2025年1月20日、アメリカで第2次ドナルド・トランプ政権が発足しました。発足初日、パリ条約からの脱退、米国第一の貿易政策、国境への軍隊派遣による移民抑制策など、さまざまな大統領令が発令され、アメリカ社会・政治がダイナミックに変化していくことが示されました。
実験国家とも称されるアメリカは近年、民主・共和両党において主流派のプレゼンスが低下し、左右のポピュリズムが台頭することで、その極の振り子の動きがより大きくなっています。こうしたなか、日々変化する現状理解も重要です。しかし、そもそもアメリカが建国以来どのような変遷でいまに至り、その行動を支える原理・原則、精神性、思想的/宗教的基盤をひも解くことで、より深い現状理解に至れないか──。
そのような課題意識のもとで、アメリカのこれからを考えていくレクチャープログラム「アメリカン・ダイナミズムの精神史」を4月10日から全7回シリーズで開講します。政治、宗教、哲学、思想史などの多分野の研究者の方々と議論を深めていく本シリーズの詳細は、下記をご覧ください。
本記事では、激動のアメリカ社会・政治の源流をひも解くための15冊をセレクトしました。このリストに掲載されている書籍を副読本として、ぜひレクチャープログラムにもご参加ください。
1.混迷のアメリカを読みとく10の論点
概要(版元ウェブサイトより引用)
経済的にも政治的にも分断が進む、超大国アメリカ。
選挙や議会制度のしくみから、中間層の喪失と経済、政治不信、文化戦争、対外関係など、世界が注目するアメリカの課題を、10の論点からあぶりだす。
著者
西山隆行 (著/文)
成蹊大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著作:『<犯罪大国アメリカ>のいま―分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治―ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』(東京大学出版会、2008年)ほか。
前嶋和弘(著/文)
上智大学総合グローバル学部教授、アメリカ学会会長(22-24年)。上智大学外国語学部英語学科卒、ジョージタウン大学大学院政治学部修士課程修了(MA)、メリーランド大学大学院政治学部博士課程修了(Ph.D.)。主要著作:『キャンセルカルチャー―アメリカ、貶めあう社会』(小学館、2022年)、『アメリカ政治とメディア』(北樹出版、2011年)、『アメリカ政治』(共著、有斐閣、2023年)ほか。
渡辺将人 (著/文)
シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)。米下院議員事務所・上院選本部、テレビ東京記者などを経て、北海道大学大学院准教授。コロンビア大学、ジョージワシントン大学、台湾国立政治大学、ハーバード大学で客員研究員を歴任。現在、慶應義塾大学総合政策学部准教授。北海道大学公共政策研究センター研究員兼任。専門はアメリカ政治。受賞歴に大平正芳記念賞、アメリカ学会斎藤眞賞ほか。近著『大統領の条件』(集英社文庫、2021年)、『アメリカ映画の文化副読本』(日経BP、2024年)、『台湾のデモクラシー』(中公新書、2024年)ほか著訳書多数。
発売日
2024/10/1
版元
慶應義塾大学出版会
2.それでもなぜ、トランプは支持されるのか: アメリカ地殻変動の思想史
概要(版元ウェブサイトより引用)
南北戦争以来の「内戦」は起こるのか。
ウクライナは見放されるのか。
日米安保は破棄されるのか。
第一次トランプ政権の終焉、バイデン当選、「Qアノン」による連邦議事堂襲撃から約4年。
次期大統領選に向けた皮切りとなるアイオワ州共和党予備選(24年1月)で大差の勝利を得たトランプ。
日本から見ていると信じられないかもしれないが、アメリカ共和党内では依然として圧倒的支持を得ており、共和党大統領候補として選ばれることが確実視されている。
一方で前回大統領選後の議事堂襲撃を扇動した罪などで司法からは多数の刑事訴追をされており、このまま何事もなく選ばれていくのかを疑問視する声もある。
それでもなぜ、彼はこれだけ支持を集めているのだろうか。
トランプ現象の本質を最も早く見抜いたアメリカ・ウォッチャーの第一人者が、アメリカ政治に起きている地殻変動と、建国以来の保守思想がその源流にあることを明らかにしていく。
