【6/29開催】「リベラル・デモクラシー」はどこへ行くのか?/「アメリカ」を支える思想的・宗教的基盤の現在地とは?……Academic Insights「アメリカン・ダイナミズムの精神史」
第二次トランプ政権発足後、「リベラル・デモクラシー」や国際安全保障が揺さぶられる様々な事象が起きています。
イーロン・マスクが率いてきたDOGE(政府効率化省)による歳出削減や省庁再編、不法移民政策、米軍によるイランの核施設爆撃……そうした日々変化する現状理解は重要です。しかし、そもそもアメリカが建国以来どのような変遷でいまに至り、その行動を支える原理・原則、精神性、思想的/宗教的基盤をひも解くことで、より深い現状理解に至れないか──。
こうした課題意識のもと開催されるのが、Academic Insights「アメリカン・ダイナミズムの精神史」です。
民主・共和両党において主流派のプレゼンスが低下し、左右のポピュリズムが台頭することで、その極の振り子の動きがより大きくなるアメリカにおいて、「カウンターエリート」や「テック右派」とも称される人々の台頭は何を意味するのか。「リベラルな秩序」の行く末はどうなっていくのか。
本イベントでは、いま私たちが直面する変化とその変化に至るまでの歴史的経緯について、「アメリカ研究」の第一線で活躍される6名の研究者の方々と短期集中で一気に読み解いていきます。みなさまのご参加をお待ちしております。
■開催日時
2025年6月29日(日)15:00-18:00
■タイムテーブル
14:45- 開場
15:00-15:30 イントロダクション/これまでの6回のレクチャー振り返り
15:30-16:30 Talk Session 1
「リベラル・デモクラシー」はどこへ行くのか? テック右派、宗教保守、大統領制の視点から考える
井上弘貴(アメリカ政治思想史/神戸大学大学院国際文化学研究科 教授)、西山隆行(アメリカ政治/成蹊大学法学部 教授)、松本佐保(国際政治史、国際関係/日本大学国際関係学部 教授)
16:30-17:30 Talk Session 2
「アメリカ」を支える思想的・宗教的基盤はどのように変化してきたのか。その源流と現在地を探る
入江哲朗(アメリカ思想史/東京外国語大学世界言語社会教育センター 講師)、齋藤直子(教育学、哲学/京都大学大学院教育学研究科 教授)、柳澤田実(哲学、キリスト教思想/関西学院大学神学部 准教授)
17:30-18:00
参加者の皆さんとのディスカッション/Q&A
■開催場所
Midori.so Shibuya (https://midori.so/locations/shibuya)
■想定参加者(こんな人にオススメ)
本プログラムは、以下のような方々を対象としております。
第2次トランプ政権誕生の背景にある、アメリカ社会や人々の深層を理解したい方
第2次トランプ政権誕生以降の米国や国際社会の動向について学びたい方
宗教(本講座では主にキリスト教)が米国政治や社会に与える影響について理解したい方
「プラグマティズム」などのアメリカ哲学について学びたい方
■参考書籍
本レクチャーシリーズへの参加にあたり、下記の書籍に目を通していただくと、レクチャーやディスカッションの内容をより深く理解できます。※前提知識がない方でも参加いただける内容になっております。
▼本レクチャーシリーズにおける前提知識を身につけられるもの
西山隆行、前嶋和弘、渡辺将人、2024年、『混迷のアメリカを読みとく10の論点』慶應義塾大学出版会
会田弘継、2024年、『それでもなぜ、トランプは支持されるのか: アメリカ地殻変動の思想史』東洋経済新報社
アンダーセン、K.、2019、『ファンタジーランド: 狂気と幻想のアメリカ500年史』山田美明、山田文(訳)、東洋経済新報社
デイビッドソン、J.W.、2018、『若い読者のためのアメリカ史』上杉 隼人、下田 明子(訳)、すばる舎
岡山裕、西山隆行(編)、2024年『アメリカの政治 第2版』弘文堂
▼ご登壇いただく研究者の方の著書や翻訳に関われたもの
西山隆行、2024年、『アメリカ大統領とは何か: 最高権力者の本当の姿』平凡社
松本佐保、2021年、『アメリカを動かす宗教ナショナリズム』筑摩書房
ラーマン、T.M.、2024、『リアル・メイキング:いかにして「神」は現実となるのか』柳澤田実(訳)、慶應義塾大学出版会
ラトナー゠ローゼンハーゲン、J.、2021、『アメリカを作った思想 ――五〇〇年の歴史』入江哲朗(訳)、筑摩書房
井上弘貴、2020年、『アメリカ保守主義の思想史』青土社
エディトリアルデパートメント(編)、2023年、『スペクテイター〈51号〉自己啓発のひみつ』幻冬舎
エディトリアルデパートメント(編)、2023年、『スペクテイター〈52号〉文化戦争』幻冬舎
齋藤直子、木村博美、2019年、『「自分を変える」ということ アメリカの偉大なる哲学者エマソンからの伝言』幻冬舎
■参考記事
マジトラのゆくえ【キリスト教で読み解く次期トランプ政権】前編(柳澤 田実) | 学術文庫&選書メチエ
マジトラのゆくえ【キリスト教で読み解く次期トランプ政権】後編(柳澤 田実) | 学術文庫&選書メチエ
【試し読み】『リアル・メイキング』|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
松本 佐保:宗教政党としての共和党の勝利と、トランプ政権の今後の政策予測|特集|三田評論ONLINE
アメリカ社会「分断」の根底にある"ふたつの聖書" バイデンとトランプが宣誓に使った聖書は別物
多様性や平等重視に反発 トランプ氏支えた「変革めざす保守」[アメリカ大統領選挙]
【井上弘貴】アメリカ民主主義の危機とは何かー「ディープステート解体」に突き進む第二期トランプ政権 | 表現者クライテリオン
