モンゴルのヒップホップとシャーマニズムから考える音楽人類学——文化人類学者・島村一平 by 西浦まどか【人はなぜ音楽するのか】
人文・社会科学分野の研究者を伴走支援する「デサイロ アカデミックインキュベーター・プログラム」第1期の採択者・西浦まどかによる対談講座シリーズ最新回のチケット販売販売中。
人文・社会科学分野の研究者を伴走支援する「デサイロ アカデミックインキュベーター・プログラム」第1期(以下、AIP)の採択者である、文化人類学者・西浦まどかさん。
このたびデサイロは、オンラインをベースに新しい知を獲得し、共に学ぶ人たちと繋がれるこれからの学校の形を目指すあたらしい学びの空間「FILTR」とコラボレーションし、文化人類学者・西浦まどかさんによる対談講座シリーズ「人はなぜ音楽するのか」最新回を開催します。
▶▶▶「人はなぜ音楽するのか」 音楽人類学入門 のチケット購入はこちらから
■趣旨
最近、どんな「音楽」をしましたか?
楽器や歌が趣味という方だけでなく、暮らしの中でつい口ずさんでしまう鼻歌や、聞こえてきた音楽にふと体を揺らしてしまうこと……人は赤ちゃんから老人まで、みんなが何らかのかたちで「音楽」をします。
それではなぜ、人は音楽するのでしょうか。
お腹が満たされるわけでも病気が治るわけでもないのに、世界中どこでも人は歌ったり踊ったり楽器をかきならしたりしている――これはなぜなのでしょうか。
近年TikTokなどで見られる、「一般人」たちが踊る熱狂――これはどこから来るのでしょうか。何が私たちを駆り立てるのでしょうか。
この講座はこうした、人間にとって音楽がどのようなものなのか、音楽はどのような力があるのか、(あるいはどのような限界があるのか、)という問いを、受講者の皆さんと深堀りすることを目指します。 事前の知識や経験の有無は問いません。
東京藝術大学で音楽学を学び、東京大学で文化人類学を学んできた講師が、最新の音楽人類学の知見も紹介しながら、ゲストや皆さんとのディスカッションをナビゲートします。
今回は、文化人類学者として国立民族学博物館の教授を務めていらっしゃる島村一平さんをゲストにお招きします。
島村さんのご著書『ヒップホップ モンゴリア』では、モンゴルで今ヒップホップが大盛り上がりしていること、そしてその背景の一つに、モンゴルでのシャーマニズムの技術に韻踏みがあることを鮮やかに描き出し、文化人類学を越えた様々な分野に大反響を呼び起こしました。
日本とは全く異なるモンゴルの人びとのあり方を通して、”コトバ”と”ウタ”の関係、韻を踏むことがもつ社会的・政治的・宗教的なちから、そしてそれらがあなた個人の人生に果たす意味について、一緒に考えてみませんか。
■講座の内容
第1回 講義:文化人類学から見た”コトバ”と”ウタ” 「韻」や「ウタ」の社会文化的なちからをひも解くための「見方」を得るために、「音楽人類学」や「言語人類学」という分野の知見を紹介します。講義ですが、ライブアンケートやリアルタイム投票、ディスカッションなどを組み込んだ、参加形式で進みます。
第2回 ゲスト-講師対談:モンゴルのヒップホップとシャーマニズム ゲスト講師の島村一平さんとの対談を生配信します。 モンゴルでのヒップホップの歴史や現状、シャーマニズムとの関係などについて教えてもらいながら、「韻を踏むこと」や「うたをうたうこと」の社会的・政治的・宗教的なちからについて考えていきます。本講座の受講者は、随時質問やコメントを投げかけることができます。
第3回 受講者-講師ディスカッション: これまでの講義やゲストとの対談を振り返りながら、あらためて「人はなぜ音楽するのか」を受講者全員で考えます。
■講座開催日時(全3回)
・1/23 講座 20:00-21:30
・1/30 対談 19:30-21:30
・2/6 ディスカッション 20:00-21:30
■講座の特徴
・初心者向け
・対話型 講座はチャットや投票ツールなどを活用した、双方向型で進みます。
■講師について
西浦 まどか
玉川大学 非常勤講師(文化人類学・日本語表現101)。2016年に東京藝術大学音楽学部(音楽学)を卒業後、2018年に東京大学大学院 修士課程(文化人類学)修了。2021年-2022年・2023年-2024年にハーバード大学 客員研究員。2024年に東京大学大学院 博士課程(文化人類学)修了見込み。「人はなぜ『音楽』をするのか」を根源的な問いとして、2016年に映画『LISTEN リッスン』に出会ったことなどをきっかけに、「ろう者と音楽」の関わり、言語と音楽の根源的な関係に関する研究を始める。ろう者の出生率が遺伝的に高い、インドネシアのブンカラ村にて、文化人類学的なフィールド調査を行っている。
島村 一平
国立民族学博物館・教授。文化人類学・モンゴル研究専攻。博士(文学)。 1969年愛媛県生まれ、兵庫県西宮市育ち。1993年早稲田大学法学部卒業後、テレビ番組制作会社に就職。取材で訪れたモンゴルに魅せられ制作会社を退社、モンゴルへ留学する。モンゴル国立大学大学院修士課程修了(民族学専攻)。モンゴルで延べ7年過ごす。日本に帰国後、総合研究大学院大学博士後期課程に入学。同大学院を単位取得退学後、国立民族学博物館講師(研究機関研究員)、滋賀県立大学人間文化学部准教授を経て現職。著書に『増殖するシャーマン』(春風社)、『ヒップホップ・モンゴリア』(青土社)、『憑依と抵抗』(晶文社)、『辺境のラッパーたち』(編著、青土社)など多数。
【De-Siloではサポーター(寄付者)を募集中です】
非営利型一般社団法人として運営しているデサイロでは、サポーター(寄付者)を募集しております。私たちの活動に共鳴し、デサイロおよび研究から生まれる知の可能性をともに切り拓き、豊かにしていく営みを共にしていただける方は、ぜひ申し込みをご検討ください。現在、1万円を寄付いただくごとに、出版レーベル「De-Silo Label BOOKS」の第一弾書籍である 論集『生の実感とリアリティをめぐる四つの探求──「人文・社会科学」と「アート」の交差から立ち現れる景色』(限定1000部) を1冊プレゼント中です。デサイロ第1期の研究プロジェクトに参加した人文・社会科学分野の4名の研究者(磯野真穂、柳澤田実、山田陽子、和田夏実)による論考に加え、3名の小説家(山内マリコ、李琴峰、松田青子)による書き下ろし短篇が収録されています。サポーターの詳細や申し込み方法は、以下のリンクよりご確認ください。