著者
会田 弘継 (著/文)
ジャーナリスト・思想史家。1951年生まれ。東京外国語大学英米語科卒業。共同通信社ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。その後、青山学院大学教授、関西大学客員教授を務め現在に至る。著書に『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ『政治の起源』『政治の衰退』(いずれも講談社)、同『リベラリズムへの不満』(新潮社)、ラッセル・カーク『保守主義の精神』(中公選書)など。『週刊東洋経済』の「Inside USA」連載中。
発売日
2024/7/10
版元
東洋経済新報社
3.アメリカの政治 第2版
概要(版元ウェブサイトより引用)
分極化を示す「争点」からみる、ポスト・トランプ、ポスト・コロナのアメリカ
トランプ政権を経てバイデン政権に至っても、依然として分極化の様相を強めるアメリカ政治。本書は、その沿革や基本的な統治構造を押さえたうえで、人種や宗教、移民、そして格差をはじめ、銃規制や人工妊娠中絶などの社会的争点、世界を動かすその財政・金融、科学や環境をめぐるイデオロギー対立といった諸側面から「それぞれのアメリカ」に切り込む、ユニークなアメリカ政治の入門書です。何がどのような文脈で争点化し、それら様々な争点をめぐってどのような主体がいかなる立場で政治過程に関与し、どのような政策が作られ、執行されてきたのかに力点を置くことで、変わりゆくアメリカ政治を多面的に理解できる一冊が、コロナ禍やバイデン政権発足後の動向をカバーした第2版に!
著者
岡山 裕 (編集)
慶應義塾大学法学部教授(2023年12月現在)
西山 隆行(編集)
成蹊大学法学部教授(2023年12月現在)
発売日
2024/2/13
版元
弘文堂
4.アメリカ文化入門[新版]
概要(版元ウェブサイトより引用)
各分野の専門家がわかりやすくアメリカ文化を紹介。地理、自然環境、歴史、文学、宗教と生活、美術、音楽、映像文化、メディア、スポーツ身体文化、大統領と政治経済、ジェンダーなど多岐にわたる。巻末に詳細な資料を付録として掲載。『アメリカ文化入門』の内容を見直し、情報を刷新。
著者
杉野健太郎 (責任編集)
稲垣伸一 (著)
諏訪部浩一 (著)
西山隆行(著)
山口和彦 (著)
下楠昌哉(著)
荒川裕子(著)
飯岡詩朗(著)
大野美砂(著)
倉科一希(著)
舘 健太郎(著)
立入正之 (著)
中田 崇(著)
ジョセフ・ラウアー(著)
発売日
2023/5/31
版元
三修社
5.アメリカ大統領とは何か: 最高権力者の本当の姿
概要(版元ウェブサイトより引用)
アメリカ大統領――。
その地位を手に入れた人物は世界で最も強大な権限を持つということは間違いない。
2017年、ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。“アウトサイダー”とされる人物がワシントンD.C.に乗り込み、就任早々からおびただしい数の「大統領令」を出した。しかし、野心家のトランプ氏のやる気を削ぐようかのように、議会や党本部などは大統領令を認めず、さまざまな軋轢を引きおこした。これはトランプ氏本人に難があるわけではない。その前のオバマしかり、現職バイデンも議会などと対立し、政権運営を行ってきたのである。つまり、大統領といえども、すべての権力を手に入れたわけではないのだ。
その一方で、アメリカ大統領の仕事を理解している人はどのくらいいるだろうか。大統領がなんらかの失策やその権限を行使できないとき、大統領は国民からバッシングを受ける。しかし、アメリカ国民はもとより、われわれ日本人もアメリカ大統領の仕事(権限)についてよく理解していないのではなかろうか。
本書では「大統領の権限」「連邦議会と行政部門」「連邦制」「裁判所」「選挙・世論・メディア」「政党と利益集団」「対外政策」、そして「偉大さ」の観点からアメリカ大統領、ならびにアメリカ政治について解説する。
著者
西山 隆行(著/文)
