠牲と加害の反転はどのようにして進んだか
『歴史修正主義』(中公新書)で注目された歴史学者が提示するガザ紛争を理解するための新たな視座!
ドイツの戦後の歩みはユダヤ人を究極の犠牲者にした!
紛争によりガザが破壊し尽くされた中、イスラエルの姿勢はホロコーストの記憶とも結びつけられる。
ドイツはナチ犯罪者を最後の一人まで裁き続け、「反ユダヤ主義」の撲滅を掲げてきた。
そのためドイツによるイスラエル支援は、補償にとどまらず武器供与まで及んだ。イスラエルへの安全保障は「国是」だったのである。
ドイツの「過去の克服」は、両国の政治、経済、軍事の利害と密接に絡んできた。その歴史を解きほぐし、変化を迫られる姿を描くーー。
世界は戦争を止められないのか。ナチズムの克服は、より良い世界をつくるためではなかったのか。
ドイツとイスラエルの特殊な関係をつまびらかにすることで、ガザ紛争を防げなかった世界構造のねじれが見えてくる。
著者
武井彩佳(著)
早稲田大学第一文学部史学科卒業。同大学より文学博士取得。専門はドイツ現代史、ホロコースト研究。学習院女子大学国際文化交流学部教授。著書に『〈和解〉のリアルポリティクス ドイツ人とユダヤ人』(みすず書房)、『歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』(中公新書)など、訳書にダン・ストーン著『ホロコースト・スタディーズ 最新研究への手引き』(白水社)などがある。
発売日
2026/2/10
版元
角川新書
8.現代社会を生きるためのAI×哲学
概要(版元ウェブサイトより引用)
AIと暮らす時代がやってきている。文系・理系といった枠を超え、社会のあらゆる分野の構成員が、AI技術だけでなく、それを支える哲学的視点や倫理観、そして関連する社会課題について理解することが、本質的に重要となっている。本書では、「技術としてのAI」「心の哲学としてのAI」「社会の中のAI」の三つに分けて、AIへの態度・問題関心を考える。
著者
谷口 忠大 (著)
1978年京都市生まれ。2006年京都大学大学院工学研究科博士課程修了、博士(工学)。中小企業診断士(経済産業省登録)。立命館大学情報理工学部教授を経て、2024年4月より京都大学大学院情報学研究科教授。立命館大学総合科学技術研究機構 客員教授を兼任。 著書に、『イラストで学ぶ人工知能概論 改訂第2版』講談社(2020)、『心を知るための人工知能:認知科学としての記号創発ロボティクス (越境する認知科学 5)』共立出版(2020)、『僕とアリスの夏物語:人工知能の、その先へ (岩波科学ライブラリー)』岩波書店(2022)、編著に、『記号創発システム論:来るべきAI共生社会の「意味」理解にむけて(ワードマップ)』新曜社(2024)などがある。また、知的書評合戦ビブリオバトルの発案者でもある。
鈴木 貴之 (著)
1973年神奈川県生まれ。2003年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。 著書に、『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう:意識のハード・プロブレムに挑む』勁草書房(2015)、『人工知能の哲学入門』勁草書房(2024)、『100年後の世界:SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来(増補版)』化学同人(2025)、編著に、『人工知能とどうつきあうか:哲学から考える』勁草書房(2023)などがある。
丸山 隆一 (著)
1987年東京都生まれ。2012年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了。森北出版株式会社での書籍編集職、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センターフェローを経て、2024年に独立。AI、神経科学、メタサイエンス等の分野における科学コミュニケーションに従事。
発売日
2026/2/12
版元
講談社
9.プラネタリーヘルス入門
地球と人類の健康のためにできること
概要(版元ウェブサイトより引用)
気候変動、海洋酸性化、生物多様性の損失、大気汚染――。
このまま地球が病み続ければ、人類が生き残れない未来がやってくる。
地球と人をともに健康にし、地球の生物圏全体のウェルビーイングを達成する〈プラネタリーヘルス〉という概念。それは、学際的な研究成果とイノベーションを結集し、100年、200年先を見すえる全人類規模の運動でもある。この〈プラネタリーヘルス〉にコミットするための、待望の入門書。
著者
國井修(著)