■チケット価格
一般参加:3,980円(税込)
De-Silo Online Membershipメンバー:無料
■申し込み方法
一般購入:【こちらのリンク】よりチケット購入をお願いします。
注意事項
・一般参加チケットは、本Peatixページよりチケットをご購入ください。
・一般参加のチケットには、これまで実施された全6回のレクチャーに関するアーカイブ動画は付きません。第7回ラウンドテーブルの参加チケットとなります。
・本シリーズのアーカイブ動画視聴をご希望の方は、以下のDe-Silo Online Membershipにご参加ください。メンバーシップにご加入いただいた方は、第7回ラウンドテーブルについても無料でご参加いただけます。
↓メンバーシップへのご加入を希望される方はこちらへ
https://de-silo.xyz/membership
■登壇者プロフィール
西山隆行(政治学者)
成蹊大学法学部政治学科教授。専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。
松本佐保(国際政治史学者)
神戸生まれ。88年聖心女子大学卒業(歴史学)学士。90年慶應義塾大学大学院文学研究科・修士号。96年英国ウォーリック大学大学院・国際政治史博士号(PhD)。イタリア政府給費留学生として、バチカン使徒文書(機密文書)館で調査、ローマ教皇研究を行う。名古屋市立大学大学院・人間文化研究科・教授を経て、現在、日本大学・国際関係学部・教授。専攻は国際政治、特に宗教と政治の関係に詳しい(欧州と米国、日本、バチカン)。著書に『バチカン近現代史』中公新書2013年や『熱狂する神の国アメリカ』文春新書2016年、『ローマ教皇とバチカン2000年の謎』宝島社2025年など他多数。
柳澤田実(哲学者)
1973年米ニューヨーク生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、南山大学准教授などを経て、関西学院大学神学部准教授。専門は哲学・宗教学。宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係を中心に研究している。訳書にターニャ・M・ラーマン著「リアル・メイキング いかにして『神』は現実となるのか」(2024年、慶応義塾大学出版会)、編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)など。
入江哲朗(アメリカ思想史研究者)
1988年生まれ。東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。専門はアメリカ思想史および表象文化論。映画批評もしばしば執筆。著書に『火星の旅人──パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史』(青土社、2020年、表象文化論学会賞奨励賞受賞)など、訳書にジェニファー・ラトナー゠ローゼンハーゲン『アメリカを作った思想──五〇〇年の歴史』(ちくま学芸文庫、2021年)など。
井上弘貴(政治学者)
1973年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授。博士(政治学)。専門は政治理論、公共政策論、アメリカ政治思想史。早稲田大学政治経済学術院助教、テネシー大学歴史学部訪問研究員などを経て、現職。著書に『ジョン・デューイとアメリカの責任』(木鐸社)、『アメリカ保守主義の思想史』(青土社)。現在、第二次トランプ政権下でのニューライトの思想的台頭について新しい著作を準備している。
齋藤直子(教育哲学、アメリカ哲学研究者)
京都大学大学院教育学研究科 教授。専門領域は、アメリカ哲学、教育哲学。エマソンやソローの19世紀のアメリカ超越主義をデューイやウィリアム・ジェイムズの20世紀プラグマティズム、および20-21世紀の哲学者スタンリー・カベルの日常言語哲学を主に研究。昨今では、アメリカ哲学との関わりのなかで、デリダやレヴィナスのポスト構造主義の他者論や、ウィトゲンシュタインの言語哲学との関わりについても研究をしている。主要著書は、The Gleam of Light: Moral Perfectionism and Education in Dewey and Emerson (2005)(単著)、『〈内なる光〉と教育:プラグマティズムの再構築』(2009)(単著)、Stanley Cavell and the Education of Grownups (2012, co-edited with Paul Standish), Stanley Cavell and Philosophy as Translation: The Truth is Translated (2017, co-edited with Paul Standish); American Philosophy in Translation (2019, 単著)、『「自分を変える」ということ:アメリカの偉大なる哲学者エマソンからの伝言』(2019、木村晴美との共著)。
■主催:一般社団法人デサイロ
一般社団法人デサイロは、人文・社会科学分野の研究者と協働するインディペンデントな研究所/シンクタンクです。研究支援、自社レーベル/メディアの運営、コンサルティングサービスの提供、研究と多分野のかけ合わせによるプロジェクト創出などを通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。
■お問い合わせ
プログラムへのお問い合わせについては、下記メールアドレスにご連絡ください。
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