1975年生まれ。成蹊大学法学部教授。専門は比較政治・アメリカ政治。主な著書に、『アメリカ型福祉国家と都市政治――ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』(東京大学出版会)、『マイノリティが変えるアメリカ政治――多民族社会の現状と将来』(共編著、NTT出版)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま――分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂)、『移民大国アメリカ』『アメリカ政治講義』(いずれもちくま新書)がある。
発売日
2024/9/17
版元
平凡社
6.理念の国がきしむとき- オバマ・トランプ・バイデンとアメリカ
概要(版元ウェブサイトより引用)
3人の大統領の下で激しく変貌する米国と対峙した、中山俊宏最後の6年間の思索の集成。
著者
中山 俊宏 (著/文)
慶應義塾大学総合政策学部教授、国際政治学博士。
1967年生まれ。気鋭の国際政治学者(アメリカ政治外交、アメリカ政治思想)として、メディアで活躍。防衛省参与、日本国際問題研究所客員研究員などを歴任するも、2022年5月、くも膜下出血で急逝。
発売日
2023/4/6
版元
千倉書房
7.アメリカを動かす宗教ナショナリズム
概要(版元ウェブサイトより引用)
アメリカの人口の3分の1を占める「福音派」とは何か? 政治、経済、外交にまで影響を与える宗教ロビーの役割を解説。バイデン新大統領誕生の秘密にも迫る。
著者
松本 佐保(著/文)
名古屋市立大学教授
発売日
2021/2/8
版元
筑摩書房
8.ファンタジーランド: 狂気と幻想のアメリカ500年史
概要(版元ウェブサイトより引用)
ニューイングランド幻想、ジェファーソン:独立宣言、西部開拓:フロンティア精神、フォード:大量生産モデル、ディズニー:夢の王国建設、ケネディ:宇宙計画……
アメリカとは何か!? なぜトランプ政権を生み出したのか!?
新世界を信じた夢想家たちとその末裔が創り上げた、狂信者の国家の物語
著者
カート アンダーセン(著/文)
ベストセラーとなった小説『Heyday(絶頂期)』『世紀の終わり――ニューヨーク狂想曲』(早川書房、2000年)『True Believers(狂信者)』の著者。『バニティ・フェア』誌や『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄稿し、『タイム』誌や『ニューヨーカー』誌で文化コラムや評論を担当しているほか、ラジオおよびポッドキャスト番組『スタジオ360』(ピーボディ賞受賞)の共同制作者兼ホストを務め、テレビや映画、舞台の脚本も担当している。『スパイ』誌の共同創設者、『ニューヨーク・マガジン』誌の編集長でもある。ハーバード・カレッジをきわめて優秀な成績で卒業しており、在学中は『ハーバード・ランプーン』誌の編集に携わっていた。現在はブルックリン在住。
山田 美明 (翻訳)
英語・フランス語翻訳家。東京外国語大学英米語学科中退。訳書に『ありえない138億年史』(光文社)、『ゴッホの耳』(早川書房)、『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』(共訳、集英社)など。
山田 文(翻訳)
翻訳家。イギリスの大学・大学院で西洋社会政治思想を学んだのち、書籍翻訳に携わる。訳書に『3つのゼロの世界』(早川書房)、『ヒルビリー・エレジー』(共訳、光文社)など。
発売日
2019/1/18
版元
東洋経済新報社
9.リアル・メイキング:いかにして「神」は現実となるのか
概要(版元ウェブサイトより引用)
神など信仰の対象になる、目に見えない存在は、信者にとっていかにして「リアル」になるのか。そのメカニズムを福音派をはじめとする宗派へのフィールドワークをもとに文化人類学的に考察する。
2025年2月2日『読売新聞』書評掲載(11面文化面 本よみうり堂) 、評者:奥野克巳氏(人類学者・立教大学教授)
著者
ターニャ・M・ラーマン (著/文)
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について研究している。
柳澤田実 (翻訳)
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について研究している。
発売日
2024/11/26
版元
慶應義塾大学出版会
10.アメリカを作った思想 ――五〇〇年の歴史
概要(版元ウェブサイトより引用)