自治医科大学卒業、公衆衛生学修士(ハーバード公衆衛生大学院)、医学博士(東京大学大学院)。病院・僻地診療所(栃木県奥日光)に勤務しながら国際医療人道支援NGO(AMDA)の副代表を務め、国立国際医療センター、東京大学国際地域保健学(専任講師)、外務省経済協力局(調査計画課長補佐)、長崎大学熱帯医学研究所(教授)などを経て、2006年より国連児童基金(ユニセフ)ニューヨーク本部にて保健戦略上級アドバイザー、ミャンマー・ソマリアにて保健・栄養・水衛生チーフ、2013年よりスイスにある国際機関、世界エイズ結核マラリア基金(グローバルファンド)戦略・効果・投資局長として5つの部署を統括。2022年より公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)のCEO・専務理事を務める。京都大学、東京科学大学、長崎大学など5大学の客員教授、世界銀行パンデミック基金や国立健康危機管理研究機構(JIHS)などの外部アドバイザー、内閣府野口英世アフリカ賞委員会委員長、内閣府健康・医療戦略推進本部健康・医療グローバル協議会委員、日米フルブライトプログラム委員、ジャパン・プラットフォーム(JPF)理事、日本国際交流センター(JCIE)評議員、ジョイセフ(JOICFP)評議員なども務める。
青年版国民栄誉賞である「人間力大賞(TOYP)」グランプリ、吉川英治文化賞、ゼロ・マラリア賞などを受賞。『ニューズウィーク日本版』で「世界が尊敬する日本人100」「世界に貢献する日本人30」に選出。
著書に『国家救援医』(角川書店、2012年)、『世界最強組織のつくり方』(ちくま新書、2019年)、『人類 vs 感染症 新型コロナウイルス』(CCCメディアハウス、2020年)、『世界に飛びたて! 命を救おう!』(南山堂、2023年)など、編著に『みんなで取り組む 災害時の保健・医療・福祉活動』(南山堂、2022年)、訳書にジェシカ・ファンゾ『食卓から地球を変える』(日本評論社、2022年、手島祐子と共訳)がある。
発売日
2026/2/16
版元
みすず書房
10.移民・難民・アート
越境する想像力
概要(版元ウェブサイトより引用)
移民や難民をめぐる問題は、制度や政策の課題にとどまらず、私たちが生きる社会の前提や価値観そのものを問い返す。本書は、アートがこの問いにいかに応答しうるのかを、多様な論考と対話を通して探る。
著者
川上幸之介(編著)
倉敷芸術科学大学准教授。KAG アートディレクター(gallerykag.jp)。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMAファインアート科卒。東京藝術大学国際芸術創造研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は現代アート、ポピュラー音楽、キュレーション。著書に『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024)、共著に『思想としてのアナキズム』(以文社、2024)『表現文化論講義』(ナカニシヤ出版、2025)。キュレーションにPunk! The Revolution of Everyday Life 展、Bedtime for Democracy 展など。
髙谷幸(編著)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専攻は社会学、移民研究。著書に『追放と抵抗のポリティクス』(ナカニシヤ出版、2017年)、編著書に『移民政策とは何か』(人文書院、2019年)、編著に『多文化共生の実験室 大阪から考える』(青弓社、2022年)、論文に「現代日本における移住女性の配置の変容と社会的再生産の困難」(「思想」2020年4月号)など。
発売日
2026/2/16
版元
図書出版ヘウレーカ
11.危機の三十年
冷戦後秩序はなぜ崩壊したか
概要(版元ウェブサイトより引用)
冷戦終結で平和が訪れるはずだったのに、なぜ再び戦争の時代となってしまったのか。国際政治学の古典『危機の二十年』を下敷きに、ユートピア主義とリアリズムの相克という視座から、ソ連の解体、アメリカの傲り、NATOの東方拡大、そしてロシアによるウクライナ侵攻へ至る三十年を検証する。戦争回避のための必読書。
著者
細谷雄一(著)
1971年、千葉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。立教大学法学部卒業。英国バーミンガム大学大学院国際関係学修士号取得。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。主な著書に、『戦後国際秩序とイギリス外交』(サントリー学芸賞)、『倫理的な戦争』(読売・吉野作造賞)、『外交』、『国際秩序』、『安保論争』、『国際連合の誕生』、『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』、『戦後史の解放II 自主独立とは何か』など。
発売日
2026/2/18
版元
新潮社
12.美人はそれほど得しない?
