Goldwin Field Research Lab.との共同プロジェクトが始動。「故郷とアイデンティティ」をテーマに研究者とアーティストによる作品制作/連載がスタート
人文・社会科学分野の研究者と多様なプロジェクトを生み出してきたアカデミックインキュベーター「デサイロ」は、8月よりGoldwin Field Research Lab.と共に新たなプロジェクトを始動します。
本プロジェクトでは「故郷とアイデンティティ」というテーマに対し、人文・社会科学分野の研究者がリサーチテーマを設定。そのテーマに対して研究者とアーティストが協働するかたちで、作品制作や論考の執筆に取り組みます。そのプロセスを『Field Research Lab』にて連載という形式で発信していきます。
「故郷喪失・ノスタルジー・原体験」をテーマに
連載の第1期でリサーチを担当するのは、哲学・宗教思想を専門とする関西学院大学准教授の柳澤田実さん、デジタルメディアを複合的に用いた美術作品の表現を追求してきたアーティスト/多摩美術大学美術学部准教授の谷口暁彦さんです。
なぜ、研究者とアーティストがコラボレーションするかたちでリサーチを行なうのでしょうか。そこには、本連載にて共同リサーチャーとして参加する一般社団法人デサイロの活動が紐づいてます。その経緯について、今回お声かけいただいたGoldwin Field Research Lab.メンバーの神田容佐さんは以下のように語っています。
今年4月にデサイロが開催した、人文・社会科学分野の研究者とアーティストがコラボレーションをして作品を発表するイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」に伺い、その内容と姿勢に強く共感したことから、主宰の岡田弘太郎さんにお声がけをさせていただきました。
企画段階で様々なテーマが挙がる中、私自身が故郷をはじめとする様々な対象への”ノスタルジー”という感情に関心があったこと、また本文でも記述されている通り、激動の時代を生きる我々、またさらに新しい世代にとっての故郷や地域性、そしてそのアイデンティティの持ち方について考えることは、Goldwinの新たな領域のヒントになり得ると感じたことから、このテーマに決定しました。
今回リサーチを担当いただく柳澤さんは、DE-SILO EXPERIMENT 2024にも参加。「we-ness 私たち性の不在とその希求」を研究テーマとして研究を進め、その成果を踏まえて、バンド「んoon」との楽曲制作や、映像作家Pennackyとラッパー/トラックメイカー荘子itとの映像制作/パフォーマンスに取り組んでいただきました。

本プロジェクトでは、「DE-SILO EXPERIMENT 2024」を発展させ、Goldwin Field Research Lab.とのコラボレーションにより学術研究と表現の往還をより深めていくことを試みます。デサイロではさまざまな企業とのコラボレーションにより、研究者を中心とした多様なプロジェクトを生み出せるように取り組んでいきますので、ご関心のある方はお声掛けください。また、連載「故郷とアイデンティティ」は随時更新予定ですので、Goldwin Field Research Lab.のウェブサイトをチェックしてみてください。
ナビゲータープロフィール
柳澤田実(やなぎさわ・たみ)
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。博士(学術)。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降Moral Foundation Theoryに基づく質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について、何かを神聖視する心理に注目しながら研究している。
谷口暁彦(たにぐち・あきひこ)
メディアアーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授。メディア・アート、ネット・アート、ゲーム・アート、パフォーマンス、映像、彫刻作品など、さまざまな形態で作品を発表する。主な展覧会に「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館、2016年)、「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、17年)など。企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、18–19年)にて共同キュレ―ターを務める。