「新世界」に投影された諸観念が合衆国を作り、社会に根づき、そして数多の運動を生んでゆく――。アメリカ思想の五〇〇年間を通観する新しい歴史。
===
発端において、アメリカは、ヨーロッパの探検者たちが「新世界」に投影した一群の諸観念であった。それらはいかにして合衆国を築き、どのような運動を生み出していったか――。本書は、アメリカ人たちが紡いできた思想的生の物語を、国や時間や文化の境界を越える横断の歴史として描く。思想史とは、時代の問題と向きあった人びとの行為選択から彼らの知的背景を読みとること、そして彼らが生きた経験へ近づくことである。ピューリタニズムからポストモダニズムまで、あるいはトマス・ジェファソンからリチャード・ローティまで、アメリカ史に作用した観念の力を概説する画期的思想史入門。
===
著者
ジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲン (著/文)
ウィスコンシン大学マディソン校歴史学教授。2003年にブランダイス大学よりPh.D.を取得。専門はアメリカ思想史、アメリカ文化史。著書に、『アメリカのニーチェ』(法政大学出版局)など。
入江 哲朗 (翻訳)
1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員PD(国際基督教大学)。専門はアメリカ思想史、映画批評。著書に、『火星の旅人』(青土社)など。
発売日
2021/7/12
版元
筑摩書房
11.アメリカ哲学入門
概要(版元ウェブサイトより引用)
アメリカ哲学の真髄とは何か。代表的な思想を時代にそって概観する定評ある入門書であるとともに、従来哲学史観に挑戦する画期の書。
教育的配慮のいきとどいた入門書であるとともに、アメリカ哲学を保守的・硬直的・静態的な定義から解放することをめざす、挑戦の書。ジョナサン・エドワーズ、建国の父たち、プラグマティストらに加えて、女性、黒人、ネイティヴ・アメリカンといったアイデンティティをもつ論者についても積極的に採り上げて、あらたな歴史観を示す。
【原著】Nancy A. Stanlick, American Philosophy: The Basics(Routledge, 2013)
著者
ナンシー・スタンリック(著/文)
アメリカ合衆国の哲学者。1981年にサウス・フロリダ大学哲学科を卒業後、同大学で1983年に修士号(M.A.)、1995年に博士号(Ph.D.)をそれぞれ取得。1987年にセントラル・フロリダ大学で教鞭をとり始める。現在、同大学哲学科教授・学科長。アメリカ哲学、倫理学・社会哲学、トマス・ホッブズが専門。2015年より『インターネット哲学百科事典』(Internet Encyclopedia of Philosophy, IEP)アメリカ哲学関連記事の責任編集者を務めている。『アメリカ哲学入門』(American Philosophy:The Basics, 2013〔単著〕)、『デジタル倫理を理解する:事例と文脈』(Understanding Digital Ethics: Cases and Contexts, 2019〔共著〕)、トマス・ホッブズ『エッセンシャル・リヴァイアサン:現代語訳』(The Essential Leviathan:A Modernized Edition, 2016〔共編〕)
藤井 翔太 (翻訳)
1987年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。テンプル大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)。M.S.Ed. (TESOL)。現在、テンプル大学ジャパンキャンパス アカデミック・アドバイザー/講師。訳書に『認知行動療法の哲学:ストア派と哲学的治療の系譜』(共監訳、金剛出版、2022年)、『アメリカ高等教育史:その創立から第二次世界大戦までの学術と文化』(共訳、東信堂、2023年)などがある。
発売日
2023/10/2
版元
勁草書房
12.メタフィジカルクラブ――米国100年の精神史
概要(版元ウェブサイトより引用)
南北戦争は連邦存続と奴隷解放のために戦われたと理解されがちだが、実際は
イデオロギー対立の殺し合いによる解消という側面が強い。62万の戦死者を出して
維持された連邦、民主主義とは、一体何だったのか。
