“東京らしい雑多さ”から「知」と「表現」の可能性を探った2日間──DE-SILO EXPERIMENT 2024開催レポート
4月13日と14日に開催された「研究」と「アート」が交差する2daysイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」が無事閉幕しました。ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
今回の取り組みは人文・社会科学分野の「研究」と「アート」の協働によって書籍や論文だけにとどまらない新しい知の流通回路をつくれるのではないか、というデサイロ設立時の中心的アイデアから始まりました。その構想ができ始めたのが2022年初頭で、約2年がかりで今回のイベントに結びつきました。
本イベントでは、人文・社会科学分野の4人の研究者が「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を考えるための研究テーマを設定し、そのテーマに基づきコラボレーターとなる計11組のアーティストが作品を制作。展示、パフォーマンス、トークセッション、ワークショップの4つのコンテンツを通じて、研究とアートの融合を展開していくという試みでした。
研究から立ち上がった豊かな知と、それに触発されたアーティストの作品やパフォーマンスを通じて、参加者の皆さまがさまざまな問いや気づきを持ち帰っていただけていれば幸いです。ぜひXやInstagramなどで #desiloexp のハッシュタグを用いて感想やコメントなどを投稿いただけたら幸いです。
WALL&WALLにて実施された「パフォーマンス」では、メディアアート、音楽、映像などの多様な表現と「研究知」が交差して生まれた作品を起点としたライブパフォーマンスが行われました。
また、同会場で行われた「ワークショップ」では、小説をもとに来場者自らが「身体の未来像」を考えるワークショップが行われました。
ここで用いられた小説とは、人類学者の磯野真穂さんが設定した研究テーマ「21世紀の理想の身体」に関する研究内容をベースに、磯野さん自身が「身体の未来」を提示する2編の小説を制作。その物語を読んだ松田青子さん、李琴峰さん山内マリコさんという3名の小説家が、それぞれの視点からオリジナルの短編小説を1編ずつ書き下ろしました。
パフォーマンスやワークショップに紐づいて実施された「トークセッション」では、研究テーマの解説や、研究テーマをいかに解釈し表現に落とし込んだのか。研究者とアーティストがコラボレーションすることで生まれたパフォーマンスや作品について振り返りました。
OMOTESANDO MUSEUMでは、研究成果や、研究成果を解釈して生まれた作品を体感できる「展示」が行われました。
「寄付へのリターン」としての書籍販売
今後、デサイロのPodcast、新規開設のYouTubeチャンネルにてイベントレポートやライブ映像を公開予定です。もしよろしければ、ぜひフォローをお願いします。
■Podcast
■YouTube
https://www.youtube.com/@DE-SILO
また、アーティストたちとの協働プロセスの中で、研究テーマを深めていった4名の研究者による最終成果をまとめた書籍を限定1,000部で出版します。一般販売はせず、サポート(寄付)への返礼としてみなさまのお手元にお届けするもので、下記のリンクから予約が可能になっています。
https://de-silo.notion.site/De-Silo-c1433663965045c0ac638cdee5ebe442
今後も、私たち一般社団法人デサイロは、アカデミアの知を媒介に、次なる社会や文化、人間の有り様を見通すためのさまざまなプロジェクトを展開予定です。