「ともに学びを深める場」を育てていくために【一般社団法人デサイロ活動報告:2025年8月】
一般社団法人デサイロとして、活動報告のニュースレターを毎月お送りすることにしました。今回は、2025年8月の活動報告と9月の活動に関して。
■コラム
「ともに学びを深める場」を育てる
デサイロのニュースレター購読者及びメンバーシップにご参加いただいている皆さん、いつもありがとうございます。一般社団法人デサイロ代表理事の岡田弘太郎です。
今月から、月に1回、皆さんにデサイロの最近の活動についてお知らせするニュースレターをお送りできればと考えております。
デサイロとしても企業・大学とご一緒するプロジェクトも多くなるなかで、特にサポートいただいている皆さんに活動の方向性や近況についてご共有することで、ともにデサイロというエコシステムを豊かにしていければと思っています。
8月は、デサイロとして協働しているJT D-LAB「心の豊かさ」研究のプロジェクト「声遊楽」クロスダイアローグが始まりました。また、弊団体が運営するAcademic Insightsでは「移動格差」と「政治とエンタメの融解を『ファン』から捉える」という2つのテーマをお送りしました。
企業や大学とのプロジェクトの一環として、その成果を対外的にコミュニケーションする際にオーディエンスの皆さんに参加してもらうこと(つまりはイベントに近しい形態のもの)が多いわけですが、その際に大切にしてるのは「ともに学びを深める場をつくること」だと最近考えるようになりました。
例えば、表象文化論、ファン研究の渡部宏樹さんにご登壇いただいたAcademic Insights「「エンタメ」と「政治」が融解した時代を、「ファン」からひもとく」では、渡部さん自身が参加型文化に関する研究をしている背景もあり、オーディエンスの能動性を引き出し、活発な議論が行われるイベントとなりました。
もちろん、さまざまな状況を踏まえて参加には濃淡があり、ながら視聴をする方の参加も大歓迎です。Academic Insightsの場合は、学知の蓄積やその学問分野のフレームを通じて、いま社会が直面している課題や私たちが置かれている状況を考えることを重視しています。もちろん課題は複雑で、簡単に答えが出るものではないからこそ、出演者もオーディエンスも、ともに考える/新しい論点や問いを発見するといった態度をもつことが、いまの時代において改めて重要ではないかと考えるようになりました。
そうした「ともに学んでいく・議論していく」ために私たちが運営しているのが、月額制の「De-Silo Online Membership」のプログラムです。ともに学びを深めていく場づくりを面白がってくれる方、参加したいと思ってくれる方は、ぜひ会員になっていただければ幸いです。先述のAcademic Insightsシリーズの参加費が無料になったり、過去のアーカイブ動画が見放題になったりするなど、さまざまな特典もあります。
9月から年末にかけては、米国のシンクタンクや国内大学と連携して取り組んできたプロジェクトも公開される予定です。またニュースレターでお知らせしますので、引き続きデサイロの活動にご参加いただければと思います。
■8月の活動
「声遊楽」クロスダイアローグ 第1回を開催
デサイロでは、JT D-LAB「心の豊かさ」研究のプロジェクト「声遊楽」の運営や対外コミュニケーションを支援しています。その一環として、声をめぐる問いについて、研究者・企業人・表現者が対話を重ねるシリーズ・「声遊楽」クロスダイアローグが始まりました。
第1回は「シリアスレジャーとしての「声遊楽」プロジェクト──研究からの文化創造を構想する」をテーマに、シリアスレジャーに関する研究に取り組まれてきた杉山昂平さん、バーチャル美少女ねむさんらをお迎えしました。デサイロの岡田も登壇しています。
Academic Insights #13, 14を開催
人文・社会科学分野の知を頼りに、いま私たちが生きている時代や社会について考えを深めていくレクチャーシリーズ「Academic Insights」。8月は表象文化論/ファン研究者の渡部宏樹さん、社会学者の伊藤将人さんをお迎えし、活発な議論が行われる場となりました。
FoodScopes 第4~5回を開催
食に関わるビジネスパーソン・事業家向けレクチャーシリーズ「FoodScopes」。第4, 5回はそれぞれ、「食とコミュニティ」、「食と都市・ローカル」をテーマに、食によって集団がいかにかたちづくられるのか、そして私たちはどんな場所で何を食べてきたのか、に関してレクチャー及び参加者との議論が行われました。
■9月の活動
Field Report #001
Goldwin Field Research Lab.の1周年記念イベント「Field Report #001」が2025年9月5日(金)〜9日(火)にて実施されます。デサイロはGoldwin Field Research Labとコラボレーションし、約1年間にわたって「故郷とアイデンティティ」に関するリサーチを実施してきました。
会期中の9月6日(土)に、その成果をお披露目するワークショップとトークイベント/作品上映会を実施します。ワークショップの席数は埋まってしまったのですが、トークイベント/作品上映会については参加者を募集しています。
皆さんとともに今回のテーマを考えていく機会にできればと思いますので、ぜひ会場に足を運んでいただければ幸いです。会場限定の配布冊子もあり、それも合わせてお楽しみください!