この反省に立脚し、現代に至る米国精神の礎石を築いた若き哲学者たちがいた。
後の合州国最高裁判事オリヴァー・ウェンデル・ホウムズ、心理学者ウィリアム・
ジェイムズ、論理学者チャールズ・サンダース・パース、教育学者ジョン・デューイである。
ときに反目した彼らの思想は次の一点で一致していた。すなわち「思想は決してイデオロ
ギーに転化してはならない」。
彼らは米国の近代化に大きな役割を果たしただけでなく、教育、民主主義、自由、正義、
寛容についての米国人の考えを変えた。その思想「プラグマティズム」胚胎の場が「メタ
フィジカル・クラブ」――形而上学批判の意味を込めて命名され、彼らが集った議論集会
であった。本書は、歴史上に一瞬あらわれたこの幻のような集会を象徴的中心として、
米国100年の精神史を見事に描き切っている。米国研究の要として名高い、現代の古典である。
著者
ルイ・メナンド(著/文)
1952年ニューヨーク生まれ。アメリカ研究者。英米文学者。ニューヨーク市立大学大学院教授等をへて現在ハーヴァード大学教授。2001年より雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターもつとめる。本書Metaphysical Club により2002年にピューリツァー賞歴史部門を受賞。他の著書にDiscovering Modernism: T. S. Eliot and His Context (1987), American Studies (2002), The Marketplace of Ideas (2010). 編書にThe Future of Academic Freedom (1996), Pragmatism: A Reader (1997) がある。
野口良平(翻訳)
哲学、精神史、言語表現論。著書に『「大菩薩峠」の世界像』(平凡社 2009、第18回橋本峰雄賞)、『幕末的思考』(みすず書房 2017)。論考に「『メタフィジカル・クラブ』の周辺」、「列島精神史序説」など。訳書に、マイケル・ワート『明治維新の敗者たち』(みすず書房、2019)がある。
那須耕介 (ナスコウスケ) (翻訳)
法哲学。著書に『法の支配と遵法責務』(勁草書房 2020)、『多様性に立つ憲法へ』(編集グループ〈SURE〉 2014)など。共訳書に、キャス・サンスティーン『熟議が壊れるとき』(勁草書房 2012)、ヤシャ・モンク『自己責任の時代』(みすず書房 2019)がある。2021年死去。
石井素子 (イシイモトコ) (翻訳)
教育社会学。共訳書に、ピエール・アンサール『社会学の新生』(藤原書店 2004)、ボードロ/エスタブレ『豊かさのなかの自殺』(藤原書店 2012)がある。
発売日
2011/8/20
版元
みすず書房
13.アメリカ保守主義の思想史
概要(版元ウェブサイトより引用)
もうひとつの社会改革思想
戦後アメリカの保守主義は、「保守」という呼称に反して、アメリカ社会の改革をめざす思想だった。それは、共産主義やリベラリズムとは異なる社会改革を模索する思想であり、思想の枠を越えたひとつの運動でもあった。オールドライト、ニューライト、ネオコン、ペイリオコン、ナショナル・コンサーヴァティズム、リフォーミコン……。その思想と運動を担った一人ひとりの生涯と、その根底をなす哲学や宗教へと深く分け入り、「トランプ以前」の知られざる戦後アメリカ史を描く。
著者
井上弘貴(著)
1973年東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。博士(政治学)。自治体非正規職員、早稲田大学政治経済学術院助教、テネシー大学歴史学部訪問研究員などを経て、神戸大学国際文化学研究科准教授。専門は、政治理論、公共政策論、アメリカ政治思想史。著書に『ジョン・デューイとアメリカの責任』(木鐸社)、訳書にP・ギルロイ『ユニオンジャックに黒はない―人種と国民をめぐる文化政治』(月曜社、共訳)、J・ギャスティル、P・レヴィーン編『熟議民主主義ハンドブック』(現代人文社、共訳)など。
発売日
2020/11/5
版元
青土社
14.アメリカは自己啓発本でできている: ベストセラーからひもとく
概要(版元ウェブサイトより引用)
「なまじの利口にゃわからない。さりとて阿呆では読み取れない。知の遊園地のような本です。」
――糸井重里さん推薦!!
