【9/10開催】「無知新世」の時代を読み解く──科学史研究者 鶴田想人【Academic Insights #2】
レクチャーシリーズ「Academic Insights」の最新回が参加申込スタート。第2回は、科学史研究者の鶴田想人さんが登壇。9/10(火)20時より、オンラインにて無料開催する。
人文・社会科学領域における「概念」や「アイデア」をよすがに、気鋭の研究者とともに、いま私たちが生きている時代あるいは社会がこれから直面する課題を読み解いていくレクチャーシリーズ「Academic Insights」。気鋭の人文・社会科学領域の研究者に、いまの時代を読み解くカギとなる「概念」や「アイデア」を提示していただき、来たるべき社会の探索と構想のヒントを探究します。
第2回に登壇するのは、「作られた無知」という視点から歴史を見る「無知学(アグノトロジー)」を専門とする、科学史研究者の鶴田想人さんです。
急激な気候変動に対する応答が喫緊の課題となっている現代。人間の活動によって地質や生態系に大きな影響が及ぼされていることを指す「人新世」という言葉も、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、その原因を単に「科学技術」のみに還元する見方は、本当に適切なのでしょうか?
「自然の有限性や人間活動の環境への負荷について『無知』にされた私たち」──こうした視点を提示するのが、今日の時代を際限のない発展が可能であるかのような「無知」が作り上げた時代として捉える「無知新世」という概念です。
9/3に本ニュースレターで配信予定の寄稿記事では、「無知新世」についてこう論じてくれました(強調:編集部)。
科学者が善良に振る舞って「有用な」知識を生み出すときでさえ、その知識が長期的にはある一面において「無知」を作り出すことがある、ということを問題にしているのだ。無知学において「非意図的な無知」と呼ばれるこうした現象こそ、実は非常に大きな帰結を伴いうる
今日でも、「(はっきりとは)わからない」ことを理由に「何もしない」ことを正当化する言説は散見される。「知は力なり」というが、無知もまた「力」になることがある。知らないことが自らの力になることもあるが、たいていはそれを知らせない(力をもった)者たちの力となる
そもそも「無知新世」とは何なのか? 「無知新世」というレンズから見えてくる現代の問題とは? またそれはいわゆる「陰謀論」とは、どのように異なるのか?──「無知新世」という概念、そしてその現代的意義や可能性について、本イベントでは、鶴田さんより直接レクチャーいただきます。
人新生や環境危機、そして戦争といった現代社会で今まさにリアルタイムで深刻化しつつある諸問題を読み解く新たなレンズを獲得していくような時間にできればと思っておりますので、ぜひふるってご参加ください。
■イベント日時
2024年9月10日(火) 20:00〜21:30@Zoomウェビナー
■イベント参加申し込み(無料)
以下のGoogleフォームより、必要事項を記入のうえ、参加申込をお願いいたします。
▶▶▶9/10 Academic Insightsの参加申込はこちら
※イベント参加にはニュースレターへの登録が必須となります※
※配信リンクに関しては、お申込みフォームに記入いただいたメールアドレスに、後日お送りいたします※
■イベント内容
20:00-20:50:鶴田さんによる「無知新世」概念のレクチャー
20:50-21:30:モデレーターによる深堀り、参加者の皆様からの質疑応答
■登壇者プロフィール
鶴田想人(つるた・そうと)
専門は科学史・科学論。1989年生まれ。大阪大学社会技術共創研究センター特任研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。修士(学術)。共編著に『ジェンダード・イノベーションの可能性』(明石書店)、共訳にロンダ・シービンガー『奴隷たちの秘密の薬』(工作舎)。近年は無知学(アグノトロジー)の研究・紹介に努め、現在明石書店より共編著『無知学への招待』を準備中。
■モデレータープロフィール
小池真幸(こいけ・まさき)
De-Silo 編集統括。編集者。人文・デザイン・暮らしといった領域を中心に、研究者やクリエイターと協働しながら、ウェブメディアから紙媒体まで幅広くメディアづくりやコンテンツ制作に携わっています。最近の活動場所:PLANETS、designing、DIG THE TEA、MIMIGURIなど。
■主催:一般社団法人デサイロ
一般社団法人デサイロ(De-Silo)は、人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、社会との多様な接点をつくるアカデミックインキュベーターです。「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を研究者とともに探り、そのなかで立ち現れるアイデアや概念を頼りに、来るべき社会の探索と構想を目指します。
団体の概要や活動の詳細は以下ページをご参照ください。