ルッキズムの科学
概要(版元ウェブサイトより引用)
「ルッキズム(外見至上主義)」の裏に潜む人間の本能とは何か。採用・昇進、恋愛、選挙まで、容姿が人生を左右する現代社会で、「見た目の問題」にどう向き合うべきなのか。顔研究の第一人者が、第一印象を決定づけるメカニズムと顔認知の歪みを解き明かす。
著者
山口真美(著)
中央大学文学部教授、博士(人文科学)。 中央大学文学部卒業、お茶の水女子大学大学院博士課程人間発達学専攻単位取得退学。 認知心理学、なかでも乳児の視覚についての研究が専門。 著書に『赤ちゃんは世界をどう見ているのか』ほか。
発売日
2026/2/18
版元
ハヤカワ新書
13.ここでもなく、いまでもない
スペキュラティヴな思考、不可能性、そしてデザインの想像力について
概要(版元ウェブサイトより引用)
「未来」という概念が消費され、想像力の足かせとなってしまった現在、デザインはどこへ向かうべきなのか?
本書は、デザインを「現実の強化」から解き放ち、現状の延長線上にある未来ではなく、「ここでもなく、いまでもない(Not Here, Not Now)」世界を思索することへと向かわせるラディカルな実践です。
著者らは、マイノングの対象論や量子力学の多世界解釈など、文学、哲学、科学の周縁領域を横断しながら、論理的にはありえない「不可能対象」や「別の現実」を形にすることで、私たちが自明とする現実(いま、ここ)の枠組みに揺さぶりをかけます。
豊富なビジュアルと批判的考察を通じて、デザインの役割を「問題解決」から世界観そのものを問い直す「存在論」のレベルへと拡張する、挑発的かつ詩的な一冊です。
著者
アンソニー・ダン(著)
フィオナ・レイビー(著)
アンソニー・ダンとフィオナ・レイビーは、ニューヨークのニュースクール大学内パーソンズ美術大学でデザインと社会探究の教授を務めている。同校ではDesigned Realities Studioの共同ディレクターも兼任している。2人はデザインスタジオ「Dunne & Raby」の受賞歴ある共同経営者でもある。著書に『Hertzian Tales』『Design Noir』『Speculative Everything』(『スペキュラティヴ・デザイン』)がある。彼らの作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、ウィーンのMAK(オーストリア応用美術博物館)など、複数の美術館の常設コレクションに収蔵されている。
発売日
2026/2/19
版元
BNN
14.人類学は何ができるのか
不安な時代を生きるための方法
概要(版元ウェブサイトより引用)
トランピズムが覆い尽くす現代世界の「根本的に不可能な生」を引き受けながら、それでも他者と公平に関わり続ける倫理はいかにして可能か。
著者
アナンド・パンディアン(著)
ジョンズ・ホプキンズ大学人類学教授。著書に『Reel World: An Anthropology of Creation』『A Possible Anthropology: Methods for Uneasy Times』があり、また共編著に、『Crumpled Paper Boat: Experiments in Ethnographic Writing』(以上、デューク大学出版局)、『Something Between Us: The Everyday Walls of American Life and How to Take Them Down』(スタンフォード大学出版局)。2025年まで文化人類学会(Society for Cultural Anthropology)の会長を務めた。加えて、急進的なエコロジー的想像力と協働のためのコミュニティである「エコロジカル・デザイン・コレクティブ」のキュレーターとしても活動。現在は家族とともにボルチモアに暮らし、荒廃に向かう地球の未来を取り戻すことをテーマにした新たな書籍に取り組んでいる。
発売日
2026/2/20
版元
亜紀書房
15.地球のまかないごはん
概要(版元ウェブサイトより引用)
誰が風景をつくるのか? 地球と人が「まかない合う」暮らしとは? 石積みから多様性(Diversity)を考えるとは?
