【3/11開催】「仏教例外主義」から現代の宗教・社会を捉え直す──哲学者・下西風澄×哲学者・柳澤田実【Academic Insights #10】
レクチャーシリーズ「Academic Insights」の最新回、申し込み開始。第10回は、哲学者の下西風澄さんと柳澤田実さんが登壇。3/11(火)20時より、オンラインにて無料開催する。
人文・社会科学領域における「概念」や「アイデア」をよすがに、いま私たちが生きている時代や社会が直面する課題を読み解くレクチャーシリーズ「Academic Insights」。気鋭の人文・社会科学領域の研究者に、いまの時代を読み解くカギとなる「概念」や「アイデア」を提示していただき、来たるべき社会を構想するヒントを探究します。
第10回に登壇するのは、哲学者・下西風澄さんと哲学者・柳澤田実さんです。「仏教例外主義」という概念から、もはや多くのビジネスパーソンにとって耳馴染みのある言葉となった「マインドフルネス」についてラディカルに再考していきます。
単に瞑想にとどまらず、“書く瞑想”とも呼ばれる「ジャーナリング」や、「飲む瞑想」「食べる瞑想」を掲げる飲食体験など、「マインドフルネス」は仕事や生活のさまざまな領域に染み渡りつつあります。
こうした空前のマインドフルネスブームはなぜ起こっているのでしょうか? この問いについて考えるとき大きな示唆を与えてくれるのが、マインドフルネスブームの源流であるアメリカにおいて、仏教を他の宗教とは科学的・哲学的に一線を画す宗教とみなす「仏教例外主義」という概念です。
この仏教例外主義を批判的に検討しながら、東洋と西洋を超える思想を探求したマインドフルネスブームに対する挑戦的論考が、意識の哲学、認知科学の哲学を牽引する哲学者エヴァン・トンプソンによる著書『仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由』です。
下西さんは2024年11月に邦訳が刊行された本書の監訳者の一人であり、哲学を中心に、認知科学や文学史など横断的な視点から思索を重ねてきました。そして、柳澤さんはキリスト教思想を専門とし、宗教、政治、文化戦争、ファンダムを題材にアメリカを中心とした現代的問題への考察を重ねています。今回はそんなお二人と共に仏教、そして現代アメリカにおけるキリスト教の状況も踏まえつつ、現代の宗教・社会をラディカルに再考します。
本イベントでは、そもそも「仏教例外主義」とは何なのか?「仏教例外主義」というレンズから見えてくる、現代のアメリカそして日本社会の姿とは?──この概念の現代的意義や可能性について、下西さんと柳澤さんより直接レクチャーいただきます。
現代のアメリカや日本社会の姿について、議論を深めていくためのレンズを共有していくような時間にできればと思っております。ぜひふるってご参加ください。
■イベント日時
2025年3月11日(火) 20:00〜21:30@Zoomウェビナー
■イベント参加申し込み(無料)
以下のGoogleフォームより、必要事項を記入のうえ、参加申込をお願いいたします。
▶▶▶3/11 Academic Insightsの参加申込はこちら
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※配信リンクに関しては、お申込みフォームに記入いただいたメールアドレスに、後日お送りいたします※
■イベント内容
20:00-20:05:イントロダクション
20:05-20:50:「仏教例外主義」を起点とした、下西さん・柳澤さんによるパネルディスカッション
20:50-21:20:ディスカッション(参加者の皆様からの質疑応答)
21:20-21:30:クロージング
■登壇者プロフィール
下西 風澄(しもにし・かぜと)
1986 年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。哲学や文学を中心に執筆活動を行う。 著書に『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(文藝春秋)。 執筆に「生まれ消える心─傷・データ・過去」(『新潮』2023.5)、「演技する精神へ─個・ネット・場」(『文學界』2023.6)、「ぼくは言語」(『群像』2023.8)、「青空を見つめて死なない」(『ユリイカ』2024.4)など。詩に「風さえ私をよけるのに」(『GATEWAY』)、「ぼくたちは死んでいく。」(朝日新聞)ほか。
柳澤 田実(やなぎさわ・たみ)
1973年米ニューヨーク生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、南山大学准教授などを経て、関西学院大学神学部准教授。専門は哲学・宗教学。宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係を中心に研究している。訳書にターニャ・M・ラーマン著「リアル・メイキング いかにして『神』は現実となるのか」(2024年、慶応義塾大学出版会)、編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)など。
■モデレータープロフィール
小池真幸(こいけ・まさき)
De-Silo 編集統括。編集者。人文・デザイン・暮らしといった領域を中心に、研究者やクリエイターと協働しながら、ウェブメディアから紙媒体まで幅広くメディアづくりやコンテンツ制作に携わっています。最近の活動場所:PLANETS、designing、DIG THE TEA、MIMIGURIなど。
■主催:一般社団法人デサイロ
一般社団法人デサイロ(De-Silo)は、人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、社会との多様な接点をつくるアカデミックインキュベーターです。「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を研究者とともに探り、そのなかで立ち現れるアイデアや概念を頼りに、来るべき社会の探索と構想を目指します。
団体の概要や活動の詳細は以下ページをご参照ください。
https://desilo.substack.com/about
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非営利型一般社団法人として運営しているデサイロでは、サポーター(寄付者)を募集しております。私たちの活動に共鳴し、デサイロおよび研究から生まれる知の可能性をともに切り拓き、豊かにしていく営みを共にしていただける方は、ぜひ申し込みをご検討ください。現在、1万円を寄付いただくごとに、出版レーベル「De-Silo Label BOOKS」の第一弾書籍である 論集『生の実感とリアリティをめぐる四つの探求──「人文・社会科学」と「アート」の交差から立ち現れる景色』(限定1000部) を1冊プレゼント中です。デサイロ第1期の研究プロジェクトに参加した人文・社会科学分野の4名の研究者(磯野真穂、柳澤田実、山田陽子、和田夏実)による論考に加え、3名の小説家(山内マリコ、李琴峰、松田青子)による書き下ろし短篇が収録されています。サポーターの詳細や申し込み方法は、以下のリンクよりご確認ください。