Academic Insights #15, 16
人文・社会科学分野の知を頼りに、いま私たちが生きている時代や社会について考えを深めていくレクチャーシリーズ「Academic Insights」。
今月は9月19日(金)に日米文化史研究者の阿部幸大さんを、9月25日(木)に宗教学研究者の高橋沙奈美さんをそれぞれお迎えします。詳細は明日配信予定のニュースレターをご覧ください。
「声遊楽」クロスダイアローグ 第2回
声遊楽 第2回は「公共の場における「声」はいかに設計・実装されるべきか?」をテーマに音響工学研究者の浅川香さん、図書館情報学研究者の岡部晋典さんらをお迎えします。配信の詳細は下記をご覧ください。
■今月の1冊
『定本 ラバーソウルの弾みかた──ビートルズと僕らの文明』(著・佐藤良明)
<内容>
1960年代のカウンターカルチャーが清教徒革命、産業革命に匹敵する巨大な「精神の変容」を伴ったことを活写した記念碑的著作を全面改稿。2020年代まで射程を広げ、後期資本主義のエートスを描き直す。
<一言コメント>
日本ポピュラー音楽学会や表象文化論学会の会長も務められた佐藤良明さんによる著書。1960年代のカウンターカルチャーが私たちの文明に与えた影響を考察している一冊です。デサイロでいつもプロジェクトをご一緒している哲学・宗教思想の研究者である柳澤田実さんに教えていただきました。
本を読みながら考えていたのは、その時代において人々の価値観や、「文明」のあり方に大きな影響を与えるムーブメントや場所とは何か?ということでした。覇権国家としての米国が衰退し、多極化世界への移行についてさまざまな識者が指摘するなか、この2020年代以降、文明に大きな影響を与えるムーブメントはどこから生まれるのか?にとても関心があります。
ここ日本において、2025年を象徴する場所のひとつは大阪・関西万博だと思いますが、なかでも文明スケールでの人類の変化を描き出そうとしていたのが、メディアアーティスト・落合陽一さんのシグネイチャーパビリオン「null²」でした。私個人としては、さまざまなパビリオンをまわるなかで「次なる社会像、未来像」があまり見えないなか、「null²」だけは鮮烈なビジョンを描き出していました。
話が少し広がりすぎてしまいましたが、カルチャーと文明の関わりを考える上で、『定本 ラバーソウルの弾みかた──ビートルズと僕らの文明』も、「null²」もおすすめです。
■「De-Silo Online Membership」参加者募集中!
デサイロでは「研究“知”とともに次なる社会を構想する」をテーマとした会員制コミュニティ「De-Silo Online Membership」を運営しております。
第一線で活躍する研究者の方々によるレクチャーやディスカッションなどを通じて、新たなる知が生まれる現場をともに体感いただけます。
メンバーシップの加入者には、以下の特典があります。
1.レクチャーシリーズ「Academic Insights」への無料参加 ※
2.「Academic Insights」過去回のアーカイブ動画(一部を除く)が見放題
3.デサイロ主催イベントへの割引参加
▶▶▶会員制コミュニティ「De-Silo Membership」へのご加入はこちら
■プロジェクトのご依頼・ご相談について
デサイロでは、さまざまな企業・大学向けに以下のようなソリューションを提供しています。協業についてご検討いただける方は、お気軽にお問い合わせください。
1.Academic Incubation|企業・大学の研究/実装プロジェクトのインキュベーション
2.Research & Consulting|“研究”知を起点とした企業変革支援
3.Co-Creation & Space Design|“研究”知を起点とした共創の場づくり
Photo by Pawel Czerwinski on Unsplash














