【8/27開催】新イベントシリーズ始動!「世界制作」から日常を捉え返す──環境美学・日常美学研究者 青田麻未【Academic Insights #1】
8/27、デサイロでは新たなレクチャーシリーズ「Academic Insights」が始動。第1回は、環境美学・日常美学研究者の青田麻未さんが登壇。8/27(火)20時より、オンラインにて無料開催する。
人文・社会科学分野の研究者の方々と多様なプロジェクトを生み出してきたアカデミックインキュベーター「デサイロ」では、8月より、新たなイベントシリーズを始動します。
人文・社会科学領域における「概念」や「アイデア」をよすがに、気鋭の研究者とともに、いま私たちが生きている時代あるいは社会がこれから直面する課題を読み解いていくレクチャーシリーズ「Academic Insights」。気鋭の人文・社会科学領域の研究者に、いまの時代を読み解くカギとなる「概念」や「アイデア」を提示していただき、来たるべき社会の探索と構想のヒントを探究します。
第1回に登壇するのは、環境美学・日常美学を専門とする美学者・青田麻未さんです。
私たちの暮らしのあり方が日々変容を遂げている中、2024年6月に刊行された青田さんの著書『「ふつうの暮らし」を美学する:家から考える「日常美学」入門』(光文社, 2024)。
椅子、掃除と片付け、料理、地元、ルーティーン……さまざまな具体例を通じて私たちの感性、そして世界を見つめ直す本書の中でキーワードとして挙げられていた概念が「世界制作」です。
8/20に本ニュースレターで配信予定の青田さんへのインタビューでは、「世界制作」についてこう語ってくれました(強調:編集部)。
「普通の人々にも美的な感受性があって、それにもとづいた選択の一つひとつが世界を形づくっている。例えば、不格好だけど味は遜色ないような野菜は廃棄されがちですが、あえてそれを買うようにすることで、少しづつサステナブルな社会になっていく。日常的な私たちの行為の積み重ねが世界をつくっており、その行為というのが、実は論理や倫理だけじゃなくて、感性的なものにもかなり基づいて推進されているということを指摘するのが世界制作という概念です」(青田さん)
「日常美学の観点から考えると、モノや出来事、自分の感じ方を吟味することができるんです。例えば、いま美しいと思っているものは、なぜそのように感じるのか。あるいは逆に醜いと思うものに対して、どのように面白さや良さを見つけられるのか。時間をかけなければできないことですが、世界制作という概念、ひいては日常美学という学問は、自分の感じ方を反省するための言語を与えてくれるものだと思っています」(青田さん)
建築家やデザイナーといったプロフェッショナルだけでなく、日常的な私たちの行為の積み重ねが世界をつくっている──「世界制作」という概念、そして「日常美学」という学問分野の可能性や現代的意義について、本イベントでは、青田さんより直接レクチャーいただきます。
自らの「ふつうの暮らし」を見つめ直し、その捉え方が変わるきっかけ、そして「自分の感じ方を反省するための言語」を獲得するような時間にできればと思っておりますので、ぜひふるってご参加ください。
■イベント日時
2024年8月27日(火) 20:00〜21:30@Zoomウェビナー
■イベント参加申し込み(無料)
以下のGoogleフォームより、必要事項を記入のうえ、参加申込をお願いいたします。
▶▶▶8/27 Academic Insightsの参加申込はこちら
※イベント参加にはニュースレターへの登録が必須となります※
※配信リンクに関しては、お申込みフォームに記入いただいたメールアドレスに、後日お送りいたします※
■イベント内容
20:00-20:45:青田さんによる「世界制作」概念のレクチャー
20:45-21:30:モデレーターによる深堀り、参加者の皆様からの質疑応答
■登壇者プロフィール
青田麻未(あおた・まみ)
専門は環境美学・日常美学。1989年生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科講師。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得大学、博士(文学)。著書に『環境を批評する 英米系環境美学の展開』(春風社)、『「ふつうの暮らし」を美学する 家から考える「日常美学」入門』(光文社新書)、『アイドル・スタティーズ 研究のための視点、問い、方法』(共著、明石書店)など。
■モデレータープロフィール
小池真幸(こいけ・まさき)
De-Silo 編集統括。編集者。人文・デザイン・暮らしといった領域を中心に、研究者やクリエイターと協働しながら、ウェブメディアから紙媒体まで幅広くメディアづくりやコンテンツ制作に携わっています。最近の活動場所:PLANETS、designing、DIG THE TEA、MIMIGURIなど。
■主催:一般社団法人デサイロ
一般社団法人デサイロ(De-Silo)は、人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、社会との多様な接点をつくるアカデミックインキュベーターです。「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を研究者とともに探り、そのなかで立ち現れるアイデアや概念を頼りに、来るべき社会の探索と構想を目指します。
団体の概要や活動の詳細は以下ページをご参照ください。