景観工学者と人文地理学者が、石積みと風景とごはんについて、世界のあちこちで交わした往復書簡。ごはんをつくって食べる、食べさせる、誰かを気づかう、気づかわれるという意味をもつ「まかない」という言葉から、持続可能な暮らしを自分事として考える。フランス、アイルランド、イタリア、スイス、ケニア、南アフリカ、ラオス、そして日本の各地で考えた、持続可能な暮らしをつくるための、風景の〈ケア〉論。
著者
真田純子 (著)
広島県生まれ。1996年ヴルカヌスプログラム(日欧産業協力センター)にてイタリア留学(1年)。1998年東京工業大学工学部社会工学科卒業。2000年東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻 修士課程修了。2005年東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻 博士課程修了、博士(工学)取得。2007年徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部助教に就任。石積み技術をもつ人・習いたい人・直してほしい田畑をもつ人のマッチングを目指して「石積み学校」を立ち上げる。2015年10月から現職。専門は景観工学、緑地計画史。著書に『都市の緑はどうあるべきか』(技報堂出版 2007)がある。
湯澤規子(著)
1974 年大阪府生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業、筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授などを経て、現職。地理学、歴史学、経済学の視点から、「食」や「排泄」といった当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。著書に『食べものがたりのすすめ』『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』などがある。
発売日
2026/2/20
版元
農山漁村文化協会
16.ヨーロッパ研究入門
アイデンティティの重層性と多様性
概要(版元ウェブサイトより引用)
言語も文化も異なる国々をなぜひとつの「ヨーロッパ」とみなすのか。「アイデンティティ」をキーワードに読み解く。
著者
中嶋洋平(編)
1980年生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部助教。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学、フランス国立社会科学高等研究院政治研究系博士課程修了。政治学博士。著書に『サン=シモンとは何者か』(吉田書店)、訳書にドミニク・シュナペール『市民の共同体――国民という近代的概念について』(法政大学出版局)などがある。
他
発売日
2026/2/20
版元
昭和堂
17.環境思想家としての鶴見和子
共育とアニミズムの倫理学
概要(版元ウェブサイトより引用)
鶴見和子の思想全体を、共育とアニミズムの倫理という観点から再構成し、環境思想の新たな地平を拓く一冊
著者
丹羽一晃(著)
東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程修了、博士(学術)
大阪公立大学環境哲学・人間学研究所客員研究員
発売日
2026/2/20
版元
晃洋書房
18.明六社
森有礼、西周、福澤諭吉らが集った知的結社
概要(版元ウェブサイトより引用)
明治六(一八七三)年に結成された知的結社・明六社には、森有礼、西周、加藤弘之、中村正直、福澤諭吉ら明治初期を最も代表する知識人たちが結集。機関誌『明六雑誌』は、時代と切り結ぶ多様な主張を掲載し、論戦も展開した。本書は、彼らによる政体、家族、宗教、社会などの議論を通し、「啓蒙」集団という位置づけとは異なる実像を抉出。意外にも共通点は少なかった彼らの思想と行動から、近代日本の輪郭と可能性を描く。
著者
河野有理(著)
1979年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。日本政治思想史専攻。現在、首都大学東京法学系准教授。『明六雑誌の政治思想』(東京大学出版会、2011年)、『田口卯吉の夢』(慶應義塾大学出版会、2013年)、他。
発売日
2026/2/20
版元
中公新書
19.体の居場所をつくる
概要(版元ウェブサイトより引用)
摂食障害、ナルコレプシー、ALSなどの障害や病気の当事者。診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ――
本書に登場する11名は、体に「問題」を抱えながら、日々の工夫の積み重ねで、どのように「体の居場所」をつくってきたのか。
一人ひとりから出てくる言葉は、ときに文学のようにファンタジックで、そこには、その人の何十年分かの人生が結晶のように凝縮されています。それに耳をかたむけ、ともに悩み、混沌とした状況を進む手すりとなるような言葉を探すために伴走する――そうして綴られた、生きるための究極の工夫とは?