アメリカンドリーム、スピリチュアル、宗教的熱狂、超健康志向、ポジティブ思考……。
建国の父フランクリン『自伝』からはじまる自己啓発本のベストセラーから見えるアメリカ。
著者
尾崎 俊介(著/文)
1963年神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程単位取得。現在、愛知教育大学教授。専門はアメリカ文学・アメリカ文化。著書に『紙表紙の誘惑』(研究社)、『アメリカをネタに卒論を書こう!』(愛知教育大学出版会)、『S先生のこと』(新宿書房、第61回日本エッセイスト・クラブ賞)、『ホールデンの肖像』(新宿書房)、共著に『アメリカ文化史入門』(昭和堂)、『英語の裏ワザ』(愛知教育大学出版会)などがある。
発売日
2024/2/24
版元
平凡社
15.ポジティブ病の国、アメリカ
概要(版元ウェブサイトより引用)
プラス思考が至上命令とされ、なんでもかんでも「ポジティブ・シンキング」で思考停止に陥っているアメリカの、笑うに笑えない病根を鋭くえぐる!「ニューヨーク・タイムズ」紙も絶賛!
著者
バーバラ・エーレンライク(著)
1941年モンタナ州生まれ。著書に『われらの生涯の最悪の年』『「中流」という階級』『ニッケル・アンド・ダイムド』『捨てられるホワイトカラー』『スーパーリッチとスーパープアの国、アメリカ』など。
中島 由華(翻訳)
翻訳家。訳書に、P・D・スミス『都市の誕生』、J・ボイコフ『オリンピック秘史』、M・O・スラヒ『グアタナモ収容所 地獄からの手記』、A・キーン『インターネットは自由を奪う』など多数。
発売日
2010/4/10
版元
河出書房新社
人文・社会科学の知を頼りに、いま私たちが生きている時代やこれから社会が直面する課題を考えるレクチャーシリーズ「Academic Insights」。これまで、「日常美学」や「無知学」「ジェンダード・イノベーション」といった鍵となる概念に依拠しながら、多くの受講生とともに、いまの時代と社会を考えるヒントを探ってきました。
2025年4月から6月にかけて、約3ヶ月にわたる新シリーズが始まります。テーマは、「アメリカン・ダイナミズムの精神史」。第2次トランプ政権発足以降、激動するアメリカの現在地とその源流を、政治学、哲学、宗教学、思想史の研究者とともに読み解いていくシリーズです。
各回では、トランプ支持基盤のひとつであるキリスト教福音派(キリスト教保守)から宗教再台頭の時代に迫ったり、アメリカを支えてきた哲学思想「プラグマティズム」や、トランプ以前に脈々と受け継がれてきた保守主義の思想史を考えたりと、アメリカの「いま」を考えるための論点を一つひとつ深ぼっていきます。
■価格
一般参加:全7回で19,980円(税込)
De-Silo Online Membership会員:無料
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■申し込み方法
一般購入:
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