【作品の詳細】-HRR- OBSESSIONIZM
人類学者・磯野真穂が研究テーマに基づいて制作した小説「HRR」では、脱毛が人権として確立される未来の社会が、想像として描かれている。アーティストの山内祥太はそこからさらに想像を膨らませ、「脱毛の社会浸透に抗い、むしろ毛を生やすことによって“人間”を取り戻そうとする動きが生まれる可能性」に目を向けた、新たなストーリーを紡ぎ出した。
そのストーリーを具現化したのが、新作「-HRR- OBSESSIONIZM」だ。以下は山内自身が記した、同作のステートメントである。
HRR “Hair Removing Right ”の運動が声高らかに叫ばれた時代、時代の影に現れた秘密結社
「-HRR-OBSESSIONIST(オブセッショニスト)」による植毛パフォーマンス「-HRR - OBSESSIONIZM(オブセッショニズム)」を行う。
私たちは頭がおかしくなってしまった。
“脱毛”に取り憑かれ、“脱毛”を愛し、“脱毛”を崇めた。
中途半端な”脱毛”は許さない。ありとあらゆる体毛を除去した。
私たちは毛を生やす人間とは関わらない。そこに美の局地があるからだ。
その結果、脱毛では世界を救うことができないことがわかった。
“脱毛”は我々人間から生きる喜びを奪い去った。
我々は声高らかに宣言する。
脱毛運動によっておかしくなってしまった社会規範を打ち砕き、人間を取り戻すのだ。
ともに生きる源を取り戻そう!
我々は毛を生やしもう一度、動物に戻っていくのである。
DE-SILO EXPERIMENT 2024
【4/13~14開催】小説から音楽、映像、メディアアートまで。研究者とアーティストのコラボレーションにより、研究知を起点に「生の実感とリアリティ」を探る2daysイベント
4/13(DAY1)に行われる山内のライブパフォーマンスでは、“儀式”を合言葉にある試みが開かれる予定。同日のトークセッションでは、研究テーマと作品の関連性についてひも解いていく。参加希望の方は、下記ウェブサイトからDAY1「Performance Ticket」の購入を。