著者
伊藤亜紗(著)
1979年生まれ。美学者。東京科学大学未来社会創成研究院DLab⁺ ディレクター、リベラルアーツ研究教育院教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学(文学博士)。
主な著書に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社選書メチエ)、『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』(講談社学術文庫)、『体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』(文藝春秋)など多数。
第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞、第19回日本学士院学術奨励賞受賞。
発売日
2026/2/21
版元
朝日出版社
20. 子どもを選別するということ
概要(版元ウェブサイトより引用)
子どものDNAを「選ぶ」行為は倫理的にどこまで許される?
医療的介入とエンハンスメントとの境界はあるのか?
子どもを遺伝子的に選ぶ時代の倫理を、生命倫理学の第一人者が語る。
著者
ジョナサン・グラバー(著)
1941年英国生まれ。専門は哲学,倫理学。オックスフォード大学で学位を取得後,30年間,オックスフォード大学ニューカレッジで教鞭をとり,のちに(1998年から)キングス・カレッジ・ロンドンの医学法学倫理学センターでフェロー・講師を務め,現在はオックスフォード大学上廣実践倫理センターの特別研究員。2018年には生命倫理学者のE. エマニュエル,M. ウォーノックとともにダン・デイヴィッド賞を受賞している。著書に『未来世界の倫理――遺伝子工学とブレイン・コントロール』(加藤尚武・飯田隆監訳,産業図書,1996年)(原題 What Sort of People Should There Be?(1984))など多数。
発売日
2026/2/24
版元
ナカニシヤ出版
21. 被害者性の政治学
概要(版元ウェブサイトより引用)
本当の「被害者性」とはどこにあるのか?
#MeTooやBlack Lives Matter運動、COVID-19の問題が明らかにしたのは、もっとも脆弱な人々の声はたいてい聞き取られず、むしろ力を持った者たちの主張が重要となってしまうことだった。「被害者性」の公的な伝達にひそむ落とし穴を探し出し、本当に配慮を必要としている人々に配慮できるようになるための必読書。
著者
リリー・チョウリアラキー(著)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)メディア・コミュニケーション学部教授。
発売日
2026/2/26
版元
青土社
22. 移民の政治哲学
主権とグローバル正義の相克を越えて
概要(版元ウェブサイトより引用)
排外的な国境閉鎖でもなく、安易な国境開放でもなく。リベラルなナショナリズムで国家主権の責任を問う、新しい移民論の誕生。
「すべての人間の平等」と「国家の自己決定権」は両立するのか。移民をめぐるリベラリズムの行き詰まりに対し、本書は国家の「責任ある自己決定」という第三の道を提示する。主権とは絶対的な特権ではなく、国際社会への責任履行によって正当化される地位だ。国境開放論と国境閉鎖論の対立を越え、グローバル時代の正義と主権を写しだす。
著者
白川俊介(著)
1983年生まれ。関西学院大学総合政策学部を卒業。九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程修了,博士(比較社会文化)を取得。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て,現在: 関西学院大学総合政策学部教授,専門は政治理論,国際政治思想。主著:『 政治哲学――グローバル化のなかの共生倫理を考える』(法律文化社,2024年),マーガレット・ムーア『領土の政治理論』(単訳,法政大学出版局,2020年),『ナショナリズムの力――多文化共生世界の構想』(勁草書房,2012年)など。
発売日
2026/2/28
版元
勁草書房
デサイロでは、ニュースレターやTwitter、Instagramなどを利用して、プロジェクトに関わる情報を継続的に発信中。ご興味のある方はニュースレターの登録や各種SNSのフォローをお願いいたします。
■Twitter:https://twitter.com/desilo_jp
■Instagram:https://www.instagram.com/desilo_jp/
■バックナンバー:


























